逃げ道マップを作ろう

当研究所が行っている防災マップづくりの一コマ。実際に地域を歩いて確認するところから始まる。

 災害対策として、地域の危険な場所を洗い出してそこから早めに避難するというのは割と言われるようになってきていますが、避難する道をどうするかということと、その道が安全かどうかの点検までちゃんとできていますか。
 実は同じ避難所に避難するとしても、大雨と地震では避難に使える経路が異なることが殆どです。
 例えば、大雨では低地では無く高い場所を繋いで避難を考える必要がありますし、地震では地面の高さよりも周囲の構造物が壊れたり倒れたりしないことが重要です。
 そういった避難経路の情報というのは、意識しながら実際に歩いてみないとわからないことがたくさんありますので、実際に歩いてみて、逃げるための道、逃げ道マップを作っておく必要があるのです。
 地域の安全点検とあわせて、実際に歩いてみて確認してみること。
 地図上では歩けるはずなのに、道がでこぼこだったり、溝があったり、草に埋もれていたり、急な坂道の連続だったりと、逃げ道を決めるのは案外と大変なことがわかると思います。
 その上で災害の種類に合わせて逃げ道を変更するのは、正直言って大変な作業になります。
 ただ、大きな災害時には避難中に遭難してしまうことがよく起きていますので、それを防ぐためにはこういった作業が必要です。
 危険なくらい暑い時期ですので、日中出歩くわけにはいかないかもしれませんが、早朝や夕方、ご家族や友人と一緒に散歩しながら逃げ道を確認してみるのもよいのではないでしょうか。

いろいろとある警戒レベル

 災害が起きそうなときには市町村や都道府県などの地方自治体、気象庁、国土交通省などからさまざまな警戒情報が発表されます。
 自分の身の安全確保のためには提供される情報が増えるのは大歓迎なのですが、この警戒情報、全てレベル表示されるというのがややこしい元になっています。
 結論から言えば、市町村の出す警戒レベルだろうが都道府県や気象庁、国土交通省が出す警戒レベルだろうが、レベル3以上になったら危険な場所に住んでいる人はさっさと逃げろということなのですが、言い回しがいろいろとややこしくなって、レベルの意味がうまく住民に伝わっていないのでは無いかと思うことがあります。
 市町村以外が出す警戒情報は避難のための警戒情報を出すために必要とされる参考情報で、最終的な避難情報はこれらの参考情報を総合的に判断して市町村が出すことになっています。そのため、市町村以外が出す警戒情報は「警戒レベル相当」という不思議な言い回しをしています。
 もっとも、住民がこのことを理解した上で行動ができるのならば、市町村が発令する警戒情報を待たずに避難開始をすることができますから、警戒レベルはどこが出そうが同じレベルの避難情報を指していると考えて、早めに行動すれば良いと思います。
 まずは自分の住んでいる場所がどのような災害で被害が出そうなのかをハザードマップなどでしっかりと把握し、その上で関係する情報にはどのようなものがあるのかを確認して、自分の安全確保をするようにしたいですね。

水は低いところへ流れていく

 大雨による水の被害は、大雨が降ったことにより内水氾濫が起きる直接的なものと、上流部で大雨が降って河川が溢れることにより発生する氾濫があります。
 その場で降ってくれる大雨は目で見てわかるものですが、上流部の大雨による河川氾濫については、被災地は雨が降っていないにもかかわらず河川が氾濫してしまうことがありますので、雨雲レーダーや気象情報には気をつけておいたほうが安心です。
 大きな河川になると、降ってすぐに増水するわけではなく、時間差で増水してきますので、雨が止んだからと言って安心しないようにしてください。
 また、日が暮れてから避難指示が解除になったときには、可能であれば夜が明けるまでは避難所で過ごし、夜が明けて周囲が見えるようになってから帰宅するようにしてください。
 水は高地から低地、山から谷へと流れていきます。
 当たり前だと思われるかもしれませんが、これは大雨でも洪水でも変わりません。
 そして、周囲に比べての低地というのは、調べれば事前情報としてきちんと確認できるものです。
 もしも周囲に比べて低い場所にいるのであれば、大雨だと感じたら高い場所に早めに避難を開始すること。
自分の安全確保の方法として、周囲との高低差はしっかりと抑えておきたいですね。

