【活動報告】有害生物への対応作業を行いました・その2

 先日イノシシ対策についてご依頼いただいた作業の続報です。
 4月7日の説明後、地面にたくさん落ちていたドングリ類については、依頼主様が一生懸命回収され、土に埋もれているもの以外は殆ど片付けてくださいました。
 4月10日に監視カメラを確認したところ、ドングリを回収した後はイノシシが寄ってきていないことがわかりましたが、彼らは定期的にえさ場を確認しにくるため、念のため檻をかけてみました。
 当初研究員始め依頼主様達にもご協力いただき、現地にイノシシ檻を一基展開させていただきました。
 人がかなりばたばたした痕跡が残るので、この後イノシシは出ないかなという気もしていますが、しばらくはこれで様子見をすることにしました。


 檻をかけることは、そこにえさを撒くことになるので、ターゲット以外にもさまざまな動物を不用意に寄せることになってしまうので、設置についてはよく検討を行う必要があると考えています。
 これでイノシシが来なくなれば依頼は終了ということになりますのですが、しばらくは定期的に監視カメラの映像確認と檻の維持管理をすることになりそうです。
 また動きがあれば報告したいと思っています。

【活動報告】真砂の城山で地質と自然観察の学習会を開催しました

まさ土の塊を壊してどんな石が含まれているか調べているところ

 益田市馬谷町では、良質の真砂土が取れることで知られています。
 実は、地質図を見るとこの地域だけ真砂土で構成された少し不思議な場所になっていて、ここだけこの地質になった理由は諸説あってよくわかりません。
 真砂土は花崗岩が風化してできたもので、災害時には、水を含んである瞬間一気に崩れてしまう非常にやっかいな性質も持っています。
 庭土などに使われることから分かるように、水を含み水を保持する能力も持っており、広島などの土砂災害は地質がこの真砂土であったことが一つの原因として考えられています。
 今回選んだ城山と呼ばれる山は別称高嶽山ともいわれていて、中世の頃には城が築かれていたそうです。
 久しぶりに晴天だった4月11日に、会員様と一緒に自然観察、地質観察をしながら山頂まで登山をしました。

 春の山野草であるゼンマイやワラビ、アザミやスミレ、その他の花々を眺め、食べられる山野草の見分け方を確認したり、道ばたのスイバを囓ったりしながら、ゆっくりと登山をし、途中花崗岩でできたコアストーンなども確認。


 結構急な上り坂や城だった頃の堀割、倒木やキノコなどもあって、里山でありながらいろいろと登山の楽しみを味わうこともできました。
 史跡としてはあまり知られていないこの山ですが、山の恵みや土地の形成、そして地域と山が共存していることがよくわかる学習会。
 予定よりは遅れたものの、無事に下山まですることができました。
 今回参加して下さった皆様にお礼申し上げます。

【活動報告】有害生物への対応作業を行いました

 当研究所の定款には「有害生物への対応」というのがあります。
 有害生物と言ってもさまざまなのですが、基本的には人の営みを行う上で問題となる野生生物が人の営みに影響を与えないような対応を行う作業で、現在のところは陸生生物を対象にしています。
 このたび、敷地にイノシシが出ており、人に被害を与えては困るので対処をしてほしいというご依頼をいただき、去る4月7日の早朝、現地確認をさせていただきました。
 当研究所での有害生物対応は「防除」が基本です。そのため、まずは防除ができないかを確認します。
 防除と言ってもそんなに難しい作業ではなく、誘因物を撤去する、通り道を潰す、隠れ場所をなくすといったことで、やり方さえわかればどなたにでもできる内容です。
 今回のケースでは、土地が肥えていて地中に大量のミミズがいてあちこち掘り返していること、敷地におおきなシイの木などを中心とするドングリの木が複数あり、地面に落ちたものだけでも相当な量であることから完全な撤去は困難と判断しました。


 ご依頼主様には敷地への侵入阻止を提案しましたが、人が出入りできないのは困ると言うことで、侵入阻止も対応が無理だということになりました。
 電気牧柵についても敷地内で子ども達が遊ぶことがあるため難色を示され、やむを得ず捕獲を行う方向で作業を行うことになりました。
 現地での生態を確認するためにトレイルカメラを設置。出ているイノシシが同一個体なのか、出没する時間やどのような動きをしているのかについて確認をしていきます。

