正しく知って正しく怖がる

 毎日新型コロナウイルスの話題一色になっていますが、新型コロナウイルスがどんなものかきちんと理解している人がどれくらいいるのだろうかと感じることがあります。
 マスメディアも無駄に人を怖がらせるような情報が多く出ていますし、インターネットにある情報も、何が正しくて何が間違っているのかが判断できないくらいいろいろ出ていて、混乱に拍車をかけている状態です。
 ただ、こんな状態で面白いなと思うのは、新型コロナウイルス対策として奨励されているアルコール消毒や手の洗浄の徹底、人混みを避ける、咳エチケットなどの対策をみんながしている結果、風邪にかかって病院にくる人が減っているそうです。風邪くらいで病院に行くのが怖くなったのか、はたまたかかっている人が減っているのか。特定の病院や薬局の人達からのお話なのでどこまで汎用性があるかはわかりませんが、いわゆる風邪のウイルスもコロナウイルスの一種なので、それなりにちゃんとした効果が出ているということなのだろうなと思います。正しい対応をしても100%感染しないと言い切れないところが感染症の難しいところではありますが、新型コロナウイルス対策として奨励されている衛生管理を今後もきちんと続けることができれば、風邪やインフルエンザにかかる人はずいぶんと少なくなるのだろうなと感じます。
 新型コロナウイルスによる大規模な感染症も含めて、人というものは正体が見えないと非常に恐怖を感じて疑心案議になってしまうものです。その状態では自分の中に「こうなっているはずだ」というバイアスが存在していますので、正しい知識がいくら伝えられても自分のバイアスから外れていると「信用できない」とされてしまうのが現状です。
 それを防ぐためには、普段からさまざまな情報に接していろいろなことを知っておくことです。災害という敵を知ることは、災害対策を立てるときの最初の一歩ですから、ここができていないと何をしたらいいのかわからなくなってしまいます。その結果、トイレットペーパーの買い占めに走ったりして市中の物資不足を進め、それがさらなる恐怖心をあおるという悪循環になってしまいます。
 災害は、たとえそれがどんなものであれ発生するメカニズムは必ず存在しますから、それを知ることで対策も組むことができます。正しく知っていれば怖がるべきポイントと備えるべきポイントがはっきりするので、そこだけ押さえて対策をすれば、訳の分からない行動を取らなくてもすむので精神的にも安心です。
 災害発生時にはいろいろな問題が発生しますが、その問題の多くは理解できないものに対する恐怖心に始まるパニックが大本になっています。
 何か問題が発生したなら、まずはその問題が何なのか、対処策はどのようにすればいいのかの検討をしましょう。その検討結果に従って備えを進めていくことで、パニックに巻き込まれず、精神衛生上もよい状況が保てると思います。

 余談ですが、現在足りないと言われているマスクですが、もしあなたが災害用の非常用持ち出し袋や備蓄品を準備しているのであれば、その中身を確認してみてください。
 市販品の非常用持ち出し袋や備蓄品には、塵や埃を防ぐためのサージカルマスクが入れられていると思いますので、ひょっとしたらマスクが見つかるかもしれませんよ。