【活動報告】薬局様のコロナ対策整備をさせていただきました

 新型コロナウイルス対策で医療関係はいろいろと大変な状況になっていますが、当研究所創立以来協力していただいている薬局様のBCPとして、お客様・従業員様を感染の危険から守るための店内の新型コロナウイルス対策作業をさせていただくことになりました。

薬局の投薬カウンター。薬剤師とお客様の距離が近く、感染の危険がお互いにある。

 作業の内容としては、お客様用トイレの閉鎖、感染対策のために車で待機してもらうことを促す貼り出し、そして処方箋受付、薬の説明や受け渡しを行う投薬カウンター、会計レジに飛沫防止用の透明なビニールカーテンを設営する作業で、今回は飛沫観戦用の透明なビニールカーテンを設営する作業をさせていただきました。
 ただ、このビニールカーテンに関してはさまざまな接客業種で同じような作業をされているようで店頭在庫がなく、緊急措置として厚手のビニール袋を切って代用することにしました。

 突っ張り棒を支柱代わりに各机の上に準備して、支柱の間にビニールをかけ、飛沫対策のビニールカーテンの代わりとしました。

 今回のビニール袋は厚手で透明度がそれほどでもないため、ちょっと見にくいのが難点ですが、使い勝手も含めて、運用しながら修正していただくことにしました。

 今後もさまざまな対策をしていくことになると思いますが、現在緊急事態と言うことでいつもと違うさまざまな案内が店舗前や店内にされています。
 お店を利用する前にそれらの表示を確認して、私たち利用者もお店の方も、お互いに安全に過ごせるようにしたいものですね。

2020年4月20日追記:透明なビニールカーテン用の資材が手に入ったと言うことで、さっそく交換されたそうです。

手を洗おう

 衛生管理の基本は手洗いです。消毒ではなく手洗いです。石けんをつけて、流水でしっかりと洗うこと。衛生管理の第一歩はここから始まります。
 被災地でさまざまな感染症が流行するのは、この手洗いをするための充分な水が手が入らないために発生するもので、アルコール消毒液を置いていても感染症を防ぐことができていないことから、流水による手洗いの効果のすごさがわかると思います。
 さて、世の中は新型コロナウイルス対策ということなのか、手を洗うのに充分な水も石けんも確保できるというのにアルコール消毒液がなくなっているという不思議な現象が起きています。もしかしたら、手洗いの仕方がわからないのかもしれません。
 今回は手洗いの仕方を教えてくれる動画をいくつかご紹介しますので、気に入ったものを確認してしっかりと手洗いをするようにしてくださいね。どの映像もやっていることは同じですが、この前提となる部分には、最初に水洗いで手の汚れをざっくりと落としておくことが必要となりますので注意してください。

 繰り返しますが、アルコール消毒はしっかりとした手洗いができていることが前提で初めて役に立つものです。
 アルコール消毒液も石けんでの手洗いと同じ段取りを踏まないとしっかりとした除菌はできません。石けんでの手洗いとの違いは、流水で汚れを落とした後、手をしっかりと乾燥させる必要があること。アルコール消毒は手が水で濡れていると効果がなくなってしまいます。乾燥させた手に、石けんと同じような段取りで消毒液をつけ、もう一度乾燥させて初めて衛生的な手になります。アルコールで濡れている状態では、殺菌ができていないことに注意してください。

参考:厚生労働省「手洗いで感染症予防(PDFファイル)」

 本当は石けんの方が手早くきれいに洗えるはずなのですが、アルコール消毒の方が手軽で確実だと思われているのが現状です。石けんはどこに行ってもまだまだ売っていますから、アルコール消毒液がないからといって諦めず、しっかりと石けんで手洗いするようにしてくださいね。