イノシシが来そうな場所にセンサーカメラを仕掛ける。何が映るのかは仕掛けてみないとわからない。

 状況が特定できた時点で捕獲作業を開始しますが、捕獲駆除はうまくいかないこともありますので、今後のことも考えて不要な木の伐採、イノシシが嫌がるような目線の通る空間を作るための剪定などを依頼主様にはご説明し、検討していただけることになりました。
 今後どうなるのかはわかりませんが、敷地に出なければいいというご依頼主様のご希望ですので、そのご要望にそった形で対応したいと思います。
 余談ですが、有害鳥獣の駆除については該当市町村から有害駆除許可を受ける必要があります。当研究所は所長を含めて複数の猟師がおり、益田市役所様との協議で指定エリアの有害駆除許可を得ることができたため、今回は捕獲という選択肢がとれました。
 許可を得ずに野生鳥獣を捕獲することは、特定の条件を除いて鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(通称:鳥獣保護管理法)違反となりますのでご注意ください。

【活動報告】秋吉台でカルスト台地について学習しました

湧水の流れる川に自制する「ベニマダラ」を確認している様子

 あいにくの荒天の中でしたが、去る4月4日に山口県美祢市にある秋吉台及びその周辺でカルスト台地について会員向け学習会を行いました。
 最初は別府弁天池にて湧水と、それに伴うマスの養殖や普段あまり見ることのできない「ベニマダラ」という藻類の自生している様子を見学しました。


 その後、秋吉台科学博物館に移動して秋吉台の形成や生態系、植生について学習し、ニャンモナイトやパンモナイトといった珍種の化石(?)も見ることができました。
 昼食後は天候が回復してきたので長者原に移動して、冠山、北山、長者原を回り、石灰石や秋吉台について体感してもらいました。

山焼きの後だったこともあって非常に見晴らしが良かった。でもかなり寒かった!

 それから秋吉台エコミュージアムで鍾乳洞などのでき方や秋吉台の成り立ちを再確認した後、景清洞で実際に鍾乳洞に潜って学習会を終了しました。
 なかなか雨にたたられて思ったようなフィールドワークができていない現状ではありますが、さまざまな地形を見て確認し、考えることは重要だと思っていますので、今後も開催していきたいと考えています。
 今回ご参加下さった皆様に感謝します。

【活動報告】益田市の二条公民館で防災研修を行いました

 去る3月27日、益田市桂平町の二条公民館様で開催された公民館お楽しみ教室「親と子で作る非常用持ち出し袋の中身を考えてみよう」で講師をさせていただきました。
 当日は3組の親子と一組のいとこどうしにご参加いただき、午前10時から1時間半にわたって研修をさせていただきました。
 非常用持ち出し袋の中身は千差万別、人の数だけ正解があることをお話しし、紙に書いたリュックサックにいくつかの備品を書いた紙をのせてもらい、自分にあった非常用持ち出し袋の中身について考えてもらいました。
 これから災害対策のことを考えるきっかけになってくれれば良いなと思っています。
 今回ご縁を繋いでいただいた益田市人口拡大課の担当様、二条公民館の担当様、そしてご参加いただいた方に感謝します。

【活動報告】会員向け自然体験会を開催しました

 去る2月28日、島根県大田市の三瓶青少年交流の家で会員向けの自然体験会を開催しました。
 今回は三瓶青少年交流の家のコースをお借りして、ネイチャートレイリングとネイチャービンゴを体験してもらいました。

 少し肌寒い天気になってきたのでどうなるかと心配していたのですが、開始と同時に天候が回復し、参加した子ども達は走り回ってコースのクイズやビンゴカードに表示されたものを探して楽しそうに過ごしていました。
 コース終了後は、研修室で自分たちが見つけたものを教えてもらってみんなで共有しました。

発見したものをみんなで共有。同じコースを歩いているのに見つけたものが違っているのが面白い。

 2時間程度の内容でしたが、帰りには三瓶自然館も覗いて展示を見学し、それぞれに楽しんでくれていたようです。 益田市や鹿足郡にはこういった自然遊び体験できるコースの整備があまりなされていないので、今後こういった部分も開拓していったほうがいいのかなと感じました。
 参加してくれた子ども達及び保護者の方々、コースや資機材をお貸しいただいた三瓶青少年交流の家のスタッフの皆様に感謝いたします。

