2023年9月2日に益田市のスカイファームで開催された「家族みんなでぶどう狩り&遊んで覚える防災体験」の防災部分の講師をしました。
当日は中国労働金庫益田支店様のご依頼で、地震の話、防災ゲーム「地震がきたぞ!」、そしてアルミホイルとラップを使った容器を作る40分の体験会でした。
屋外で小さな子供さん連れが多いこともあって、座って聞くのではなく、実際に体を動かす体験会をやってみました。
最初は遠慮気味だった参加者の皆さんでしたが、防災ゲームではたくさんの人が参加してくれて、にぎやかなゲームができました。
防災体験会の後にぶどう狩りが控えていたので、ぶどう狩りで食べたぶどうの皮を入れるアルミホイルの容器を作り、酸で溶けないようにラップをかけて、実際にぶどう狩りで使ってもらいました。
蒸し暑い中、参加してくださった皆さんにはぶどう狩り前に、ちょっとだけ防災のことを知ってもらえたかなと思います。
今回参加してくださった皆様、そしてお声がけいただきました中国労働金庫益田支店の皆様、ご協力いただきました益田地区労働者福祉協議会の皆様にお礼申し上げます。
カテゴリー: 地震対策
【活動報告】外国人の方向け防災イベントの講師をしました
2023年7月30日に益田市の人権センターで開催された災害時外国人サポーター養成研修&防災イベントの防災イベントの講師として外国の方向けに災害についてのお話をさせていただきました。
当日は40名を超える方にご参加いただき、災害時外国人サポーター養成研修に参加された方たちと一緒になって、防災クイズや避難所でのお困りごと相談などを体験してもらいました。
意外に知られていないのですが、当研究所のある益田市にもいろいろな国の方がいろいろな形で仕事をしています。
ただ、普段は仕事以外では日本人との接触はあまりないことや、地域を見て回ることなどはあまりないようで、なかなか地域の情報、特に防災関係はうまく届いておらず、何をどうしたらいいのか、それ以前にどんな災害があるのかもわからないという方が多いようで、今回はそういった方向けに災害の種類や地震のときの身の守り方、ハザードマップの見方について初歩的な説明をしました。
参加された皆さんは和気あいあいと言った空気の中でも真剣に考えたり調べたりしてくださり、密度の濃い時間になったのではないかと思います。
外国の方向けの防災研修会は初めてだったのですが、普段使っている資料が案外とわかりにくいことがわかったり、伝え方に工夫が必要なことなど、今後の当研究所の研修会に反映できそうなことをたくさん学ばせてもらいました。
ひょっとしたらこういった需要があるのかもしれませんので、当研究所ではご要望があれば引き続き外国の方向けの防災研修会も開催したいと思っています。
今回お声がけくださった益田日本語ボランティアグループともがき様、そして災害時外国人サポーター養成研修を毎年企画されているしまね国際センター様にお礼申し上げます。
【お知らせ】「初めての防災キャンプ」を開催します
2023年7月22日から23日にかけて、益田市大草町の北仙道公民館で「初めての防災キャンプ」を開催します。
コロナ禍のさまざまな規制も解除されたことから、初めて全力運転での防災キャンプとなります。
地震からの避難方法、心肺蘇生、ご飯炊き、食べられる山野草探し、寝るための避難所設置など、本来計画していた内容での初めての防災キャンプ。
防災に興味はあるけれどどんなことをすればいいのかよくわからないというお子様の参加をお待ちしています。
対象は小学生全般になっていますが、過去の経験上、小学校4年生以上、外で遊んで暑熱順化済のお子様にお勧めとなっています。
詳しくはチラシをご確認ください。
締め切りは2023年7月10日とし、参加者は抽選となりますことをご承知ください。
自分から行ってみたいというお子様のお申し込みをお待ちしております。
【活動報告】すみれ保育園の避難訓練の支援をしました
去る6月23日、益田市のすみれ保育園で実施された避難訓練の支援をしました。
この保育園は地震から津波発生に備えた大規模な避難訓練を毎年やっていて、ここ数年は当研究所もこの避難訓練の支援を行って、善かった点や問題点、改善点などを報告書として保育園に提出しています。
