【活動報告】救急救命講習会を開催しました

 2023年5月21日に益田市あけぼの西町にある(株)益田スイミング様を会場に、日本赤十字社島根県支部の方を講師にお招きして救急救命講習会を開催しました。
 当日は14名の方にご参加いただき、水難事故で気を付ける点や心肺蘇生法、AEDの使い方を3時間にわたってしっかりと講習をすることができました。
 心肺蘇生とAEDはほとんどセットでされることが多いので、今回の講習でも一連の流れとして行ったのですが、実際にやってみると非常に疲れてしまい、1分間でも圧迫する力が緩んでいくような大変さがありました。できる限りその場にいる人たちで交代で負担を軽くしながら命をつなぐことが重要だと感じました。
 今回の講習会でも、参加してくださった方からはさまざまな質問が出て、「夏の道路で短パン履いてる状態で膝立ちするのは難しい」とか「実際にどれくらい出くわす頻度があるのか」「心肺蘇生法をした相手が亡くなったら訴えられるのか」などといった質問も出て、講師の方も「周囲の協力を仰いでできるだけ怪我しないようにする」「講師自身はそういった現場には出会ったことはない」「心肺蘇生した相手が亡くなっても刑事訴訟にはならない」といった具体的な回答を一つ一つ丁寧に行ってくれました。


 毎回ご好評をいただいているこの講習会ですが、一年もたつと忘れてしまうというご意見も多く、できれば年内にもう一度やってみたいと考えていますので、興味のある方はぜひご参加ください。
 今回の講習会に参加してくださった皆様、そして丁寧に分かりやすい講習をしてくださった日本赤十字社島根県支部の講師の皆様にこころからお礼申し上げます。

【活動報告】塩づくり体験会を開催しました

 2023年5月20日に益田市高津町にある持石海陽王国様で塩づくり体験会を開催しました。
 当日は天気の変わり目で強い風の吹く中、6組の参加者がそれぞれ海水を汲んで煮立て、実際に塩づくりをしてみました。
 持石海岸の海水は不純物が少ないのか、やってみると非常にきめが細かくきれいな海水塩が取れます。
 参加者の皆様は「思ったよりもたくさん塩が獲れた」と驚かれていました。


 食べてみると「塩辛い! でも普段の塩とはだいぶ違う」という意見で参加者の皆さんが一致していました。
 また、手間暇と値段を考えた時に大手企業は絶えず企業努力をして、おいしい塩を私たちの食卓に提供してくれているのだなというお話もありました。
 今回の想定は「お子様連れの家族」を想定していたのですが、大人の方でも楽しめる体験会になっていたようです。
 イベント終了後には、海陽王国様のご好意でレストランでジュースも頂戴し、お時間のとれる方に楽しんでいただきました。
 コツさえつかめればどなたでも楽しくできる塩づくり。
 また機会を見てやってみたいと思っていますが、場所によっては出張体験会も行うことができますので、興味のある方はご連絡いただければと思います。
 今回参加してくださった皆様、イベントの周知やPRをしてくださった方々、そしてイベントに全面的に協力してくださいました持石海陽王国様にこころからお礼申し上げます。

持石海陽王国(持石海陽王国様のウェブサイトへ移動します)

