災害が起きたときに、どうかすると医療行為が止まってしまうことがあります。
現在の医療行為はさまざまな場面で機械が無いとどうにもならなくなっているので、災害用の発電機が設置されてはいるのですが、災害の種類によってはその発電機が使えなくなることがあります。
そうなると、医療機械だけでは無くて手続きや電子カルテに至るまで全てが止まってしまい、まともな診療ができなくなります。
でも、例えば透析が必要な方などは待ってくれとなると生死の問題になります。
そう言った場合には被災地以外の場所へ広域移動してもらって医療行為を受けてもらうのが現実的なやり方でしょう。
被災した医療システムを復旧しようとしても、とても数日間で何とかなるものではありませんから、医療機器を使わないと命の危険がある方のために、医療機関は広域で連携しておいた方がいいと考えます。
また、避難所での生活になったとき、医療体制が安定するまでの間は診察も検査も投薬もしてはもらえません。
そのため、持病を持っている人は自分の薬をある程度非常用持ち出し袋に入れて置く必要があります。
1週間から10日分くらいは予備があると安心です。
かかりつけのお医者様に相談すれば、そう言った配慮をしてもらえることがありますので、ないと命にかかわるような薬を飲んでいる人は、事前に準備しておいた方がいいと思います。
その上で、お薬手帳があれば、万が一かかりつけの医師や薬剤師との連絡が取れなかったとしても、そのお薬手帳に書かれている薬を見ることで、あなたを診てくれる医師や薬剤師はどのような症状でどのように薬を使っていたのかが分かって事故を防ぐことができます。
生命に関するような医療行為や薬は、災害に対していくつも対策をしておいて無駄にはなりません。
自分だけで対策をするのは難しいかもしれませんが、できる手を考えて打っておくことをお勧めします。
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学校の危機管理
文部科学省が各学校が持っている(はずの)危機管理マニュアルの見直し作業をするように通知を出しました。
ただ、そうでなくても忙しい学校の教員にその作業ができるかどうかは正直疑問です。
ちなみに、筆者が知っているいくつかの学校の危機管理マニュアルは、やたらと「適切に対応する」という文字が踊っていて、具体的には学校長を始めとする管理職のその場の判断に委ねています。
こういったマニュアルだと管理職の存在や能力に依存することになります。管理職が優秀なら臨機応変に動けてよいのですが、管理職が事なかれ主義だったり、学校に不在の際に発生した危機については誰も対応ができないというまずい状態を招きます。
でも、事細かく手順を書いておけばいいのかというと、そういったマニュアルではまず読んでもらえません。読んでもらえないならまだしも、最初から存在していないことにされてしまうこともよくあります。つまり、読んでいないマニュアルは普段存在していないのです。
言い方は悪いですが、「あり得るかもしれない危機」は、毎日さまざまな「目の前の危機」に追われる教員の中では優先度がかなり低いのです。
正直なところを書けば、マニュアルは現状でいいので教員の危機管理能力を底上げするのが一番いいのですが、今の状況を考えると望み薄です。
そう考えると、子ども達の危機管理能力を上げていくしかありません。
子どもに特化すれば、学校に頼らなくてもさまざまな場面でさまざまなやり方を使って教えていくことが可能ですし、子ども達の能力を嵩上げしていけば、やがて日本全体の災害対策が底上げされていきます。
それで対応していくしか手がないのではないかという気がしています。
もう一つ、教員は教育の専門家ではありますが、危機管理の専門家ではありません。
学校の危機管理をまじめにやるのであれば、危機管理に長けた専門家を配置することも必要です。
マニュアルだけ立派にしても、それが必要な状況になったときには役にたちません。
とりあえずは、教員が危機管理ができるくらいの心の余裕が作れるような状況に環境を整えることが先決ではないかなと感じているのですが、あなたはどう考えますか。
