ボランティアと相互扶助

 あちこちで大きな被害を出している雨ですが、通常なら全国から集結するはずの災害復旧ボランティアも、新型コロナウイルスの影響で被災地が近くの人以外はお断りという状態になっています。
 被災区域で困っている被災者は割と高齢の方が多いですので、万が一を考えると少しでも感染の可能性の少ない地域に限定してボランティアに入ってもらうというのは一つの選択だと思います。
 ただ、水害の被災地ではまずは建物の泥出しと洗浄が最優先され、これは人海戦術で取り組まなければあっという間にカビや雑菌の温床が床下にできてしまい、そうなると衛生的に問題が発生しますし、泥の撤去が終わってもにおいが取れなくなってしまいます。
 そんなときは被災者同士の相互扶助で順番に片付けていくしかありません。我が家だけ片付けば良いのでは無く、地域や集落として住民が一気に作業をしてしまわないと地域や集落の中に遺恨を残すことになります。
 地域で優先すべき場所や優先すべき家屋を選定してそこから順番にやっていくことで、それぞれが作業に当たるよりも効率よく早く洗浄ができます。
 優先すべきは水源が近くに確保できて泥出しが済めば人の生活が再開できそうな家屋から。全壊判定されるような家屋は解体するだけですから後回し。水が手に入りにくいところも時間がかかるので後回し。
 地域で顔が分かっている人なら、安心して作業ができると思います。気苦労はするかもしれませんが、自分もできることで参加すればいいのです。
 現状では、ボランティアは自分が感染していると地域に影響が出ると考え、様子を見ている人が大勢います。
 条件をきちんと整備し、感染の確率ができるかぎり下がる状態でボランティアに入ってもらうこと。そしてそれまでは地域の人達がお互いに助け合って復旧を進めていくこと。
 通常の災害対応に加えて新型コロナウイルス対策も織り込まなければならないので関係機関はかなり大変なようですが、被災地の掃除ができるかぎり早くできるように検討をしていただければなと思います。