訓練はうそをつかない

 「訓練はうそをつかない」という言葉がありますが、あなたは防災訓練に参加したことがありますか。
 人間が作った訓練設定なんぞ意味がないという方や、かっこわるい、時間の無駄などといった意見もよく聞くのですが、災害が起きたときに一番犠牲になるのがそういった理由で訓練に参加していない人達であることはご存じでしょうか。
 全てを理解した上で自分で勝手に訓練をするからいいという方はともかく、訓練に参加しない人というのはそもそも状況が理解できません。そして、何をどうしたら助かるのかと言うことも理解できていないので、まごまごしているうちに災害に襲われてしまうということです。
 防災訓練に参加すれば必ず助かるとまでは言えませんが、それでも実際に身体を動かした分だけは身になります。それが繰り返されることで、いざというときには身体が動いて自分の安全を確保する行動を取ることができるのです。
 自動車の運転を考えてみればわかるかもしれませんが、教習所に行っていたり免許を取ったばかりのときには、全ての行動をいちいち確認しながら車を動かしていたと思います。それが、毎日車を運転していると、いつの間にやら無意識に車を運転している状態になっています。これは身体が段取りを覚えてしまったからで、どんなものにでも当てはまるのではないかと思っています。
 災害はいつか必ずやってきますし、日本に住んでいる以上は何らかの災害に巻き込まれる可能性は非常に高いですから、防災訓練に参加して経験値を積んでおくことは無駄にはなりません。
 訓練はある程度想定されて条件下で行われるものですから、実際にその想定通りになることはまずありませんが、経験を積むことで予測できるものが増えていきます。そうすると、予想外の事態にも案外冷静に取り組むことができるようになるものです。

「訓練はうそをつかない」

 毎年同じ内容の訓練かもしれませんが、参加した分だけ確実に生き残る確率は上昇します。できるかぎりさまざまな機会を作って防災訓練に参加されることをお勧めします。