この報告書は職員会議で共有されていて、毎年しっかりとした改善がされていますので、いざというときの対応はかなり的確に行われると、参加するたびに感じています。
今年も大地震から津波発生、高台への避難という訓練を実施。総勢50名以上の園児の皆さんが、保育士の先生たちに誘導されて近くの益田東中学校に移動していました。
保育士の先生たちは避難準備をしながら子供を見て、安全確認をしながら誘導をして、と目まぐるしく動く状況の中を的確に行動していく力量が求められます。
こういった大規模な訓練を実地でやっていれば、訓練でさまざまな事態に出会いますから、本番でも慌てずに対応ができ、子どもの命も先生方の命もしっかりと守れるのではないかと思っています。
今回もさまざまな改善点はありましたが、改善点は出て当たり前で、時代や状況、想定によってどんどん改善していくことで、災害に強い、命を守れる保育園になってもらえることを願っています。
いつも聞かれるのですが、実は訓練で何も問題が出なかった方が問題です。
訓練で問題が出ないというのは、すでに予定調和で訓練をしているということなので、本番ではほとんど役に立ちません。
いつもの状況から非常時に切り替え、非常時の対応を行うことが、本当の訓練なのではないかなと思います。
実は、事前に避難経路の安全確認をする方法についてお問い合わせがあったので、無線機を使う方法を提案し、当研究所の無線機をお貸ししたのですが、お貸しするときに設定を間違えて、保育園さんが避難経路の確認で出動させた先生と避難に備えて待機している本体との連絡が取れなかったという問題を起こしてしまいました。
でも、このことについても、訓練後にどのようにすれば問題が回避できたのかについての検討事例として、先生方が話し合ってくれ、どんな状況でも安全確保という姿勢はブレないなという強い印象をうけました。
益田市内にはたくさんの保育園があり、それぞれに創意工夫を凝らした保育を行っています。
でも、災害に備えて、しっかりと子供たちと一緒に実地で訓練をし、専門家を入れて改善点や修正点を見つけ、より安全確保をしようとしているところはそんなにないのではないかという気がします。
保育園を選ぶときには、普段の保育はもちろんですが、こういった非常時の体制がどのようになっているのか、そしてきちんと対応するための訓練ができているかも確認しておくといいかもしれません。
今回お声がけいただきましたすみれ保育園の先生方、一緒に訓練をしてくれた園児の皆様に感謝します。
【活動報告】高津小学校で防災クラブを開催しました
去る6月21日に益田市立高津小学校で、本年度第2回目の防災クラブを開催しました。
今回は地震を体験できる起震車が益田地区に来ていたので、消防署にお願いして子供たちに実際に地震がどのようなものかを体験してもらいました。
子ども達が体験した地震は東日本大震災と阪神淡路大震災。どちらも震度7の地震ですが、東日本大震災は海溝型、阪神淡路大震災は活断層型と、発生した原因が異なるために揺れ方も違います。
最初は遊園地のアトラクションを待つように楽しそうな子供達でしたが、実際に揺れを体験してみるとかなり驚いたようで、起震車から降りてもまだ揺れている気がする子や、他の人が体験しているのを食い入るように見ている子もいました。
この体験をした後で普段学校でやっている避難訓練での揺れた時に机の下に隠れることができるかや、先生が言われるような避難ができるかについて聞いてみると、「無理!」という回答が返ってきました。
それまでは漫然とやっていた訓練でも、実際に揺れを体験してみたことで考えるところがあったらしく、すごく真剣に考えていました。
イメージできなかったことがイメージできるようになってくると、訓練する様子もだんだん変わってきます。今回の起震車体験が今後子供たちの安全確保につながるといいなと考えています。
今回起震車を配車してくださった益田広域消防本部の皆様、クラブ担当の先生、そして参加してくれた子供たちにこころからお礼申し上げます。
行政の避難所対策