救急箱の中身、使いこなせますか

救急セット

 救急箱。非常用持ち出し袋や備蓄品を準備するときに必ず登場するアイテムです。ただ、救急箱の中身をどのように作り、それをどう使うのかをマスターしている方はどれくらいいるでしょうか。
 個人で持てる一般的な救急用品というのは、大きく分けると外傷用と内服用とにわかれます。
 外傷用は絆創膏やガーゼ、包帯、三角巾といったもの、内服用は胃薬、風邪薬、整腸剤などといったもので、これをバランスよく収めているのが家庭用の救急箱です。家庭用配置薬などは内服用に偏っているような気もしますが、普段ならそれでさほど困ることはありません。
 さて、では災害対策用にはどのような救急箱を作っておいたらいいのでしょうか。ものすごくおおざっぱに書けば、非常用持ち出し袋は主に外傷用、備蓄品は内服用を準備しておけばいいと思います。持病のある方は、それに対する薬をどちらの救急箱にも入れておいたほうがいいでしょう。
 ただ、ここで問題となるのが持っている救急箱の中身を使いこなせるかということです。例えば、止血や包帯の巻き方をきちんと覚えていない状態でそれらが非常用持ち出し袋の救急箱に入っていてもあまり役にたちません。
 言い換えれば、救急箱の中身は自分が使いかたをわかっているものでなければいけないということです。
 せっかく準備する救急箱なのですから、それを使いこなせるようになっておくと、いざというときに自分も人も助けることができます。
 せめて一年に一度は救急箱の中身を使う練習をしてみてください。そのときに使用期限も確認し、期限切れが起きないように気をつけるようにしてください。

口の中を清潔に保つ

 口の中がきれいでないと、さまざまな雑菌が繁殖します。その雑菌によるいろいろな病気にかかってしまう可能性が高くなるので、口の中をきれいに保つことは普段の生活でもとても重要なことです。
 通常は歯磨きやうがい、ゆすぐなどをして口の中に繁殖している雑菌を追い出しているのですが、災害時にはそれができなくなることがあります。特に発災から数日間は口の中がなんとなく気持ち悪くても、言い出せずに我慢してしまい、いつの間にかその気持ち悪い状態が当たり前になってしまうことが起きます。
 特に高齢者では口の中で雑菌が繁殖した結果誤嚥性肺炎を起こしてしまうことが多々あります。高齢者以外の方も免疫力が落ちていれば同じような症状になることはあり得ます。他にも虫歯やその他の疾患にもいろいろと口内環境が影響を与えているという話はありますので、気をつけるべき重要項目といっても過言ではないでしょう。
 口の中をきれいに保つために一番簡単な方法は、非常用持ち出し袋に歯磨きセットを入れておくことです。洗口液を一緒に準備しておけば水がなくても歯磨きから口をゆすぐところまで可能ですし、洗口液なら罪悪感もありません。

被災時の歯磨きでは水がない場合歯磨き粉は使わない方が無難。歯ブラシできれいにした後は、洗口液でゆすぎ口の中の汚れを撤去する。

 歯磨きセットがない場合には、清潔なティッシュ類や布をお茶や水に浸して絞り、歯を磨いてから少しの水でゆすぐようにすればとりあえずの口の中の衛生環境は守ることができると思います。

ティッシュや布を写真のように指に巻き付けて少し湿らせ、歯を磨く。

また、定期的に歯磨きの時間を生活の中に組み込んでおくことで、被災後の生活にもメリハリができて病気になりにくくなると思います。
 口の中は菌が繁殖しやすい環境が整っていますから、生活環境以上に衛生的であることに気を遣わなければいけません。
 あなたの非常用持ち出し袋にも、歯磨きセットは必ず入れておいてくださいね。

マスクの表と裏

 マスクが市中になくなっていて、普段買っているなじみのものが手に入らなくなっています。花粉症にはつらい状態ですが、そこはお互い様。マスクが手に入った人が周りにおすそわけしてくれたりすることがあります。
 今回マスクを一つわけてもらったところで、マスクの付け方が私とくれた人で異なっていることに気づいてしまいました。
 どうやらメーカーによって違うらしく、普段私が使っているものは、耳紐とマスクの接着面が内側になるようにつけるという説明書きがあり、何も気にせずにそんなもんだと思っていたのですが、今回もらったメディコムジャパンさんのマスクは、耳紐とマスクの接着面が外側になるように作られているそうです。

普段使っているマスクの説明書き部分の抜粋。接着面が内側になっている。

 教えてもらったので事なきを得ましたが、使い捨てマスクは表裏を間違えると殆ど意味がなくなってしまうので、メーカーさんによって違いがあると言うことを今回知って、正直びっくりしました。最近の使い捨てマスクの多くは鼻の部分を押さえるための針金のようなものが入っていることが多いので、上下を間違えることは少なくなったのですが、つけるときには気をつけないといけないようです。