スマートフォン用の充電池を持っていますか

 好き嫌いにかかわらず、最近ではさまざまな情報を得るのに使われているツールがスマートフォンです。
 電話、といいながら、さまざまなアプリで情報交換したり、音楽を聴いたり、写真を撮ったり、ゲームをしたりと、一台で何役も仕事をしてくれる優秀なアイテム。
 ないと困るという人も多いと思います。
 ところで、災害が起きると問題になるのがこのスマートフォンの充電方法。
 スマートフォンを大規模災害後もそのまま使えるようにするためには、スマートフォンを充電できる充電池を持ち歩いておくほうがよいでしょう。
 中には大容量のバッテリーを持つスマートフォンもありますが、そういったものでもない限りは、大規模災害後に電源を入れっぱなしにしておくと、びっくりするくらい電池を消耗します。
 これは基地局を探すためにアンテナの出力を自動的に上げることで起きるものだそうで、対策としては使わないときには機内モードにするか、あるいは電源を切っておくことが有効です。
 ともあれ、情報を集めるにしても安否確認するにしても暇つぶしするにしても、バッテリーが切れてしまってはただの箱。
 そうならないように、充電池を一緒に持ち歩くようにしてください。
 ちなみに、避難所では避難所にあるコンセントを勝手に使って充電することはできません。大規模災害の場合には、手持ちの電池で何とかするしかありませんので、充電池だけでなく、可能であれば太陽光発電装置なども用意しておいた方がよさそうです。
 自分のスマートフォンのバッテリーをどうやって持たせるのか、普段から意識して準備するようにしてください。

【活動報告】高津小防災クラブで「経口補水液を作ろう」を開催しました

 去る5月17日に益田市の高津小学校で今年初めての防災クラブを開催しました。
 本来は初回なので「災害ってなんだ?」というタイトルで災害の定義や種類について考えてみる回なのですが、前日から気温30度超えで熱中症が心配されたことから、急遽熱中症対策と経口補水液づくりをやってみることにしました。
 熱中症対策としては、まずは暑さに体を慣らしてしっかりと汗をかくようにすることと、こまめに水分補給をすること、できれば水や麦茶がよいというお話をし、経口補水液は脱水症状を起こしているときや起こしかけのときに使ってほしいという説明をしました。
 実際に経口補水液を作ってみたのですが、飲んでみた感想は全員「まずい!」でした。これがおいしく感じると脱水症状が始まっていますので、とりあえずは一安心。次にレモン果汁を加えて飲んでもらうと、感想がいろいろと変わって「ポカリみたい」とか、「よくわからん」「さっきよりまし」といった感じで、「まずい!」ではなくなりました。脱水症状を防止するために経口補水液を使うときには、ある程度何か味がついているほうが飲みやすいようです。
 最後は、もし熱中症で倒れたらということで、急速冷却材の説明と、冷やすのは大きな血管が肌に近いところにある場所ということで、わきの下や足の付け根、首の下などを冷やすことをお話し、意識がはっきりしていない場合には、点滴が必要となるのですぐに救急車を呼ぶことを重ねて説明し、終了しました。
 今年度初めての子ばかりで、17名中過去に参加したことのある子が1名だけという、なんとも捉えどころのない今年の防災クラブですが、そのうちには今年の個性が出てくるのかなと楽しみにしています。
 次回は改めて「災害ってなんだ?」というお話をしたいと思っていますが、状況によっては、またメニューが変わるかもしれません。
 参加してくれた児童の皆さん、そして担当の先生にこころから感謝いたします。

経口補水液を作ってみよう

 全国各地で気温が30度越えになり、いきなり夏が来たような状態になっていますが、あなたの体調は大丈夫ですか。
 熱中症の人もたくさん発生しているようなので、ちょっと前にも触れましたが、しっかりと暑熱順化して汗をかくようにし、体の中に必要以上の熱をため込まないように気を付けてください。
 ただ、汗をしっかりとかくと体の中からは水だけでなくさまざまなミネラル分も失われていきますので、それらもしっかりと補給する必要があります。
 意識的にお茶を飲める環境なら、麦茶が非常にいいと思いますし、運動などで激しい汗をかいたり、休憩時間が決まっているような人の場合には、経口補水液がいいかもしれません。
 品質が安定しているのは店頭で売っている既製品ですが、経口補水液は家でも作ることができますので、もしも興味のある方がいらっしゃったら、実際に作ってみてください。