研修会などで過去の災害での避難所の写真を参加者にお見せすることがあるのですが、それを見た人の感想というのが「どれがなんだかわからない」というものです。
もちろん写真の雰囲気である程度の時代はわかるのですが、そこに出てくる風景というのは、それを除けばほとんど変化がないものになります。
大きな体育館のような場所にござや敷物が敷かれていて、不安そうな顔の避難者が無秩序にプライバシーのない状態で過ごしているという状態。
もしもお時間があるようでしたら、インターネットで検索してみるといろいろ出てくると思いますので見てみてほしいのですが、これだけ災害の多い国なのにもかかわらず、避難所については何の進歩もないのかなとちょっと悲しくなってきます。
幸か不幸か、新柄コロナウイルス感染症の流行に伴って避難する最初の時点から空間を仕切るということが行われるようになりました。
その結果は、避難所の収容人員の大幅な減少ということになり、避難所難民といった言葉が登場したりすることになったのですが、そもそも避難が必要な危険な場所に住んでいる人が相当な数がいるということが、貧弱な避難所の状態の大元になるのかもしれません。
避難する場所があるだけでもいいというのは確かにそうなのですが、それでも難民キャンプでの最低限人道的な生活を送るための基準、いわゆるスフィア基準を下回るような状態は決してあるべき姿ではないのではないでしょうか。
現在言われている南海地震・東南海地震が起きた時、どれくらいの人が被災者になって避難所に押しかけてくるのかはわかりませんが、人口が都市部に集中してきている現状を考えると、過去の大災害よりも悲惨な状況になることが予測されます。
避難所は最後の手段と考えて、被災しないと思われる知り合いなどの家や被災地外の宿泊施設、また、そもそも被災しそうな場所に家を建てないなどして、避難所への避難が選択肢の一番最後になるようにすることと、避難所を細分化すること、そして避難所を設置するためのパーテーションやテント、トイレや生活空間の確保など、個人で準備すると持っていない人とトラブルになりそうな部分については、できるだけ行政が資材を準備しておくこと、そして避難所の運営についてはできる限り地元やボランティアに任せていくこと。
そのためには、平時にいろいろな準備をしておく必要があるはずなのですが、あなたのお住いの自治体は大丈夫ですか。
知っていること、できること
災害対策に限りませんが、どんなことでも知っているということとそれができるということはまったく異なるものです。
防災に関しても、多くの人は頭ではやらないといけないことは理解していると思うのですが、頭で理解しているだけで、いざというときにはまったくできていないということが非常に多いです。
災害後によく「想定外だった」や「想像していなかった」「予想していなかった」「まだ大丈夫だと思っていた」といったコメントがほぼ必ず毎回出ているのは、頭で理解していると思っていたことができていなかったということの証明になるのではないでしょうか。
避難訓練や災害対策のあれこれは、わかっているからしなくても大丈夫という方が結構いらっしゃいますが、知っていることとできるということが違うということを理解しておいてほしいと思います。
頭でわかっているつもりでも、実際にやってみるとさまざまな齟齬が発生するものです。齟齬が出るからこそ、しっかりとした訓練をするわけですし、訓練後の修正点や反省点を確認したり、対策について見直したりすることをしておかなければいけないのです。
訓練はうそをつきません。
知っているだけではできませんし、訓練をやっている分だけは、いざというときにも体がしっかりと動くはずです。
知っていることとできることは全く違うのだということを理解したうえで、防災活動にしっかりと参加していってほしいと思います。
機能を止めない方法を作っておく
どのようなお仕事でも、その仕事が無くなったら困るという方が必ずいるはずです。
特に人にかかわる仕事の場合には、災害でその機能が止まるとさまざまなところに大きな影響が発生しますので、平時に対策をきちんと立てておくようにしてください。
