避難時にはお湯も持って行く

 災害で避難をしなくてはいけなくなったときに、避難グッズとしてあったほうがいいなと思っているものの一つに「お湯」があります。
 一時的に避難を行う避難場所は、単なる場所の提供なので自分に必要なものは自分で持って行く必要があるのですが、避難場所で暖かいものを食べたり飲んだりするのはかなり困難です。
 場所の提供なので、居所だけで火気厳禁という場所が非常に多く、火を使うことが許されているとしても、大勢の避難者の前で火を使っているとなんらかのトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。
 そこで、避難するときにもし余裕があるのなら、保温できるタイプの水筒にお湯を入れて持って行くようにしてください。
 不安や緊張は暖かいものを摂取することでかなり緩和されます。お茶やコーヒーを作ったり、インスタントラーメンを食べるときにも役に立ちます。
 また、寒いときにはペットボトルに注ぐことで簡易な湯たんぽを作ることもできますし、使わなくても水に戻るだけなので使い勝手がよいです。
 避難時の飲料としてお水を持って行くことは多いと思いますが、もし余裕があればそれに追加してお湯を持って行くと、いろいろと役に立ちますよ。

もこもことつるつる

 子どもさんの防寒着を見てみると、大きく分けてもこもこ系とつるつる系にわかれるような気がします。
 上着の表面のことなのですが、ふわふわもこもこしている上着を着ている人と、雨合羽にも使えるようなつるつるした感じの上着を着ている人。
 結構いろいろなのだなぁと、見ていて面白いものです。
 個人的には外側がつるつるで内側がもこもこというのが一番暖かいと思っているのですが、探してみると案外とそういった服がなかったりするので、子どもが外遊びする前提ではないのかなと思ったりもします。
 研究所が関係している冬の外遊びでは、寒くない服としてスキーウェアやそれに準じた服を推奨しているのですが、冬の外遊びをあまりしない方はそういった服は持っていなかったりして、なかなかうまくはいかないものです。
 撥水の効いたもこもこの外側と、空気を遮断できるつるつるの下地で作れば、おしゃれと暖かさを両立できるような服ができると思うのですが、なかなか難しいのでしょうね。

【活動報告】防災おやつ作りを開催しました

 2021年12月18日、当研究所の敷地で防災おやつ作りとして「ポップコーンを作ろう!」を開催しました。

 ポップコーンを作るためのとうもろこしは乾燥していて長期保存が利くことから、管理しやすい非常食として使えないかということと、ポップコーンを作るのが面白そうだということでの開催でしたが、総勢6名のご参加をいただきました。
 当日は小雪の舞う中で焚き火を囲み、空き缶を使ってポップコーンを作ったり、焼き芋を作ったりしました。空き缶でポップコーンを作るのは筆者も含めて初めてでしたので試行錯誤しながらとなりましたが、出来上がったポップコーンは塩やバターで味付けしてなかなかおいしかったです。


 焼き芋も、普通のサツマイモでしたが甘くてとても好評でした。また、あまりに寒かったのでぜんざいも作ってみましたが、参加してくれた皆さんには好評だったようです。寒い時期には温かくて甘いものはものすごいごちそうになりますが、これも寒さを体験してみないとわからないことではないかと思っています。
 これから寒くなってくると、外遊びにはスキーウェアなどのしっかりとした防寒着が必要になってきます。
 寒くて家の中に閉じこもっていると、寒い時期の面白さや楽しさを見つけることはできません。
 今年の冬は去年よりも少し多めに外遊びや炊き出し、おやつ作りなどのイベントをやってみたいと考えています。
 開催時にはこちらで案内いたしますので、興味のある方のご参加をお待ちしております。

応急処置ができますか

あっぱくんを使った心臓マッサージの訓練。
保育園年長組でも、技術があれば大人の心臓マッサージをすることは可能。

 年末になって、いろいろなところで事故やけがをしている場面に遭遇することがあると思いますが、あなたは応急処置をすることができますか。
 例えば、ひどい出血をしている人や心臓が停止している人に処置ができるだけで、その人の生存確率は格段に上昇します。
 救急車や医師が到着するまで命を繋ぐことができれば、あとは専門家がなんとかしてくれます。
 救急車や医師は、死ぬか生きるかの瀬戸際の人を救命することはできるかもしれませんが、死んでしまった人をよみがえらせることはできません。
 つまり、その場にいる誰かが専門家が到着するまでの命を繋ぐ必要があるのです。
 怪我の手当は無理でも、心臓マッサージなら誰でもできます。たとえやる人が子どもであったとしても、やり方を知っていれば心臓マッサージをすることはできるのです。
 どんなことでも構いません。あなたが誰かを助けるために、何か一つでもいいので応急処置の技術を身につけておいてください。
 それが土壇場で誰かの命を救うことになります。

災害時に助けてもらえる人になるには?