鼻を押さえるための針金のようなもの。ノーズフィッターというらしい。

 気になったので他のマスクも調べてみたのですが、一つ共通点があったのはマスクのプリーツの向きはひだひだが下に向かって伸びるように取り付けること。でもこれもひだひだが中心から上下に伸びるようになっているものもあったりしてやっぱり悩むことになります。
 こんなご時世なので、どんなマスクが手に入るのかがわかりません。マスクの表裏については、外装の表示にあるマスクの取り付け方を確認するか、表示がない場合にはメーカーさんのウェブサイトで付け方を確認した方がよさそうです。

衛生管理は手洗いが基本

 マスクとアルコール消毒液がないということで狂騒曲状態になっている世の中ですが、災害対策という目を通してみると衛生管理をどのようにするのかということになります。
 災害後の衛生管理では、まずは手洗いが基本になります。しっかりと石けんなどで手洗いをした上で、アルコール消毒やマスクの着用をすることになります。
 水が出ない場合にやむをえずアルコール消毒液やマスクを使用することになりますが、水が得られない場合の衛生管理というのは、水がある場合に比較すると格段に状況が悪くなります。
 現在の状況は、「被災してはいるが水はある」状態なので、アルコール消毒液やマスクがないとしても、比較的衛生管理はしやすいと考えます。
 ただ、一口に手洗いと言っても適当にやっていたのでは意味がありません。石けんを使い、手全体を30秒以上しっかりと洗浄し、流水でしっかりと流す。これだけで最近やウイルスに起因する病気にかかる確率は格段に減ります。30秒といってもぴんと来ない方は「もしもしかめよ~♪」の歌を1番歌うとそれくらいの時間になると思ってください。
 実は細菌やウイルスに感染する感染経路で一番多いのは「手から」です。普段はどんな人であれ、5分程度で何かしら顔を触っているものです。そこから体内に侵入してくることになりますので、手をしっかりと洗浄することで感染症になる確率を下げることができるということなのです。
 マスクやアルコール消毒液がないという事態から、手洗いをしっかりとする人が増えています。細菌やウイルスによる感染症の発症はずいぶんと押さえられているのではないかと思います。
 上手な手洗いについては、下のリンク先を参考にしてくださいね。

しゃぼん玉石けん「シャボンちゃんの手あらいうた(前半は手の洗い方、後半は一緒にやってみようになっています)(リンク先:youtube)

花王ビオレu ビオレu泡ハンドソープ「あわあわ手あらいのうた」練習編CM(リンク先:youtube)

続・新型コロナウイルスとBCP

 遅ればせながら政府がいろいろと新型コロナウイルス対策を打ち出し始めました。「お願い」や「依頼」「配慮」など、どうみても責任は取りませんといった文字が目白押しですが、政府はともかく、一住民としては生き残るための自衛策を考えなければなりません。
 ここのところの騒動で過去に「新型コロナウイルスとBCP」や「BCPを作ろう」といった記事を書いてはいますが、個別のBCPについて質問されることが増えてきているので、何を考えたらいいのかをもう一度整理してみたいと思います。
 BCPの究極は「いかに自分のところを構成している人・もの・金にダメージを受けずにやり過ごすか」です。このため、自分あるいは自社にとって守るべきものは何なのかを決めておく必要があります。
 ポイントは二つ。事業をどのタイミングで中断するかという判断と、事業をどのように再開するかという判断を決めておくことです。自分や自社にとって事業の中断による社会的ダメージと事業の継続による社会的ダメージのどちらが大きいかを判断することになるでしょう。
 また、経済的・人的・資材的にどのタイミングで止めたら一番再開が安定して行えるのかということも検討しておきます。どの段階でどこから何をどれくらい持ってくればどんなものが再開できるのか、自分や自社の都合だけでなく「社会的に必要とされるものの優先度はどうか」を考えながら対応策を組んでいくことです。
 準備も必要です。新型コロナウイルスは潜伏期が14日程度と言われていますから、怪しいと思ったら14日は隔離される覚悟をしておかなければいけません。そのために必要な食料品や資材は準備できていますか。自分や家族、従業員に何かあったとき、きちんと休みが取れる体制になっていますか。また、休業状態になってどのくらいの間経済的に持ちこたえることが可能ですか。
 BCPは根性論ではどうにもなりません。必要とされるものを洗い出し、対策を考え、準備することで初めて稼働できるものなのです。
 現時点ではマスクも消毒用アルコールも市中には無い状態でいつになったら安定供給されるのかについても目処が立っていません。自分たちでできる自衛策は限定的ではありますが、それでも手がないわけではありませんから、根拠のある対策を調べて実行してください。ネット情報ではファクトチェックしているサイトもありますので、そういったところで内容の真偽を確認し、少しでも安全な対策をとるようにしてください。
 長々と書きましたが「どうなったら休業するのか」「どうなったら再開するのか」、取り急ぎその二点だけ決めておけば今後の対応は格段に楽になると思いますよ。

