2023年6月2日から3日の大雨、前線と台風の相乗効果でかなり強い雨が降った地域がありますが、あなたのお住いの地域は大丈夫でしたか?
避難レベル4の避難指示や避難レベル5である緊急安全確保が出された場所も多くありましたので、眠れぬ夜を過ごされた方もおられると思います。
また、被害に遭われた方にはこころからお見舞い申し上げます。日常が早く取り戻せることを願っております。
ところで、大きな災害が起きると、避難レベル3から4、5という順番で避難に関する情報が出されるということになっていますが、実際の運用ではすべてをすっ飛ばしていきなり避難レベル5の緊急安全確保になることがあります。毎回発表が遅いとお叱りを受けるこの避難情報の発表、自治体の中で何が起きているか考えてみたことがあるでしょうか。
こういう事態が発生する理由、実はすごく単純なもので、災害が発生しそうなとき、多くの人が自分では判断せずに行政に対応や救助をさせようとします。
一人二人ならともかく、それが何十、何百という数になると、電話対応だけで手いっぱいになり、気が付いたら緊急安全確保を出さなければいけない状態になっていることが多いのです。
情報提供はありがたいのですが、「だからなんとかしろ」と後につくと、一件の電話はとても長くなります。長いこと各自治体は人が多すぎるとして減らされ続けた結果として、電話にかかってしまうと他のことができなくなるくらい職員の数が減っています。また、「なんとかしろ」という電話の件数は年々増えていますから、そちらにかまけてしまって、本来業務ができなくなっているというのが実際のところです。
それと、一つ知っておいてほしいのは、避難レベルはあくまでもその地域全体を面で見た時に発表されるということです。
その地域全体が危険だと判断されて初めて出されるのがこの避難レベルですから、発表されるときにはすでに場所によっては災害が発生していることも十分に考えられます。つまり、自治体が出す避難レベルはあなたがいる地域という「面」であって、あなたがいる場所という「点」ではないのです。
自分の安全を守るためには、自治体の出す情報は頼りになりません。自分を守るのは、あくまでも自分の判断であることを忘れないようにしてください。
例えば、家の裏の川の水位が〇〇まで上がったら逃げる、とか、裏山の普段出ないところから水が出始めたら逃げるとか、自分の周りの環境で起きるちょっとした変化を避難判断にしましょう。
自分で決めた避難判断は、恐らくは自治体が出す判断よりも早くなります。
つまり、より安全に確実に避難を開始できるということになり、空振りは増えるかもしれませんが、自分の命は確実に守ることができます。
避難判断の基準は自分で持つ。そのために、家や近所の周りの普段の様子をしっかりと確認するようにしてください。
カテゴリー: 気象
気象庁発表の「顕著な大雨に関する気象情報」の運用が一部かわりました
2022年6月1日から線状降水帯予測が開始され、すでに運用がされているところですが、2023年5月25日の13時から、この運用が一部変わります。
現在気象庁が「顕著な大雨に関する気象情報」を発表している基準は以下の条件をすべて満たしたときに出されています。
①解析雨量(5kmメッシュ)において前3時間の積算降水量が100ミリ以上の分布域の面積が500平方キロ以上
②その形が線上(長軸・短軸比2.5以上)
③①の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上
④①の領域内の土砂キキクルにおいて土砂災害計画情報の基準を実況で超過(かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への到達割合8割以上)又は洪水キキクルにおいて警報基準を大きく超過した基準を実況で超過
ここで気を付けるのは、「前3時間」や「実況」という部分で、すでに起きてしまったことや実況を元にしているということ。
つまり、発表されたときには災害が起きている可能性が高いということになり、状況によりますが、一番ひどい状態のときに避難を余儀なくされる場合があるということです。これはあくまでも参考情報なので、顕著な大雨に関する気象情報が出たからと言ってすぐに避難に結び付くわけではありませんが、避難や対応をする側から見ると、もう少し早く予測ができないかという風に感じるものです。