 災害時に助けのいる人達については、各地区の作る地区防災計画の中の個別避難計画により対応を決めることになっています。
 とはいえ、地区防災計画が作られていないところが圧倒的に多いですし、個別避難計画についても同様で、作らないといけないのはわかっていても、対象者が多くてなかなか先に進まないというのが実際のところなのかなと思っています。
 でも、何もしないままでは災害時に助けてもらうことはできませんから、なにか助けてもらうための手立てを考えておく必要があります。
 今回は災害時に助けてもらうためにはどうすればいいかを考えてみたいと思います。

1.存在をアピールしておく

 同じ町内に長いこと住んでいても、意外と知らない顔がたくさんあるものです。
 そして災害時に知らない人は絶対に思い出してもらえませんから、まずはあなたの存在をアピールしておくことが大切です。
 そのためには、天気の良い日だけでいいので近所を散歩し、出会った人には必ずあいさつをして何か一言添えること。
 話の時間の長さよりも、話をした回数で人を覚えるという方は多いのではないでしょうか。
 ちょっとした会話をすることで、相手があなたに興味を持ってくれ、近所に住んでいることを認識してもらえば、第一段階は完了です。

2.助けて欲しい内容を整理しておく

 一口に「助けてほしい」と言っても、それだけでは助ける側は何をしたらいいのかがわかりません。
 1から10まで全部やらされると思うと、誰でも面倒くさいと感じるのでは無いでしょうか。
 そのため大切なのは「自分で出来ることとできないことを整理しておくこと」です。
 例えば、外は歩けないけれど家の中の移動はできるというのであれば、いざというときには玄関まで出ているから避難をさせてほしいと具体化すると、助ける側は何をすれば良いのかわかるので手伝いがしやすくなります。
 また、あなたが出来ることによっては、助けてもらいたいあなたが誰かを助けることができることがあるかもしれません。
 繰り返しますが、できることとできないことを整理してできない部分を具体化し、それを助けてもらうように伝えるようにしましょう。

3.助けて欲しい人に声をかけておく

 無理にご近所でなくてもいいかもしれませんが、いざというときに備えて、自分が助けて欲しい人にあらかじめ助けて欲しいとお願いしておきましょう。
 一人では無く複数の人に頼んでおくと、助けてもらえる公算が高くなります。

4.助けてあげたいと思う人になる

 これが一番重要で、一番難しいところなのですが、周りの人が気になって助けてあげたくなる人になっておくと、何か起きたときに真っ先に気にしてもらえます。
 毎日のほんのちょっとしたことで好感度を上げておくと、いざというときに助けてもらえます。

 他にもいろいろとあるとは思うのですが、共助で考えると、どうしても地域の他の人との良好な人間関係を作っておく必要があります。
 さまざまなしがらみがあっていろいろと難しい部分はあると思いますが、少しだけで良いので周りが助けたいと思うような人になれるといいですね。

想定外に備える

 災害は想定外の連続だと言われることがあります。
 確かに、様々な対処を準備していても、予想できないことはたくさん起きますし、事前に準備していても結果としてピントがずれているものになっていることもあります。
 ただ、災害大国である日本はさまざまな災害の経験知がありますから、それらを上手に活用することで想定外を減らすことはできます。
 現在さまざまなところで作られているBCPは、本来予測されるさまざまな事態で普遍的な部分を手順化することで、予測できる部分に備えるという性格のものです。
 ただ、このBCPはどうにも両極端になっているようで、誰でも出来る手順書を作成しているところから、「責任者に確認すること」のオンパレードになっているものまで本当にさまざまです。
 災害では想定外は必ず起きますが、想定されていた事態に対処できていないと、そこからまた想定外が生まれて収集がつかなくなります。
 想定されるような事態は、解決策も事前に用意できますから、手順書を作って誰がその対処をしても大丈夫なようにしておくことで、本当に最初から想定外な事態に対処すべき人が専念できます。
 発生するさまざまな事態をまだ被害の小さなうちに対処していくことが、素早い復旧には必要です。
 作業手順を細かく仕分ければ、殆どの対処は誰にでもできるようになります。
 BCPは、その作業手順書の集合体なのです。
 全ての業務を可視化することで、作業工程や手順がわかり、やるべきことに悩む必要がなくなります。
BCPを作るときには、必ず「何をしなくてはいけないのか」と「どのようにするのか」をしっかりと把握し、できる限り細かく手順を決めておくことをお勧めします。