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飛散防止フィルムを貼ってもらった
災害時には窓ガラスが割れて飛散して怪我をするということがよく起こります。
最近では強化ガラスやペアガラスなどが主流になり、窓ガラスの強度自体はかなり上がっているのですが、それでも被災地に行くと割れたペアガラスや砕けた強化ガラスを見ることがあり、飛び散らないような加工は必要だなと感じています。
特に、古い家屋では窓ガラスはさほど強度が無いので、住人を守るためにも飛散防止フィルムを貼っておいた方がいいと思います。
割れても破片で怪我しないように、フィルムは部屋の内側に貼ることが大切です。そして、できるだけ空気やしわができないように丁寧に貼ること。
そうすることで強度も上がりますし、見た目もきれいです。
ただ、一つ問題になるのは、ガラス面が大きくなればなるほどうまく貼れなくなること。飛散防止フィルムはのりがついていて、それをガラス面にくっつけることでガラスの飛散を防ぐ構造になっています。ですが、のりの面をガラスにくっつけて貼り付けていこうとすると、風が吹いたりまくれたりして、のり面同士が貼り付いたり。一度くっつくと簡単には剥がれませんし、剥がれた場所はしわしわになってしまいます。
というわけで、今回は飛散防止フィルムを貼るのに専門家に来てもらって、貼り方を教えてもらうことにしました。
来ていただいたのは益田市美濃地町で「キラク内装」という内装屋さんを経営をしている澤木さん。
さっそく貼り方について教えてもらいました。
澤木さんによると、ポイントは次のとおり。
1.可能な限り、窓は取り外して作業する
2.できるだけ窓の寸法に近いサイズでフィルムをカッティングしておく
3.窓ガラスの貼り付ける面はきれいにしておく
4.のり面どうしやガラスの変な場所にくっつかないように、石けん水をガラス面にしっかりと霧吹きで吹いておく
5.丁寧に貼り合わせ、空気や水はゴムべらを使って丁寧にしっかりと除去する
剥がすときに備えて保護フィルムの方に養生テープを貼っておくとわかりやすい 内装用のヘラにタオルを巻き付けて押さえることで気泡と水を抜き取る。少量であればそのうち乾くのでちょっとくらいなら残っても大丈夫とのこと。
いうことで、大きい窓ガラス4枚を1時間半程度で貼り終わってしまいました。
作業工賃はそれなりにかかりますので全部を頼むわけにはいかないかもしれませんが、きれいでしっかり、手間なしでできる災害対策なので、風の当たる面や不安な場所だけでも専門家に貼ってもらうという選択肢もありではないかと思います。
また、もし自分で貼られるときには、ポイントに注意すればそれなりにうまく貼れると思いますので、DIYでも上手に貼ってみてくださいね。
キラク内装の澤木様、ご協力いただきありがとうございました。
防災グッズと日用品
防災のお話をしていると「防災グッズは高い」「場所を取るから用意できない」といった御意見をいただくことがあります。
確かに御意見はごもっともです。防災グッズは汎用品に比べるとかなり割高ですし、普段使わないものを保管するのに場所も必要です。
ただ、防災対策だから防災グッズで全て揃える必要はまったくありません。
例えば、防災訓練などでよく出てくるアルファ米は軽くて大量に保管が出来、賞味期限も長く設定されています。
その分1食あたりの単価は高くなっているのですが、これをご家庭で備蓄しておく必要があるかどうか。
もちろんあるに越したことはないのですが、食べ慣れないアルファ米よりも普段食べている米を準備しておく方が負担も少ないですし更新も忘れずにできます。
行政機関がアルファ米を整備しているのは、災害時にいきなり大量の食事を提供しなければならない状況が存在しているから。家で普段食べたり飲んだりしているのなら、何も無いという状況は少ないと思いますから、家にある食品を備蓄として上手に使えばいいだけの話です。
水も同じで、個人宅では長期保存水を備蓄するよりも水筒や空のペットボトルを準備しておいて、災害時にそれに充填するようにしておけば用は足ります。