今回の変更では、発表が30分前倒しされ、「このまま続けば後30分で上記①~④をすべて満たす可能性があるときに出されることになりましたので、ちょっとだけ命を守るための行動を開始する時間が早くなりました。
最終的には市町村単位で半日前から情報提供できるようにするという目標になっていますので、より早く細かな情報提供がされることになります。
ただ、どのように情報提供が進化してきても、最終的にそれを役立てることができるかどうかは受け取る人次第。
さまざまな災害の情報に対応して、早めにきちんと行動できるようにしておきたいですね。
「顕著な大雨に関する気象情報」の新たな運用について(気象庁のウェブサイトへ移動します)
地震とそれ以外で対応を分けること
災害時に備えていろいろと準備するように言われていますが、気をつけないといけないことがあります。
それは災害によって備えるべきパターンをわけておくこと。
より具体的には、地震とそれ以外の災害にわけて考えることが大切になります。
地震は来た時には勝負がついています。つまり、建物やブロック塀などの耐震補強や逃げ込める場所の確保といった、どれくらい事前の準備ができているかで結果が決まります。
対して、それ以外の災害ではある程度予測や予兆がありますので、対策をする時間があります。
「マイタイムライン」はまさにこの予測できる災害に備えた災害時行動計画になり、これを整備しておくことで自分が助かる可能性が上昇します。さらには、状況に応じてさまざまな行動パターンが作れるのも予測ができる災害対策の利点です。
いきなり来ると言われる火山の噴火でも、さまざまな映像を見る限りは噴火の開始から1分~数分の猶予はありますのから、その間にできる限りの退避行動をとることはできます。また、事前の準備である程度生存率を上昇させることもできると思います。
さまざまなところがやっている災害の研修会では、結構この部分がごっちゃになって説明されているので、なかなか理解してもらうのが難しいのではないかと思っています。
地震は事前準備と発生時から治まるまでを分けて考え、それ以外の災害では時系列で行動を整理していく。
これをわけるだけでも考えるのにかなり楽になります。
もしも何から手を付けていいのかわからない人がおられるのなら、地震とそれ以外でまずは切り分け、それぞれにどのような対策がいるのかについて考えてみてください。
避難先はどこですか?
災害で最優先されるべきは人の命であり、ハードもソフトもその前提で対策をとっています。
ただ、いろんな大人の事情があるみたいなので「避難=避難所」という図式を変えずに表現しようとして、「自宅避難」などという不思議な言葉が登場してきています。
「避難」という言葉の意味は「難を避ける」ということなので、「自宅避難」という表現でも問題はないという見解をしているみたいですが、「避難=屋外退避」ということを言い続けていたのが行政だったわけで、その見解を変えずに無理やりつじつま合わせをしているような、なんともいえない気分に「自宅避難」という言葉を聞くたびになってしまいます。
言葉遊びをするのではなく、前提条件として、そもそも「避難」は自宅にいると何らかの命の危険がある場合に自宅以外の場所に逃げるのだということをはっきりと言わなければなりません。
過去には自宅は安全だったのに、避難勧告が出たので避難を開始してその途中で遭難してしまった人がいます。
まずは安全なら自宅待機。自宅が危険だという人だけが避難行動をとらなければいけないということをあらゆる機会に言わなければいけません。
ともすれば、防災関係者でも簡単に「避難所に避難しましょう」などと言ってしまっていますが、その結果として、避難所は人であふれかえって収容ができなくなり、いくつもの避難所をめぐる避難所難民が誕生します。
もともと流域人口を考えずにテキトーに割り振られているのが避難所や避難場所なので、避難所難民が出てくるのは当たり前なのですが、それらの人たちの命も当然守られなければなりません。
ではどうするかといえば、まずは「自宅が安全であるかどうかを確認する」ことから始めて、安全であれば自宅で待機、危険であれば、そこで初めて避難するという選択肢が登場するのだと考えてください。