車いすの避難について考える

よくある避難訓練の一コマ

  施設などの避難訓練では健常者の訓練の中に「車いすを非常階段で抱えて下ろす」というような項目が追加されていることが増えてきました。
 エレベーターなどで上層階に簡単に移動できるようになりましたが、火災や災害でエレベーターが動かなくなってしまうと、車いすの方の避難は階段を使わざるを得なくなりますが、 そういうときにどうやって車いすの方を安全なところへ避難させるのかを確認して訓練しておくことは、実は結構大切なのではないかと思っています。
 実際にやってみると、棚などから落下したものが通路をふさいでみたり、非常扉が通り抜けできない構造だったり、非常階段がそのままでは降りられなかったりと、健常者では問題にならないさまざまなことが問題になります。
 これに気づいて対応策を考えておくことは非常に重要なことで、一度対策を身につけると、いざというときに車いすの方を安全に避難させることが可能になります。
原則は車いすごと抱えて避難ということになるのですが、このときによく問題になるのは車いすの人を階段で下ろすとき、前向きで下ろすのがいいのか、背中から下ろすのがいいのかについて毎回悩みます。一般的には抱えている車いすからの転落が怖いため、背中側を階段の下に向けて移動させるそうなのですが、移動する方向が見えないと怖いという方もおられます。車いすの人が職場の人間であれば、あらかじめ試してみてどちらがより楽かを決めておけばいいのですが、お客様で来られた場合にはどちらがより安全かについて迷うこともあると思いますが、迷っていても仕方の無いことですし、問題になるのは車いすの方を安全に避難させることなので、その場の状況やいる人数によって運び方を変えるしか手はないです。
 あと、施設などに置かれている貸し出し用の車いすは非常に重たいですので、そのことも踏まえて一度訓練しておいた方が安心だと思います。
 車いすに限らず、障害を持っている方が安全に避難できる環境というのは健常者にとっても当然安全な環境です。より安全に避難できるように、避難訓練にもいろいろな要素を加えていって欲しいなと思っています。

避難所と防疫

 災害時に怖いのは、人がたくさん集まって生活する空間となっている避難所で発生する感染症。インフルエンザやノロウイルスなどは、避難が長期化した避難所では必ずと言っていいくらい発生して蔓延してしまいますが、その対策としては、徹底的な防疫を行うことくらいしかありません。
 今回は、避難所で起こりうるであろう感染症発生時にどのような対策をすればいいのかについて考えてみます。

1.防疫って何だろう?

  国語辞典などを見てみると、防疫とは「伝染病を予防し、またその侵入を防ぐこと」とされています。つまり、防疫という言葉は「予防措置」と「防御措置」の二つの性格をもっていると言うことになります。

2.予防措置

 大規模避難所では、何よりも衛生環境の維持が必要です。感染症を起こさないようにするためには、徹底した手洗いとうがいが推奨されていますが、被災地では必ずしも水が潤沢にあるわけではありません。
 それでも消毒を行ったり、ウエットティッシュなどで拭く、手が洗浄できなければ使い捨て手袋を使うなど、可能な限り衛生管理を行ってください。
 また、生活空間は絶対に土足禁止です。そして、寝る場所は床から少しでも高さのある状態にしてください。この二つを守ることで衛生環境はかなり維持することができます。
 あとは歯磨きなどで歯や口の中の雑菌を繁殖させないようにすること。特に避難所での生活では気力も体力も消耗していきますから、いつも以上に口腔内の衛生には気をつけるようにします。