必要なのは、全てを災害用として準備するのではなく、どこまで日用品を転用できるのか、どれは防災グッズとして専用で準備しておかないといけないかという交通整理です。
日常生活で使っているものは殆ど災害時にも使うことができます。悩むのはトイレくらいではないでしょうか。
トイレに関しては、普段から携帯トイレや非常用トイレを使って生活している人はいないと思いますので、いざというときに備えて防災グッズとして準備しておく必要があると思います。
逆に言えば、それ以外は普段の生活の中にあるものを転用すればなんとかなるということです。
普段の生活で使っている消耗品を少しだけ多く準備しておくことで、専用の防災グッズを買わなくても済みます。
普段使いのものをどうやったら災害時に利用することができるのかを考えてみることも、災害対策としては面白いと思いませんか。
大雨の時の避難
梅雨というと、しとしとした雨が何日も降り続くというのが昔の風物詩でしたが、最近では短時間で局所的に一気に雨が降って、それ以外は雨が降らないということも起きるようになってきました。
しとしと雨だと、河川が氾濫したり側溝や用水路が溢れたりするまでには時間がありますから、水位の上昇を見てから逃げても充分に間に合います。
ですが、短時間で局所的に降る雨だと、気がついてから準備ができた頃には家も道路も水浸しで逃げられないという事態が起こりえます。
大雨の時の避難は、どのようにしたらいいのかを少し考えてみたいと思います。
1.住んでいる場所の環境を知る
まずはお住まいの環境が低地かどうかを確認します。
周辺の土地に比べて低いようなら、避難を考える必要がある場所です。
また、ハザードマップを確認し、土砂災害が起きる可能性のある地域や河川の氾濫による浸水想定地域かどうかを確認します。
もっとわかりやすく書くと、凡例で示されている色が塗られている場所は避難が必要な地域と言うことになります。
この他、低地やハザードマップの凡例の色が塗られていなくても、崖下や崖の上、雨が降ると水の溜まりやすい場所などは、状況に応じて避難した方がよいかもしれません。
上記に該当しない場合には、とりあえずは慌てて避難する必要はありません。
ただ、孤立してしまう可能性はありますので、数日分程度の生活物資の確保はしておいてください。
2.避難先と避難経路を確認する
避難が必要だと判断したら、安全な避難先を考えます。近くの高台でも避難場所でもいいのですが、いくつか場所を決めたら避難路を線で引いてみます。
ハザードマップの凡例の色つきの場所や、普段見ていて危ないなと思うような場所、低地や崖下、崖上を通るような経路になっていませんか。
避難先だけでなく、避難経路が安全であることも大切ですから、大丈夫だと思えるまでいろいろと試してみてください。
3.実際に避難先まで歩いてみる
避難先と避難経路が決まったら、一度実際に歩いてみましょう。地図上で見るよりもいろいろな気づきがあると思います。
その時の気づきと、実際にかかった時間を記録しておきましょう。
4.避難開始のタイミングを決める
実際に歩いてみた結果を基に、避難にかかる時間を考えます。
避難するときには、恐らくすでに天気が悪くて歩きにくい状況になっていると思われますので、歩いてみた時間を1.5倍したものを移動時間としてみましょう。
その時間を基本にして、避難開始のタイミングを考えます。
例えば、移動に30分以上かかるようなら、警報が出たら避難するでもいいと思いますし、さほど遠くないのであれば、警戒レベル3で行動開始でもよいと思います。
警報基準が改正されて「レベル4=避難指示」となりましたが、レベル4が発表されたときでは移動開始が遅くなることも多いですから、判断基準は平時にしっかりと検討しておきましょう。
早めの行動なら、空振りは多くなるかもしれませんが確実に助かります。
5.非常用持ち出し袋を作っておく
避難後数日間を過ごせる程度の生活用品を詰めた非常用持ち出し袋を用意します。
大雨の場合には時間にある程度の余裕がありますから、持ち出しリストを作っておいて、避難前に袋に詰め込んでもいいかもしれません。
