【活動報告】有害生物への対応作業を行いました

 当研究所の定款には「有害生物への対応」というのがあります。
 有害生物と言ってもさまざまなのですが、基本的には人の営みを行う上で問題となる野生生物が人の営みに影響を与えないような対応を行う作業で、現在のところは陸生生物を対象にしています。
 このたび、敷地にイノシシが出ており、人に被害を与えては困るので対処をしてほしいというご依頼をいただき、去る4月7日の早朝、現地確認をさせていただきました。
 当研究所での有害生物対応は「防除」が基本です。そのため、まずは防除ができないかを確認します。
 防除と言ってもそんなに難しい作業ではなく、誘因物を撤去する、通り道を潰す、隠れ場所をなくすといったことで、やり方さえわかればどなたにでもできる内容です。
 今回のケースでは、土地が肥えていて地中に大量のミミズがいてあちこち掘り返していること、敷地におおきなシイの木などを中心とするドングリの木が複数あり、地面に落ちたものだけでも相当な量であることから完全な撤去は困難と判断しました。


 ご依頼主様には敷地への侵入阻止を提案しましたが、人が出入りできないのは困ると言うことで、侵入阻止も対応が無理だということになりました。
 電気牧柵についても敷地内で子ども達が遊ぶことがあるため難色を示され、やむを得ず捕獲を行う方向で作業を行うことになりました。
 現地での生態を確認するためにトレイルカメラを設置。出ているイノシシが同一個体なのか、出没する時間やどのような動きをしているのかについて確認をしていきます。

イノシシが来そうな場所にセンサーカメラを仕掛ける。何が映るのかは仕掛けてみないとわからない。

 状況が特定できた時点で捕獲作業を開始しますが、捕獲駆除はうまくいかないこともありますので、今後のことも考えて不要な木の伐採、イノシシが嫌がるような目線の通る空間を作るための剪定などを依頼主様にはご説明し、検討していただけることになりました。
 今後どうなるのかはわかりませんが、敷地に出なければいいというご依頼主様のご希望ですので、そのご要望にそった形で対応したいと思います。
 余談ですが、有害鳥獣の駆除については該当市町村から有害駆除許可を受ける必要があります。当研究所は所長を含めて複数の猟師がおり、益田市役所様との協議で指定エリアの有害駆除許可を得ることができたため、今回は捕獲という選択肢がとれました。
 許可を得ずに野生鳥獣を捕獲することは、特定の条件を除いて鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(通称:鳥獣保護管理法)違反となりますのでご注意ください。