材料
1.水500mlの入ったペットボトル
2.塩1.5g
3.砂糖18g
4.レモン果汁など、お好みの風味付けできるもの

作り方
1.500mlの水のペットボトルから50ml水を分けます。分けた水は飲んでください。
2.450mlになったペットボトルに、塩1.5gと砂糖18gを加えて、粉が溶けるまでしっかりと振ります。
3.お好みでレモン果汁などを加えてください。

 作るのは非常に簡単ですが、砂糖が多いので腐りやすいです。
 作ったらできるだけ涼しいところに保管して、飲むときにはコップに移す。そして作った日のうちに飲み切るようにしてください。
 この経口補水液の不思議なところは、身体が必要としていないときには非常にまずくて飲めたものではない味がします。
 逆に体が必要としているときにはものすごくおいしく感じるのです。
 市販品を買うこともできますが、時間がある時には作ってみて、自分の好みの味付けにしてみるのも面白いですよ。

【活動報告】雲南市のチームあそぼうさい様のイベントを見学しました

 2023年5月14日に雲南市のいいしへいわの里(旧雲南市立飯石小学校)で開催されたぼうさい親子ラリーを、主催のチームあそぼうさい様からお誘いいただいて見学に伺いました。
 チームあそぼうさい様は若い人たちが試行錯誤しながら地域の防災活動をしている団体で、ご縁をいただき、今回の見学となりました。
 当日はたくさんの親子連れがクイズや防災体験をし、こどもたちも親御さんもとても楽しそうに活動しておられ、当研究所のプログラムにも組み込んでいきたいと思う内容もいろいろとあって、見学をしているこちらも非常に楽しいひと時を過ごすことができました。
 他の団体様がされる防災イベントを第三者的に見る機会はなかなかないのですが、運営のやり方や目の付け所がいろいろと違っていて、そういった方法があるのかという刺激をたくさんいただきました。
 イベント終了後にランチミーティングさせてもらいましたが、こういったイベントを子供会の行事にあらかじめ組み込んでもらうことや、他の防災イベントとセットで行うことなど、いろいろな情報交換をし、話のなかで思わぬ共通の知り合いが出てきたりして、非常に楽しかったです。
 防災活動では、その地域での普及啓発はもちろんですが、いざというときに備えた横の連携もかなり重要ではないかと思っています。
 いろいろと教えていただきましたチームあそぼうさいの皆様にこころから感謝します。今後ともよろしくお願いいたします。

【活動報告】長浜まちづくりセンターで防災研修会の講師をしました

 2023年5月13日、浜田市の長浜まちづくりセンターで地震に対する備えを中心とする防災研修会の講師をしました。
 当日は18名くらいの方にご参加いただき、予定していた起震車が雨天で来れなかったので、みっちり2時間に渡って研修をさせていただきました。
 長浜地区は山あり海ありで地区内でもさまざまな条件があり、それぞれに備えが変わってくるところです。
 参加者にはご家族連れ、特にお子様が多く、プログラムを子供向けに急きょ振りなおして、台車を使った揺れ体験や、地震の時の防御姿勢、部屋の見取り図を描いて危険な場所を探してもらう「おうちの安全チェック」などを体験してもらいました。
 休憩時には、参加してくれていた子供から「地震のとき、机の下でどんな格好したらいいか教えて」というご質問をいただき、その場にあった会議机を学校の机に見立てて、机の下での防御法を説明しましたが、実物があるともっとわかりやすかったかなと思いました。
 いざというときに自分の身を守るのが、大人でも子供でも変わりません。
 「地震の時には先生の言うことを聞きましょう」と学校では教えていますが、それでは先生がいないときには子供は自分の命を守ることができませんので、きちんとした地震の時の防御姿勢やその後の避難の方法などを、子ども達が自らできるように、しっかり伝えていきたいなと思っています。
 今回お声がけいただきました、浜田市の長浜まちづくりセンター様に、こころからお礼申し上げます。