可能であれば生活用品のストック場所を非常用持ち出し袋にしておくと、そのまま避難開始できて便利ではあります。
6.避難したら戻らない
避難が完了したら、状況が落ち着くまでは避難先に留まるようにします。
避難所の設置者も「警報解除=安全」で避難所をすぐに閉鎖しようとするのですが、実際には警報解除後に崖崩れが起きたりすることもあります。
もし夜間であれば、そのまま朝まで避難所で待機して、周囲が明るくなってから帰ることをお勧めします。
自分の目で安全が確認できるようになったら避難解除と考えて行動するようにしてください。
大雨時の避難はタイミングと避難先が結構難しいものです。
平時に少しだけ時間を作ってルールを決めておくと、いざというときに迷わず行動することができます。
あなたの命を守るために、しっかりとした行動をするようにしてくださいね。
ペットの避難を考える
ここ最近の大規模災害とその後のさまざまな出来事から、避難所でもペットを受け入れようという動きが出ています。
ただ、問題なのは想定されているペットが犬や猫ということ。
そして同行避難が認められている避難所であっても、同伴避難といって避難所で一緒に生活することはできないことも多々ありますから、避難先で何が起きるかは正直なところ誰もわかりません。
現在、ペットブームというわけでもないのでしょうが、小はハムスターや鳥、蛇、フェレット、大はやぎや馬まで、ご家庭には実にさまざまなペットがいます。
そのペットの全てが避難所に避難してきた場合、果たして全てを受け入れることができるでしょうか。
例えば、ハムスターと猫が同じ部屋で一緒に過ごせますか。普段散歩で会うと喧嘩している犬同士が同じ避難所で生活できますか。フェレットはどうですか。蛇や金魚、カナリアやオウムではどうでしょうか。
そう考えると、避難所に避難する選択肢よりも、避難所に避難しなくてもすむような選択肢を考えておかないといけません。
例えば、耐震性があって、水に浸からず、崖崩れの心配のない場所で生活をすることができるなら、ペットだけで無く人間も避難しなくて済みます。そういった環境なら、万が一、人間が避難しなくてはいけない事態になってもペットは家で過ごすことが可能なのではないでしょうか。
域外避難の場合は状況が異なりますが、家が安全であれば、数日間えさとトイレの心配さえなんとかなれば、ペットだけで過ごしてもらうことは十分可能です。
また、被災地外の動物病院やペットホテル、一時預かりをしてくれるNPO団体にお願いするのもいいでしょうし、ペットがなついている人がいるなら、その人に当座の面倒を見てもらうというのもありだと思います。
キャリーケースに収まってもらったり、しつけをしておくことはもちろんですが、そもそもペットが避難所に避難しなくても済むような環境を作っておくことも、飼い主の責任の一つなのかもしれませんね。
住宅用火災警報器の点検と交換
住宅用火災警報器は、2006年に全ての家庭への装着の義務づけがされましたので、あなたのおうちにも設置されていると思います。
ところで、その火災警報器、設置してから稼働点検はしたことがあるでしょうか。
住宅用火災警報器には試験スイッチがついていて、年1回程度はそのスイッチを使って警報器が正常に動くかどうかの点検をしておく必要があります。
火災警報器は一度設置されるとそのままという場合も多いと思いますが、知らない間に故障したり電池が切れていると言ったケースもありますので、きちんと点検をしておきましょう。
一般的に、住宅用火災警報器の寿命は10年と言われています。
2006年の導入時に設置したとすると、現在15年が経過していますので、点検がされていないといざというときに動かなかったり、誤作動を起こして大騒ぎになったりすることも考えられます。
余談ですが、実は住宅用火災警報器に使っている電池の寿命も10年程度ということなので、「電池切れ=本体交換」と考えてもいいようです。
あなたのおうちにある住宅用火災警報器、もしも設置して一度も点検していないようでしたら、とりあえず試験スイッチを押してみて下さい。
正常に作動すればいいですし、反応が無かった場合には、早急に取り替えるようにしましょう。