【終了しました】防災研修会を開催します。

 最近あちこちで災害が起きていますが、あなたがお住まいの地域の避難所はどのように準備し、どのように立ち上げたらいいか決まっていますか?
 避難所運営のイロハについてはさまざまなところで研修がされていますが、では、避難所設営の方法やどのような事前準備をしたらいいのかについて考えてみたことがあるでしょうか?

 今回はわかりきっているようで、改めて確認してみると割と漏れのある避難所の設営について「避難所設営、基本の「き」」というタイトルで、座学で一緒に勉強してみたいと思います。
 よく「段取り7割」といいますが、避難所の設置者が事前準備をきちんとしておくだけでいざというときに慌てなくて済みます。
 また、自分が避難所に避難したときに、設営方法を知っておくと段取りよく混乱なく開設をすることもできます。
 内容の詳細や申し込みにつきましては、当研究所のお問い合わせメールによりお願いいたします。

開催日時:2021年 8月28日(土)10:00~11:45
開催場所:益田市市民センター第103会議室(益田市元町)
募集人員:10名
募集方法:事前申し込み。定員になり次第締め切りとします。

参加費:500円(会場使用料、資料代)
携行品:施設運用をされる予定の方は避難所・避難場所予定施設の各部屋の寸法のわかる見取り図をご持参ください。
    
開催内容:1.避難所・避難場所の違い
     2.避難所を作るための下準備(個人編・施設編)
     3.実際に運用してみよう(HUG体験)

講 師:石西防災研究所・伊藤(防災士)

安否の確認方法を決めておく

公衆電話は災害時優先電話のため、つながる可能性は他の電話よりも高い。ただ、公衆電話を見つけるのが今の時代では困難になっている。

 地域の避難訓練のようにいつも家族単位でまとまって避難ができればいいのですが、実際に災害が発生するときには、家族の全員が揃っていてすぐに安否確認ができるという状況はあまりないと思います。
 家族の誰かが欠けている状態、へたすると自分一人で自分の安全確保をすることになるのですが、自分が安全だと分かった後、家族の安否についてどのように確認するのか、あなたは決めていますか。
 確認の方法はさまざまですが、電話やメール、ショートメールサービスやFacebookやLINEといったソーシャルネットワーキングサービスなどが代表的なものになると思います。
 確認方法はいくらあってもいいので、さまざまな手段を確保しておけばそれだけ安全度は上がりますが、発信する時間については少しだけ注意が必要です。
 というのも、大規模災害になると発災からしばらくの間は通信制限がかかってうまく連絡が取れなくなる可能性があるから。
 東日本大震災や熊本地震ではソーシャルネットワーキングサービスは比較的つながりやすかったという話が出ていますが、人口密集地では、パケット通信も飽和状態になる可能性が高いため、時間がかかるか、または発信できないという事態も想定できます。
通信規制がされている状態でいくら発信しようとしてもうまく行かない確率が高いですし、どうかすると電池ばかり消耗してしまうという結果になってしまいます。
 そこで、お勧めするのは発信する間隔をある程度空けてみること。
 30分に1回とか、1時間に1回に発信を制限することで、電池の消耗を押さえることができます。もし家族同士でやりとりをしようと考えるのであれば、とりあえず時間を決めておくとうまくつながる確率が上がるかもしれません。
 基本的には、通信環境がおかしなときには送受信時以外は電源そのものを切っておくこと。そうすることで電池の消耗をある程度までは押さえることができます。通信環境が悪い状態で普段の同じようなスリープ状態にしてしまうと、基地局の電波を常に探している状態になるため、電池が馬鹿みたいに消耗することを覚えておいてください。
 通信環境がまともなのが一番ではあるのですが、停電などで電源供給が停止すると、半日から1日程度で基地局が機能しなくなって携帯電話もパケット通信もつながらなくなります。
 停電状態で途中で通信環境がおかしくなった場合には、基地局の停止を疑うといいと思います。この場合にも携帯電話やスマートフォンは電源をオフにしておくことです。
家族の安否は、複数の通信手段で確認するようにし、合流する場所や時間も決めておくと、出会える確率はかなり高くなります。
 誰かの安否がわからないのは非常に不安なものですし、それが家族であればなおさらだと思います。家族や親しい人達の間で確認手段をしっかりと持って、早く安心ができるようにしておきたいものですね。