【活動報告】高津小学校防災クラブを開催しました

 去る2月17日、今年度最後となる高津小学校の防災クラブを開催しました。
 最後となる今回は、「避難所はいる? いらない?」について子ども達を「いる派」「いらない派」にわけて意見交換を行い、「なぜ避難所はいるのか?」「なぜ避難所はいらないのか?」について考えを深めてもらいました。
 こちらの想像以上に子ども達はまじめに検討をしてくれ、さまざまな面白い意見を出してもらうことができました。
 最後にスポンサーから提供いただいた、吉賀の里さんが作った缶パンを一つずつ配布し、おうちでも避難や家族の合流について話をしてもらうようにお願いをし、今年度の活動を無事終了することができました。
 今回参加してくれた子ども達が災害に出会ったとき、やった内容の何か一つでも思い出してもらえたらいいなと思います。
 参加してくれた子ども達、そしてさまざまな無理難題を引き受けてくださった担当の先生に精一杯の感謝をしております。
 本当にありがとうございました。

【活動報告】高津防災クラブ(仮称)を試験開催しました

 去る1月30日、当研究所で4月から開催予定の高津防災クラブ(仮称)で実施するイベントを試験開催してみました。
 当初は過去にイベントに参加してくれ、興味のありそうな人への声かけを考えていましたが、市内で新型コロナウイルス感染症が発生したため、大事を取って当所の研究員達のみで開催することとなりました。
 当日は当研究所にで火の付け方やホットケーキミックスを使ったポリ袋クッキングをやり、2時間程度で無事終了。

形は悪いが食べられる、茹で蒸しパン。


 研究員達と、どのようにすれば楽しくおいしくイベントが開催できるかについて検討をしていましたので、それらの意見を反映し、よりよいイベントが出来ると面白いと考えています。
 実際に4月からスタートできるかどうかはまだわかりませんが、引き続き状況を見ながら準備を進めていきたいと考えています。
 興味のある方のご参加をお待ちしております。

【活動報告】高津小学校防災クラブを開催しました。

 去る1月20日、益田市立高津小学校において1月の防災クラブを開催させていただきました。
 今回は地震にまつわる内容で、地震で倒れる建物の倒れる原因である地面の固さと建物の耐震補強について説明しました。
地面については新潟地震で倒れた県営住宅を例に挙げ、建物がしっかりしていても、地盤をしっかりさせていないと建物が倒れてしまうことをお話しし、プリンを使った弱い地盤の映像を見てもらいました。

実際に使った映像。当研究所ではyoutubeにも動画を投稿しています。

 それから、その後には建物をどうやったら強くできるのかということで、ストローとクリップを使って建物のような四角形を作ってもらい、それを倒れないようにする方法を考えてもらいました。

クリップがしっかり止まらないので組み立てる端から壊れてしまい、結構ストレスが溜まります。

 準備段階ではチームを作ってやる予定だったのですが、新型コロナウイルス感染症の流行が再燃しつつあることから、個人で作ってもらうことに変更しましたが、そうなると器用な子不器用な子が出てきて、もやもやの溜まったクラブ活動になってしまったと反省しています。

三角形だと自立することに気づいて友達同士で組み立てを助け合う姿も見られた。

 最後は建物の面を三角形で構成すると建物が強くなることや、壁全体で支える2×4という工法についても紙を使って説明してみました。
 かなり拙い説明だったので理解してもらえたかどうかはわかりませんが、何かのときに思い出してくれればいいなと思います。
 毎回参加してくれる子ども達と、担当の先生にお礼申し上げます。

【活動報告】自然体験会を開催しました。

これは何の足跡だろう?

 去る1月9日、雪が降ったので、万葉公園において自然体験会を開催しました。
 思いつき開催だったため、一部の方に限定したものになってしまいましたが、万葉公園内にある動物の痕跡や植物観察などを行いました。
 が、気がついたら雪遊び大会に。
 広場では雪合戦。坂道ではうっすらと積もった雪を使ってそり遊び。こどもも大人も夢中で遊ぶひとときでした。

 防災の視点で見ると、雪で遊ぶことで雪の特性を知ることができます。
 それによって危険を避けることができるようになるといいなと思いながら、しっかりと雪遊びを楽しみました。
 いきなりの声かけにもかかわらず、快く集まり参加してくださった皆様にお礼申し上げます。