避難でも、例えば親せきや友人が安全な場所に住んでいるのなら、そこに移動するのが一番確実です。普段から良い関係であるなら、あらかじめお願いしておくことでトラブルを防ぐこともできるでしょう。
予算に余裕のある方は、被害地域から出てしまうのも手です。影響のないところに移動して、状況が収まってから戻れば、心身ともに元気な状態で復旧作業に入ることができます。
また、安全な場所にある宿泊施設などに移動して、そこで過ごすのもいいと思います。経費はかかりますが、避難所と違って宿泊するための設備があるので、かなり快適に避難生活を送れると思います。
最後に、何らかの理由で今まで書いてきた避難先が確保できない人だけが避難所に避難する。こうすることで、避難所に集中する人数はそれなりに減ると思います。
「避難=避難所」ではなく、避難所は「どうにもならない場合の最後の砦」という意識で、避難所以外の避難先を平時から探しておくことをお勧めします。
スマートフォン用の充電池を持っていますか
好き嫌いにかかわらず、最近ではさまざまな情報を得るのに使われているツールがスマートフォンです。
電話、といいながら、さまざまなアプリで情報交換したり、音楽を聴いたり、写真を撮ったり、ゲームをしたりと、一台で何役も仕事をしてくれる優秀なアイテム。
ないと困るという人も多いと思います。
ところで、災害が起きると問題になるのがこのスマートフォンの充電方法。
スマートフォンを大規模災害後もそのまま使えるようにするためには、スマートフォンを充電できる充電池を持ち歩いておくほうがよいでしょう。
中には大容量のバッテリーを持つスマートフォンもありますが、そういったものでもない限りは、大規模災害後に電源を入れっぱなしにしておくと、びっくりするくらい電池を消耗します。
これは基地局を探すためにアンテナの出力を自動的に上げることで起きるものだそうで、対策としては使わないときには機内モードにするか、あるいは電源を切っておくことが有効です。
ともあれ、情報を集めるにしても安否確認するにしても暇つぶしするにしても、バッテリーが切れてしまってはただの箱。
そうならないように、充電池を一緒に持ち歩くようにしてください。
ちなみに、避難所では避難所にあるコンセントを勝手に使って充電することはできません。大規模災害の場合には、手持ちの電池で何とかするしかありませんので、充電池だけでなく、可能であれば太陽光発電装置なども用意しておいた方がよさそうです。
自分のスマートフォンのバッテリーをどうやって持たせるのか、普段から意識して準備するようにしてください。
我が家のBCPを作ろう
防災用語として割と定着した感じのあるBCP、事業継続化計画といわれますが、何か不測の事態が起きた時にでも事業を継続できるような段取りを可視化しておくものです。
学校や施設、企業などで作っているはずですが、行政や業者の作ったひな型に文字を入れて、内容の確認も検証もせずに備えていますというところが山ほどあります。
実態に即していないBCPはいざというときに助けにならず、逆に邪魔になることが多いのですが、今回はそれに対する文句を言いたいわけではありません。
今回は、おうち版のBCPを作ってみないかというお話です。
おうち版BCP、一時期FCP(ファミリー・コンティニュー・プラン「家族継続化計画」)と呼ぶ人もいましたが、結局定着していないようなのでおうち版BCPとしてここでは説明をします。
内容は「誰がどこにいるのか?」「どこにいるときにはどこへ避難するのか?」「災害が落ち着いたら、どこで合流するのか?」「連絡手段はどうするか?」「収入はどのようにするか?」など、被災しても家族が安心して避難し、災害後、日常生活を取り戻すまでに必要な段取りをきちんと決めておくことです。
これを作ることによって、いざというときに自分がどこへ避難するのかや他の人がどこに避難するのか、どうやって連絡を取り合うのか、どこで家族がまた一緒になるのかといった、災害後に問題になる部分が解決できます。
家族と普段から生活している場合には、災害発生時にどうしても自分以外の家族が気になるものです。
子どものいるおうちだと、子どもを引き取りに学校などに出向くということがあるかもしれませんが、迎えに行く人や迎えを待っている人が被災するかもしれません。
でも、もしも災害発生時に子どもがどこかへ避難することを決めているのであれば、子どもはそれに従って避難しますし、危険を冒して迎えにいかなくても、状況が落ち着いてから避難先に迎えにでかけてもいいのです。