特に保育園やこども園といった小さな子供を預かる施設、高齢者を受け入れるデイサービスなどは、その機能が止まってしまうと家族はその世話をすることになってしまって、おうちの片づけすらできないことになってしまうので、代替策を準備し、災害が発生した時には速やかに代替手段に切り替えるようにして、家族が復旧に専念できるような体制を構築しておく必要があります。
そのためには、保育園やこども園、デイサービスといった施設の職員さんのおうちの災害対策がしっかりとできていなければなりません。
施設のBCPはその施設だけで完結するものではなく、施設にかかわるあらゆる人やもの、組織といったところも含めての対策を作る必要があります。
施設だけではなく、さまざまな企業や組織においても同様です。
自分のところの仕事だけでなく、周囲の人やもの、組織とも連動してBCPを構築することが、地域の素早い復旧のための重要な項目となります。
地震とそれ以外で対応を分けること
災害時に備えていろいろと準備するように言われていますが、気をつけないといけないことがあります。
それは災害によって備えるべきパターンをわけておくこと。
より具体的には、地震とそれ以外の災害にわけて考えることが大切になります。
地震は来た時には勝負がついています。つまり、建物やブロック塀などの耐震補強や逃げ込める場所の確保といった、どれくらい事前の準備ができているかで結果が決まります。
対して、それ以外の災害ではある程度予測や予兆がありますので、対策をする時間があります。
「マイタイムライン」はまさにこの予測できる災害に備えた災害時行動計画になり、これを整備しておくことで自分が助かる可能性が上昇します。さらには、状況に応じてさまざまな行動パターンが作れるのも予測ができる災害対策の利点です。
いきなり来ると言われる火山の噴火でも、さまざまな映像を見る限りは噴火の開始から1分~数分の猶予はありますのから、その間にできる限りの退避行動をとることはできます。また、事前の準備である程度生存率を上昇させることもできると思います。
さまざまなところがやっている災害の研修会では、結構この部分がごっちゃになって説明されているので、なかなか理解してもらうのが難しいのではないかと思っています。
地震は事前準備と発生時から治まるまでを分けて考え、それ以外の災害では時系列で行動を整理していく。
これをわけるだけでも考えるのにかなり楽になります。
もしも何から手を付けていいのかわからない人がおられるのなら、地震とそれ以外でまずは切り分け、それぞれにどのような対策がいるのかについて考えてみてください。
スマートフォン用の充電池を持っていますか
好き嫌いにかかわらず、最近ではさまざまな情報を得るのに使われているツールがスマートフォンです。
電話、といいながら、さまざまなアプリで情報交換したり、音楽を聴いたり、写真を撮ったり、ゲームをしたりと、一台で何役も仕事をしてくれる優秀なアイテム。
ないと困るという人も多いと思います。
ところで、災害が起きると問題になるのがこのスマートフォンの充電方法。
スマートフォンを大規模災害後もそのまま使えるようにするためには、スマートフォンを充電できる充電池を持ち歩いておくほうがよいでしょう。
中には大容量のバッテリーを持つスマートフォンもありますが、そういったものでもない限りは、大規模災害後に電源を入れっぱなしにしておくと、びっくりするくらい電池を消耗します。
これは基地局を探すためにアンテナの出力を自動的に上げることで起きるものだそうで、対策としては使わないときには機内モードにするか、あるいは電源を切っておくことが有効です。
ともあれ、情報を集めるにしても安否確認するにしても暇つぶしするにしても、バッテリーが切れてしまってはただの箱。
そうならないように、充電池を一緒に持ち歩くようにしてください。
ちなみに、避難所では避難所にあるコンセントを勝手に使って充電することはできません。大規模災害の場合には、手持ちの電池で何とかするしかありませんので、充電池だけでなく、可能であれば太陽光発電装置なども用意しておいた方がよさそうです。
自分のスマートフォンのバッテリーをどうやって持たせるのか、普段から意識して準備するようにしてください。