また、もしもおうちの火災警報器が100V電源を使うタイプであるなら、設置業者さんに確認をしてみてください。
せっかくある住宅用火災警報器です。
いざというときにきちんと仕事をしてくれるように、定期的な点検と状況に応じての交換を忘れないようにしたいですね。
■「ペット防災手帳」のご紹介
災害が起きたときに起きるペットのさまざまな問題。
何が起きても飼い主が主体的に行動してペットをどうするのかについての判断をする必要があります。
家で引き続き面倒を見ることができるのが一番ですが、さまざまな理由から避難所に同行避難したり、知人や獣医さん、ペットホテルなどに世話をお願いすることも起こりえるでしょう。
その時、そのペットが必要な予防接種を受けているかや避妊処置をしているかどうか、必要な薬や治療中の病気があるかどうかといった情報は、口伝えよりも紙に書いたものを渡した方が確実だと思います。
要は動物版のパーソナルカードを作ろうという話なのですが、このたび鳥取県の米子市役所さんがそれらを網羅した「ペット防災手帳」の書式を作成し、公開してくれました。
米子市民向けのものですので、問い合わせ先が米子市役所の担当課になっていたり、表紙に米子市のイメージキャラクターが書かれたりしていますが、内容はとても参考になるものだと思いますので、ペットを飼っている方は一度覗いてみることをお勧めします。
ちなみに、ペットの写真を貼るページもあって、これは飼い主であることを端的に証明するためのものだそうですが、ここまで突っ込んだペット用の防災手帳は初めてかもなと思いました。
ペット防災手帳を作成しました(米子市役所環境政策課・ペットのページに移動します)
住んでいる家の地震対策を考える
災害対策のお話をするとき、地震とそれ以外で分けて話をすることが多いのですが、それには理由があります。
それは「地震はいきなり来る」ことです。
他の災害では、被害が発生するまでに何らかのはっきりとした予兆があって対応しやすいのですが、地震だけは予兆なしでいきなり大きいのが来ることがあります。
そのため、地震だけは事前に備えておかないと、「起きたときには決着はついている」状態になります。
というのは、地震で起きる最も大きな被害は家屋の倒壊で、これは地震とほぼ同時に発生するものだからです。
地震が起きたときにどのように行動するのかを普段から意識しているのなら、揺れと同時に屋外へ飛び出して難を逃れることもできますが、そういった意識がなかったり、寝ているときなどに地震が起きたら家屋倒壊に巻き込まれてしまうでしょう。
また、大規模地震の場合に倒壊家屋が多いと避難所が麻痺してしまって路上生活を余儀なくされてしまう場合もありそうです。
そうならないためには、まず住んでいる建物が倒壊しないことが必要です。家具や機材の地震対策は、建物が倒壊しないという前提で行うものですから、建物が崩れてしまっては建物内の耐震化はあまり意味がないことになってしまいます。
ただ、建物が地震に耐えうるかどうかは建物自体を点検してみないとわからないものです。
そこで、建物の耐震診断を受けることをお勧めします。
まず、お住まいの建物が地震に耐えうるかどうかを判断し、もし耐えられないということであればどこをどこまで耐震化するのかを決める作業が出てきます。
いざというときにさまざまな対策をしていても、発災時に死んでしまっては準備した意味がありません。
地震対策、その最初に建物の耐震診断を受けて対策をするところから始めましょう。
詳細は各市役所・役場の担当課までご確認ください。
地震に備えて木造住宅の耐震化をしましょう!(住宅の耐震化補助事業)(益田市建築家のウェブサイトへ移動します)
市町村の耐震診断・耐震改修制度(一般財団法人島根県建築住宅センターのウェブサイトへ移動します)
2021.6.11追記 益田市役所さんではブロック塀の撤去についても補助金を出す場合があるようです。市内で地震対策としてブロック塀の撤去をお考えの方は、一度相談してみてもよいと思います。
熱中症対策の飲み物を考える
熱中症については先日ざっくりと触れたのですが、その中で熱中症予防にはこまめな水分補給が重要だというのがありました。