空気は最良の断熱材

 空気は最良の断熱材だというと首を傾げる人もいるかもしれません。
 例えば、今からの時期に着るような服は、基本的にふわふわもこもこしていることが多いと思います。
 これはふわふわもこもこしている部分に空気が溜まって、それを体温で温めることにより温かく感じるのです。
 また、冬にテント泊したことのある人は経験したことがあると思いますが、寝袋の下に敷くマットがエアマットかそうでないかで、夜寝ているときの快適性が全く違います。エアマットを敷くと寒くありませんが、そうでないと地面の冷気が身体に伝わって、寒くて目が覚めます。
 段ボールなどが温かいのもこの理屈なので、いろいろと実験してみると面白いと思いますが、気をつけないといけないのはあなたの身体を冷やさないことです。
 空気を断熱材として使えるのは、身体の周りにまとった空気が体温で暖められるからなので、体温が低い状態だと、いくら着込んでもちっとも温かくはなりません。
 暖まろうと思ったら、まずは身体を冷やさないことが絶対条件になるのです。
 でも、身体が冷え切ってしまうと低体温症になるかもしれません。そうなると焚き火にあたったり、お風呂などに入って身体を温めることで体温を上げていくしか方法がありません。
 温かい砂糖湯などを飲んでもよいと思いますが、すぐに熱に変換できるものでないと、食べたり飲んだりしても胃が機能せずに戻してしまいます。
 そうならないように、とにかく身体は冷やさないこと。そうすれば、風を通さないものを羽織るだけで温かい環境を作り出すことができます。
 エマージェンシーシートは、自分の体温でシートの中の空気を暖め、身体を冷やさないようにする道具ですので、シートそのものが発熱するわけではありません。
 災害時にはあらゆるものが不足しますが、身体を冷やさないために、どうやったらその場にあるもので空気を断熱材にできるのかを、いろいろと考えてみると面白いと思います。

【活動報告】有害鳥獣対策・その後(~2021.12.12)

 住宅地に出没するイノシシ対策として、現在当研究所では2基の檻を有害駆除として管理しています。
 前回捕まえてから、獣道が変わっていることを確認したので、今までの檻とは別に一回り小型のイノシシ檻を仕掛けてみました。
 同時に、さっぱり寄らなくなった一番大きな檻は扉を落として稼働停止とし、様子を見ています。
 途中、とある事情が発生して関係者総出で柿の木を切り倒したりもしましたが、相変わらず檻にはイノシシが来ています。
 先日は3頭の子どもがかかり、監視カメラを見てみると、その親らしき日大きなイノシシがほぼ毎日来ているので、現在はその親を狙っているところです。
 だんだんと寒くなってきて、山の餌も減ってきているところではありますが、一体全体、この住宅地近くの場所にどれくらいのイノシシが住んでいるのか、一度イノシシに聞いてみたい気がしています。
 世の中では狩猟期に入りましたので、捕獲圧が強くなってイノシシが出なくなることを願っています。

食べられる山野草を知っておく

少し土の肥えた場所に生えることが多いハタケシメジ。食用可だが、知らなければたぶん食べない。

 大きな災害が起きてから復旧を始めると、困るのが野菜の補給です。
 炊き出しや配給される弁当などは、思ったよりも野菜が少ないことが多く、特に冬場になると被災地では野菜は手に入りにくい状態になってしまうので、避難が長期化すると肌荒れや便秘、逆むけや唇のひび割れなど、野菜不足による身体の不調が発生してきます。
 ただ、野菜はなくても食べられる山野草はどんな季節にも存在していますから、その辺に生えている山野草の判別が出来れば、野菜不足をある程度補うことができます。
 ポイントは、食べられる山野草ではなく、食べると危険な山野草を知っておくこと。
 タイトルと矛盾していますが、食べられる山野草によく似た、食べると場合によっては命に関わるような山野草がいろいろと存在しています。
 食べると危険な山野草を知っておけば、それ以外は食べられる山野草になりますので、あまり難しく考えなくてもいいことになります。
 よく見てみると山野草はあちこちに生えていますから、ポケット図鑑などを持って、お散歩のついでにおうちのまわりを調べて食べると危険な山野草を知っておくと、いざというときに非常に心強いと思います。

【終了しました】防災おやつ作りを開催します

 たまに発作的に活動をしています防災おやつ作りですが、今回はポップコーン用のとうもろこしが手に入ったので、空き缶を使ってポップコーン作りをやってみたいと思います。
 以下の日程で開催しますので、興味のある方のご連絡をお待ちしております。
 なお、新型コロナウイルス感染症対策として、参加できるのは予約されている方に限らせていただきますことをご了承下さい。
 また、新年1月以降は月に一度防災ご飯づくりを開催する予定にしております。
 日程や場所が決まりましたらまたご案内いたしますので、興味のある方はご確認下さい。

イベント名:防災おやつ作り「ポップコーンを作ろう!」
開催日時:2021年12月18日 13:30~15:00頃
開催場所:石西防災研究所敷地内
参加費:無料
持ってくるもの:中をきれいに洗った350mlサイズの空き缶1個
活動内容:ポップコーン用のとうもろこしの実をむしり、空き缶を火にくべてポップコーンを作ります。
募集人員:10名(先着順)
※応募や詳細については、メールにて事務局までお問い合わせ下さい。