洪水時の避難レベルと避難方法

 水害では避難レベルによって避難行動が変わってきます。
 今更ながらではありますが、今回は避難レベルと避難方法の確認をしてみたいと思いますので、おさらいという意味でご確認いただければと思います。

・レベル1

 災害の危険性があるかもしれないという状況なので、いつもよりも情報をこまめに集めるようにします。


・レベル2

 災害が発生するかもしれません。非常用持ち出し袋の中身の確認や買い足し、備蓄の確認などを行っておきましょう。
 天気がまだ安定している状態なら、一度避難先までの道順を確認してもいいと思います。

 レベル1、2については通常「レベル」という呼び方はされません。
 内閣府防災が定義しているのは気象庁が出す情報でレベル1を早期注意情報、レベル2を大雨・洪水・高潮注意報としていますが、避難準備する側としては、レベル1で注意報、レベル2で警報のイメージで捉えてもらえばいいと思います。

・レベル3 高齢者等避難

 高齢者や身体の不自由な人を始め、避難準備ができた人からあらかじめ決めている避難先に避難を開始します。
 基本は水平避難で、危険区域からあらかじめ決めていた避難先への避難となります。

・レベル4 避難指示

 災害の恐れが高くなっているので、危険地域に住んでいる人は可能な限り早く避難を開始します。
 場所によっては内水氾濫や堤防越水が起きていることもありますので、状況を見て避難先に逃げるか、近所の高い建物に避難するか、あるいは自宅で二階以上に避難するかを判断してください。

・レベル5 緊急安全確保

 これが発令されると、基本的に地域のどこかで災害が発生したと考えてください。
 洪水の場合は、避難所に避難するのは止めて自宅のなるべく高い場所へ移動し、あとは運を天に任せます。

 ポスターなどではレベル4で浸水の可能性のある地域の人は全員避難するように書かれてはいますが、できればレベル3発令後は避難準備のできた人からすぐに避難開始することをお勧めします。
 そして、避難先は複数考えておいて、一つの避難先に入れなくても他の避難先に入れるように考えておいてください。
 あなたの命を守るのはあなたです。
 自治体の避難情報がなかったとしても、身の危険を感じたら、可能な限り早く安全確保をするようにしてくださいね。

防災情報をどこから受け取るか?

 大雨に限らず、災害が発生しそうなときや災害の発生が予測されるようなときには事前に情報が欲しいものです。
 緊急時にはキャリア会社の携帯電話やスマートフォンであればエリアメールが入ってくることもありますが、これは本当に緊急時に来るので、台風や大雨だと家で安全な場所を探してじっとしているような状況になっています。
 そうならないためには、防災情報を事前にさまざまな形で受け取れるようにしておいたほうが安心です。
 例えば、都道府県にはそれぞれ防災メールがあって、登録をすると指定したエリアに何かあるとメールが送られてきます。
 指定の仕方によって送られてくるメールの種類も変わるので、自分が気になる内容を指定して送ってもらうようにしておくと、いざというときに早めの対応が可能になります。
 同じく、市町村でも防災メールを持っているところが多いですが、こちらは市町村内で発令された防災情報が送られてきます。
 地域によっては、防犯メールも兼ねているところがありますので、場合によっては必要のない情報も来るかもしれませんが、より細やかな情報が送られてくるのが強みです。
 スマートフォンであれば、設定によりますが、気象情報や防災のアプリを入れておくことで何かあれば画面に表示されます。
 また、気象庁の提供しているキキクルや国土交通省の防災情報提供センターなども確認すると、より詳しい情報が得られて判断の参考になると思います。
 高齢者の方の場合にはそれが難しいかもしれませんので、その場合にはアプリが使える家族・親戚の方が情報を受け取って、その高齢者の方に「逃げなきゃコール」をしてあげてください。
 防災に関する情報はさまざまな形で提供されていますので、それらを上手に使って、災害が起きる前に安全確保するようにしてください。

逃げる判断は誰がする?