利尿作用のあるカフェインが含まれる、例えば日本茶やコーヒーなどは却って脱水症状を招くので駄目とも書きましたが、ではどんな飲み物がよいのか。
今回はそれを考えてみたいと思います。
代表的なものとして、今回は「水」「麦茶」「経口補水液」「スポーツドリンク」の4つを比べてみることにします。
1.水
水分補給というと、文字通り水を飲むことが最初に浮かぶと思います。
炎天下で飲む冷えたお水はなんともいえず美味しいですし身体への負荷も少ないのですが、実は水だけ飲み続けると、水を飲んでいるのに脱水症状が起きるという妙なことになってしまいます。
これは血液などの体液にある塩などのミネラル分が汗や尿と一緒に体外に排泄され、体液が減ったところに水だけ補給することで体液の濃度が下がり、体液の濃度を戻そうとする身体の働きによって水分が排出され、結果として脱水状態になってしまうからです。
塩分や糖分を一緒に摂取すれば発生しない問題なので、お水と一緒に塩飴や塩分補給用のタブレットなどを食べるとよいでしょう。
もちろん、食べ過ぎ飲み過ぎにはご注意を。
2.麦茶
麦茶は夏の飲料の代表選手です。熱中症対策に重要なミネラルがしっかりと含まれていて、熱中症予防の飲み物としては非常に優秀です。
1リットルの麦茶にひとつまみの塩を加えることで水分が身体に吸収されやすくなります。
はと麦が原料のものは、成分に利尿作用のあるものが含まれているらしく気をつける必要がありますが、手軽で安く、飲み続けることができる飲料としては最適だと思います。
一つ気をつけておきたいのが、小麦アレルギーの方。食品表示法における27品目に大麦は入っていないのですが、小麦アレルギーの方の中には麦茶でアレルギー反応が出る方もおられるそうですので、該当する方は気をつけていただきたいと思います。
3.経口補水液
経口補水液は、元々は医薬品ですが、医療行為を伴わずに脱水症状の改善が期待できることから割とよく使われるようになっています。
特長は、身体への吸収の早さ。脱水症状の改善のために使われるものですので、身体に吸収しやすいように電解質濃度が高くなるように作られています。
同じ理由から、スポーツドリンクよりも糖度は低くなっています。わかりやすく書くと塩分多めで糖分控えめということです。
塩分が多めですから、塩分の摂取制限のある方は飲むときに注意が必要です。また、飲み方や取り使いについてもパッケージに記載があるので、それに従って服用することになります。
常用するのではなく、脱水症状が感じられる状況で使うというのが正しいと思います。個人的な感覚ですが、これを美味しいときには身体に脱水症状が起きつつあって、そうでないときにはまずくて飲めないというのを体験しています。
4.スポーツドリンク
ポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツドリンクも身体の水分補給を目的として作られています。
経口補水液と異なるのは、汗や排尿で失われる塩分だけでなく、運動時に失われる糖質の補給も考えられていること。
そのため、運動していない状態でスポーツドリンクを摂取し続けると糖分過多になってしまうので気をつけてください。
また、作られた目的上塩分・糖分がしっかり含まれていますので、それらの摂取制限を受けている人は注意が必要です。
ちなみに、以前「甘いので水で割って飲む」という話を聞いたことがありますが、身体への吸収効率などが変わってしまううえにおいしくないのでお勧めはしません。
目安としては、ゆったりとしているときや日常生活程度の運動であれば水や麦茶、炎天下での作業やスポーツをするならスポーツドリンク、脱水症状を感じたら経口補水液といった感じでしょうか。
その時々に応じて飲み物を変えていけばいいと思います。
気をつけたいのは、冷えすぎている飲み物は胃腸に負担をかけてしまうということ。
汗をかいた後に飲む冷たいものはとてもおいしいのですが、胃腸に負担がかかると吸収しにくくなるようですので、冷やしすぎないことも上手な水分摂取のコツといえるでしょう。
上手に水分を摂取することで、脱水症状を防ぐようにしたいですね。