山野草にご注意を

山草・野草は季節を感じることができて食べる楽しみがあり、問題のない場所で必要最低限の量を採集することはあると思います。
ただ、気をつけないといけないのは、それが食べられないものであることがある場合も多いということ。
山草・野草をとるベテランの方でも、どうかすると間違えてしまうこともありますので、ベテランが大丈夫と言っていても、自分で調べてみるくらいの慎重さは必要です。
また、自分で判定できないようなものは原則として食べないでください。
よく間違えやすいものの例としてあげられるのが、ニラと水仙ですが、ぱっと見て違いが判らない人は、採って食べてはいけません。セリと毒セリ、行者ニンニクとイヌサフランなども
きのこなどにはよくありますが、ある地域では食用可でも、別の地域では毒になっているということもありますので、山草野草を採って食べるときには、確実に食用と判別ができたものだけを食べるようにすると間違いないと思います。

野菜・山草とそれに似た有毒植物(農林水産省のウェブサイトへ移動します)

地震の時の防御姿勢

机の下でダンゴムシ
机の下でダンゴムシはお約束です

 あちこちで地震が起きていますが、あなたがお住いのところは大丈夫ですか。
 さて、地震が起きた時に最も怖いのが怪我をすることです。
 転倒したり、落下物の下敷きになったりして怪我をしないように、例えば小学校では「机の下に入る」や「ダンゴムシのポーズ」などを教え、姿勢を低くして頭を守る行動を教えています。
 迅速に動けない方でも、姿勢を低くすることはできる人が多いと思いますので、できる範囲で姿勢を低くすること、そしてそれも無理なら周りの丈夫なものにしがみつくなどして、揺れで体がひっくり返らないようにしておきましょう。
 ところで、こういった防御姿勢ができていても、頭上から防御力以上の落下物が落ちてくると怪我をしますので、防御姿勢をとる前には周囲の安全確認をしっかりとしておきましょう。
 例えば、瓦やブロック塀、自販機のある周りにいたら、そこからは離れることや、駅やデパートなど吊り天井のところでは、できるだけ柱や壁などしっかりした部分に近づくなど、落下物から身を守る場所を選ぶようにします。
 また、職場や家などでは、そもそも落下物ができるだけ発生しないように、棚は低めにすることや、高いところに重たいものを置かないなどの対処をすることが大切です。
 周囲の安全確認と自分の防御姿勢をとることを一瞬で判断して行動するのは難しいですから、なんでもないときから周囲の安全確認をするくせをつけておくといいですね。
 ともあれ、地震の揺れで怪我をしないように、事前の対策をしっかりととるようにしてください。

古い神社は避難所です

 もしあなたの周りに古い神社があったとしたら、そこはさまざまな災害からあなたを守ってくれる場所になるかもしれません。
 工事などで神社が移転した場合を除くと、古くから神社がある場所は周囲に比べて安全な場所にあるはずです。
 というのも、神社のご神体ががけ崩れで埋もれたり水害で流されたりした後、二度と同じ事態にならないように、多くの場合それらの被害に遭わなかった場所に神社が移転しています。
 その結果、古い神社は周りで一番安全な場所に動いていき、被害のない場所に鎮座したのです。
 そういう経緯から、氏神様を祭る神社は、少し前の時代までは避難所の性格も持っていました。いざというときに安全に逃げ込めるように、参道の掃除は欠かさなかったですし、避難所のような公共性のある建物だからこそ、建て替え時には周辺の家々に寄付が回ってきていたのです。
 太平洋戦争のあとの政教分離と、無神論の広がり等に伴って、多くの神社が宮司も氏子もおらずに朽ち果てていっている現状ですが、避難所と考えて、そういった場所の整備をするのもありなのかなと思います。
 宗教的なあれこれは置いておいて、もしあなたのいる場所が安全な避難場所や避難所から遠いのであれば、近くの古い神社を選択肢にしてもいいのではないでしょうか。
 ちなみに、古くても合祀などで移転している場合もありますので、事前にハザードマップなどで安全かどうかは確認しておいてくださいね。