 熱海ではひどい土砂災害が起きてしまったようで、被災された方へ心からのお見舞いと、行方不明の方の一刻も早い発見を願っています。

 さて、現在梅雨前線が活発化していてどこで大雨が降ってもおかしくない状況ですが、避難すべきかどうか、そして避難先や非常用持ち出し袋の準備は万全ですか。
 災害時に避難するかどうかの判断は、自治体がするわけではありません。
 災害時にいつ避難開始をするのかや、いつまで避難を続けるのかといったあなたが身を守る行動というのは、自治体ではなくあなた自身が判断すべきことです。
 ではなぜ自治体が避難情報を発するのかというと、内閣府防災が「避難情報に関するガイドライン」の中で「市町村長は、災害時には関係機関からの情報や、自ら収集した情報等により、的確に判断を行い、躊躇することなく避難情報を発令し、速やかに居住者等に伝えなければならない」と定められており、災害時には居住者等の主体的な避難行動を支援する情報を提供する責務を有するため、避難情報を出しているのです。
 つまり、その地域に危険が迫っているということはこの避難情報でわかりますが、いまあなたのいる場所がどうなのかということは考えられていないのです。
 今回の熱海では、警戒レベル3で大規模な土砂災害が発生したそうですが、それにより、恐らくまた自治体がマスメディアなどから責められることになるのではないかと思っています。
 実際のところ、現在の自治体は、どこも人不足、経験不足で災害に対する的確な判断ができるとはとても言えない状況です。
 一例を挙げるなら、災害時には、一般住民を始めマスメディアや国、その他さまざまなところから現在の状況についての問い合わせがきて、その電話対応に追われて現地の状況把握や対応ができなくなります。
 これは自治体職員を削減して非常時対応能力を低下させた結果であり、仕方の無いことではあるのですが、自分で避難の判断ができない人達や自分では何もせずに助けて欲しいという人達がいかに多いかが問題を悪化させているような気がします。
 くどいようですが、逃げる判断はあなた自身があなたのために行うあなたの命を守る行為です。
 自治体が判断している基本情報は、現在ほとんどインターネットで公開されていて、誰でも見ることができるようになっています。
 つまり、それらの情報を自分で読みに行って考えれば、避難情報があろうがなかろうが逃げるかどうかの判断はできるはずなのです。
 あなたの命を守るために、少なくとも避難開始のタイミングだけは決めておいてくださいね。

ハザードマップ、確認してますか

 梅雨前線が本州にかかってきて、静岡県の方では土砂災害が出ています。
 新しく変わった避難レベル5も発令されたようで、梅雨前線の予想を見るとまだまだ余談を許さない状況です。
 ところで、お住まいの場所のハザードマップを今一度しっかりと確認して避難の必要があるかどうか、そして避難する場合にはどのような経路をたどって安全に避難をするかについて確認をお願いします。
 沖縄が梅雨明けしたということは、太平洋高気圧の勢力が強くなっていると言うことなのですが、そうなると梅雨前線は押し上げられて本州の上に来ます。
 向こう72時間の予想天気図を確認する限り、梅雨前線は北上・南下を繰り返す状況のようですから、しばらく雨は続きそうです。
 降る量は少なくても、時間が長くなると山が揺るんで土砂災害が起きる可能性は高くなります。
 また、線上降水帯が発生すると大雨が降り続くような状態になります。
 普段と様子が違うと感じたり、何かおかしいと感じたら、早めの避難をするようにしてください。
 また、避難に備えて非常用持ち出し袋の中身の確認も忘れないようにやっておきましょう。