BCPと避難計画が決定的に違うのは、避難計画は避難完了までが目的であるのに対して、BCPは避難完了後、日常生活を取り戻すまでの手順を作っておくことが目的であることです。
作る時には、ご家族みんなであれこれ話しながら作ってください。そうすることで、参加した人は自分のこととして受け止めることができ、いざというときにもきちんと行動をしてくれます。
我が家のBCP、作るのは結構大変ですが、ご家族の行動範囲や活動内容、生活習慣を再確認することができるので、作った後は悩んだり迷ったりする必要がかなり減ります。
作ることが難しいなと感じたら、BCPについて書かれた書物を調べたり、BCPを取り扱っている業者などに相談してみてもいいと思います。
当研究所でもお手伝いできますので、興味のある方がおられたらご連絡をください。
我が家のBCP、作ってみてくださいね。
日のあるうちに避難する
災害の発生が予測されるようなときや災害発生後、自分の住んでいる場所に不安がある場合には避難をすることになります。
避難先は避難所だけではなく、ホテルや旅館、友人宅などいろいろとあると思いますが、共通して言えるのは、日中、太陽が出ているうちに避難を完了することです。
避難するのを迷っているうちに周囲が真っ暗になり、そのなかで避難をしなくてはならなくなった場合、足元も周囲も見にくくて状況がつかみにくくなります。
そうすると、日中避難の何倍も危険度が増し、避難速度も遅くなるために災害に巻き込まれてしまう場合も出てきます。
数時間で一気に水かさが増すようなゲリラ豪雨などの場合は仕方のない場合もありますが、可能な限り明るいうちに安全な場所への避難を完了させてください。
そして、避難完了後は翌朝までそこにいるようにしてください。
確実に危険性がない場合には夜間の帰宅もできると思いますが、確実性がない場合には夜明けまで待ってからの帰宅をするようにしてください。
自分の安全確保を安全に行うためには、できるだけ明るい状態での避難が望まれます。夜間に地震などが起きた場合にはどうにもなりませんが、予測できる災害では、迷ったらとりあえずは避難する。日のあるうちに避難を完了する。
該当する災害で避難をする必要がある場所に住んでいる場合には、それを徹底するようにしてください。
マニュアルはできるかぎり具体化する
学校や施設、企業などでは、基本的には災害時の対応マニュアルが作られているはずですが、あなたはそれに目を通したことがありますか。
もしも目を通したことがあるなら、書き方がどうなっていたのかを思い出してください。例えば避難なら「近くの公園や施設に避難」といった抽象的な書き方か、「〇〇公園の〇〇に避難」といった感じで具体化されていたでしょうか。
面倒くさいことと時間が取れないこと、そしてわからないことや責任問題に発展することを恐れてだと思うのですが、防災マニュアルではとにかく抽象的な書き方をすることが非常に多いです。
ただ、抽象的に書くと、いざ災害の時には非常に悩むことになってしまいます。例えば、具体的にどこへいつまでにどのように避難するのかがしっかりと明記されていないと、避難すべきタイミングを失ってずるずると逃げ遅れることになります。
緊急時に備えたマニュアルでは、より具体化し、単純化しておくことが大切です。
防災マニュアルを備える前提は「命を守ること」、そして「被害を軽減化する」ことですので、何を最優先するのかを取り決めたうえで内容を具体化してマニュアルは作成しておきましょう。
作るまでは非常に手間がかかりますが、一度作ってしまえば毎年きちんと見直すだけで災害時の行動基準となるマニュアルが手元にあることになり、災害時から復旧、復興時の手順がはっきりとわかり、手順が組みやすくなります。
また、もしもその防災マニュアルを使うことがあったなら、状況が落ち着いてから内容に足りないものがなかったかや段取りはうまくできていたかなど、次回に備えた検証と反映をしっかりと行っておきましょう。
担当する各省庁がそれぞれの所管に応じて防災マニュアルのひな型を作っていますが、あれは必要最低限の記載がされているだけですので、実際には自分のところにあわせたカスタマイズが必要になります。
ひな型に文字を入れて出来上がり、ではなく、その内容も含めてしっかりと検討し、自分のところにあった具体化されたマニュアルを備え付けるようにしてください。