3.防御措置

 それでも人が多く集まれば何らかの感染症が発生することは避けられません。感染症発生に備えて、患者を隔離できる部屋を一つ準備してあらかじめ空けておく必要があります。
 また、基礎体温のチェックや体調の確認は毎朝毎晩行うようにし、少しでもおかしな兆候があればマスクを着用した上で隔離部屋へ移動してもらって様子を見ます。
 隔離部屋は部屋だけでなく、その周辺を含めて立ち入り制限区域とし、制限すべきエリアは目で見てわかるようにしておきます。また、立ち入り制限区画の出入口には消毒、マスク、手袋などを用意し、できるだけ感染者に直接接触しないようにします。感染者に接触した後は、生活空間に菌を持ち込まないようにマスクや手袋などは制限区域内に処分場所を用意してそこで外すようにします。間違ってもそのまま生活空間に入らないようにしてください。
 隔離部屋については、室内が乾燥しないようにし、感染者が寝るための場所を準備しておきます。これは生活空間と同じように直接床ではなく、少しでも床から高い位置に場所を作るようにします。そして汚物入れや汚染されたものを生活空間に持ち込まないように窓などから外部へ搬出できるルートは作っておいてください。
 また感染者には優先的に食べやすいものや飲料を供給し、病気の回復を支援するようにします。

4.感染症は起きるものと考える

 感染者と一般者が普通に接触していると、感染は一気に拡大します。早めの封じ込めにより感染拡大を防ぐことと、汚染されているかもしれない空間と汚染されていない空間とがはっきりわかるようにしておくことは、感染症対策としては絶対条件となります。そのため、例えば巡回する医師や看護師などの医療関係者も感染者に接触した後は生活空間に入らないようにしてもらいましょう。
 防疫については大げさすぎるくらいでちょうどいいと思います。ここでは病院に搬送できないという想定で隔離部屋を作っていますが、発症したら病院に送り込むくらい極端でも構わないと思います。
 そしてもし避難所内で隔離するのであれば、感染者が体力を維持し、回復できるように飲料食や薬を優先的に回せるように考えておきましょう。
 いずれにしても、ある程度の規模の避難所では、避難が長期化してくると感染症は必ず発生します。発生したとき、いかに素早く対応できるかで被害の状況が変わりますので、感染させないこと、感染を広めないことを念頭において日々の管理を行うようにしましょう。

自分ができる地震時の安全な姿勢を決めておく

 地震が起きたとき、まず最初に周囲の安全を確認してからダンゴムシのポーズを取る、というのが最近の耐震姿勢のはやりのようです。
 ただ、何らかの事情でダンゴムシのポーズがとれなかったり、周囲の安全確認に時間がかかったりする人がいることも事実ですので、自分がすぐにとれるできるだけ安全な姿勢というのを確認しておきましょう。例えば高齢者の方などは素早い行動を取るのが困難な人も多いですから、安全確認しているうちに揺れで転んで怪我をしてしまうかもしれません。それを防ぐためには、普段歩くコースに危険なものがないかを意識しておくことです。
 それから、転倒しないためには重心を下げる必要があります。人間の身体は構造上異常に頭が重たくなっていますので、なるべく低い姿勢を取ることが大切です。しゃがんだり、座ったりすると揺れに対して転んでしまうリスクはかなり下がります。階段では、必ずてすりをつかんで移動し、揺れを感じたら手すりをつかんだまましゃがむこと。そうすれば何もせずに立ったままよりもかなり安全になります。
身体が揺れを感じたらすぐに低い姿勢をとること。もし地震でなかったとしても、転倒する危険は防げます。
 地震そのもので死ぬことは殆どありません。揺れによる転倒や倒壊、崩落などに巻き込まれて死ぬのですから、その原因をなくせばいいのです。
 普段からの生活スペースの片付けや移動経路にものを置かないことなどしなければいけないことはたくさんありますが、ちょっとした意識の変化で生存確率を変えることはできます。あなたにあった地震時の安全な姿勢を見つけ、その姿勢が無意識にでも取ることができるように、見つけて練習しておいてください。