大水のときの対処法

 大水が出るときには、基本的にその場所、あるいはその上流部で大雨が降ることが前提となります。ただ、大雨とはいっても、家の窓から見ているだけならそこまで危険は感じないかもしれません。
 安全な場所にいる場合にはそれでいいのですが、そうでない場所に住んでいる人やそういった場所にいる人は、普段から意識を高めて予防策を打っておくことが大切です。 

 安全かそうでないのかを知るためには、まず住んでいる環境が大雨で避難をしなければいけない環境なのかを確認し、意識しておくこと。
 土砂災害特別警戒区域や土砂災害警戒区域に入っている場合には、早めの避難をする必要がありますから、天気が怪しいなと感じたら天気予報や雨雲レーダーなどを確認し、大雨が降りそうな感じであれば早めに安全な場所に避難することです。
 また、洪水はその地域では雨が降らなくても流域全体での降水量が多ければ、晴れていても氾濫を起こしてしまうようなことがあります。
 川遊びや川のそばで何かしようとするときには、天気予報や雨雲レーダーだけでは無く、管理者が発表している河川情報にも目を光らせておく必要があります。
 あと、過去に地域で起きた洪水で被災しやすい場所を確認しておくことがとても大切です。それから排水路、河床、谷筋など、水の道ができやすい場所や地域内での標高が低い場所も要注意です。

 では避難が必要な場合にはどうすればいいのか。
 大雨や洪水という文字が気象予報に登場してきたら、すぐに高台に上がって降っている雨水が止んで状況が落ち着くまで様子を見ることが重要です。
 また、路上に溢れ出す水が見えたら、そこは可能な限り通らずに迂回して安全・確実性を確保して下さい。
 路上の水に流れがあって、水深がわずか数cmでも、足を取られてひっくり返される危険性があります。
 ひっくり返ってしまったら、骨が折れたり頭を打ってしまったりしてしまいますし、どうかするとそのままより深く早い水の流れに巻かれてしまうことになるかもしれません。
 水がくるぶしより深ければ危険だと考えて下さい。特に、視界が悪くなる夜間は危険になります。
 どうしても水の中を歩かなくてはならない場合は、可能な限り浅くてできる限り水が流れていない場所を探し、頑丈な棒を使って水の深さと水の下の地面の硬さを突っついて確認しながら歩くようにします。
 このときに使う棒は水の中や下を探るための道具ですので、杖のように体重をかけてはいけません
 また、子どもを連れているときには、できるかぎり持ち上げて流されないように運んで下さい。
 たまに見かけるのですが、水の中の避難時にお互いの身体を結ぶという記事があります。これは誰か一人が転ぶと全員巻き添えになって非常に危険ですから絶対にやらないようにしてください。
 また、濡れた状態で電気機器に触れたり、電気器具の近くを通らないように気をつけてください。水に濡れたり、足を水につけている状態で電気器具に接触すると感電する危険があります。
 もしも大雨や洪水で家から避難するときには、必ずブレーカーを切ってから避難するようにしましょう。

 ちなみに、突然大水に襲われた場合には、どこでもいいので少しでも高いところに避難します。それが無理であれば、できるだけ早く丈夫なものをつかんでください。
 万が一水に流されたら、大の字になって仰向けに浮かぶようにし、大きながれきや破片が自分に向かってきたら手で押しのけてください。
 また、障害物は必ず上を越えること。下をくぐろうとすると溺れる危険性があります。
 流されていくなかで、もしうまく何かを掴むことができたら、しっかりとそれを手で保持し、足を下流に向けて救助を求めます。
 ホイッスルがあれば無理をせずに存在を教えることができますが、ない場合には声や手の動きなど、誰かに見つけてもらえるようにできうる手段をとってください。
 ここまで読んでいただいて分かると思いますが、早く避難すれば濡れなくても済み、危険な目にも遭いません。
 命を確実に守るためには、空振り上等での毎回の確実な避難が第一だと覚えておいてくださいね。