マニュアルができたなら、そのマニュアルはしっかりと所属する全職員に情報を共有化しておかなければなりません。全部覚えることができないとしても、マニュアルがどこにあってどのページを使うのかがわかれば、非常時には心強い存在になりますので、作成から共有化する作業までを一連の流れとして、しっかりと整えてほしいなと思います。
おうちテントで避難訓練
ゴールデンウィークに入りましたが、お休みの方、お仕事の方、それぞれだと思います。前半は天気が割とよいとのことなので、外のイベントに参加する方も多いのではないでしょうか。
ただ、後半は天気が悪くなり、ところによっては大しけになるという予報が出ていますので、外あそびが難しい日もありそうです。
もしもお手元に自立型のテントがあるなら、それを使って家の中でおうちキャンプをやってみてはいかがでしょうか。
手持ちのキャンプ用品を使って、家にいながら家の道具は基本的に使わない、屋内でのキャンプ体験です。
電気やガス、水道、トイレなどは、その気になればいつでも普段の生活に戻すことができますし、その気になれば手持ちのキャンプ用品だけで家の中でのキャンプ生活を体験することもできます。
子どもさんがいれば、多くの場合は大喜びして楽しんでくれると思いますので、お出かけが難しい方でも、おうちレジャーとしてやってみたらどうでしょうか。
実は、これは災害時の避難訓練にもなっています。
雨漏りや窓ガラスなどの飛散、物の散乱などで自宅では普通の生活ができない場合でも、テントがあればちょっとした片付けさえできればそのまま家を避難所として使うことができます。
平時にいろいろと試しておけば、災害時にも慌てずに自宅にそのまま住み続けることも可能になるのです。
発災後の避難所は、その地域の人がすべて避難してきた場合にとても全員を収容することはできません。ましてや、快適な環境などは得ようもありません。
テントやちょっとしたおうちキャンプを重ねていれば、いざというときでも家や庭などで避難生活をすることができますし、避難所に避難しても、敷地やその周りでのテント生活がさほど抵抗なくできると思います。
「おうちテントで避難訓練」
面倒も難しくもなく、簡単にできてかなり効果のある楽しい訓練。あなたも一度試してみませんか。
大人の訓練、子どもの訓練
防災活動の一環として、避難訓練などの支援をすることがあります。
支援というのは、避難訓練のタイムスケジュールや訓練時の状況作成、訓練後の講評などさまざまですが、このうちで、一番喜ばれないのが訓練講評です。
講評をするにあたっては、人の命を守るべき仕事のある人には厳しく、自分の命を守ればいい人はそれなりに見ていくのですが、どんなに頑張ったとしても、必ず一つや二つの修正点、改善点は発生します。それを指摘して改善や修正方法を提案するのですが、これを「あら探し」と感じる人もいて、非常にやりにくいことがあります。
大人だけや子供だけの訓練はそれでも比較的楽なのですが、大人と子供が入り混じった訓練になると、途端に大人が傍観者になって参加している子どもたちの講評を始めてしまいます。
そういった人は、たいてい自分の訓練が満足にできていない方なので、どうしても辛口の評価になってしまい、後で怒られることもしばしば。
大人と子供が入り混じった避難訓練では、大人は子どもの講評ではなく、安全を確保するための誘導をしてほしいのですが、なぜか大人が指示を出し、子どもがそれに従って全員死亡の評価になったりするので、本当に難しいなと思います。
大人であれ子供であれ、自分の命を守るのは最終的には自分でしかできません。他人に命を預けてはならないのです。
本当は防災訓練でそういったことを徹底したいのですが、大人は指示慣れ、子どもは指示待ちになってしまっている場合が多いので、普段の生活を変えなければ、災害時に助かる人を増やすことは難しいのかもしれないなと思うことがあります。
大人だけ、子どもだけの訓練ではこういったことは発生しないので、混ざったときにどうやって生き残るすべを身に着けてもらうのか。
これができたとき、東日本大震災で子供達の避難が大人も救ったような状況が作れるのにと、少しだけ歯がゆい思いもしています。
どのようにしたら大人も子供も一緒になって助かることができるのか、試行錯誤は続きます。