非常用持出袋の作り方・その1

 災害に備えて飲料食を含む生活用品を最低7日間は用意しておこうというのが、最近の国の方針ですが、これをどのように準備したらよいのか。
 災害対策の準備として、3段階に分けて考えてみてください。
 1段階は、何らかの理由で避難しなくてはいけない場合。だいたい1日程度過ごせるものを用意します。
 2段階は、とりあえず避難しなければいけない状況が終わってから落ち着くまで。3日から1週間程度の用意です。
 3段階は落ち着いてから生活再建の準備が始まるまで。ここでもおよそ1週間程度考えておけば大丈夫です。
 まずは第1段階。何らかの理由で避難しなくてはならない場合です。
 基本的には自宅避難が一番なのですが、その立地と発生する災害によっては避難しないといけない場合が発生します。そのときに、国の推奨する1週間分の災害用品を持って移動するのはまず無理です。
 1日程度避難先で生活できるものをリュックサックに詰めて非常用持ち出し袋として用意します。リュックサックが背負えて歩ける年齢であれば、一人に一つ、持てる範囲のものを詰めて自分で持たせるようにします。
 また、歩けない年齢の子どもの場合には、保護者のリュックサックに詰めることになりますが、保護者の数分散して詰め込むようにします。
 これはリュックサックが駄目になったとき、その子どものものが全て無くなることを防ぐためです。
 では、必要なものをリストアップしてみましょう。
 まずはその非常用持ち出し袋を使う人はどんな人ですか? めがねをかけていれば換えのめがねが必要です。飲んでいるお薬があればそのお薬を入れておかないといけません。
 乳児であればほ乳瓶やミルク、離乳食や紙おむつが必要になりますし、汗などの臭いが気になる人は無香料タイプの消臭スプレーがいるでしょう。
 入れ歯の人は洗浄セットがいるでしょうし、まくらが変わると寝られない人は、まくらも持って行く必要があるでしょう。
 人によって必要とするものが異なりますので、それを考えて洗い出すことが大切です。
 次は排泄物の処理です。トイレが使えないことを想定して1日分の携帯トイレを用意します。自分が普段一日に何回トイレに行っているかを基準にして、大小ともに準備をしておきます。臭い消し機能のあるゴミ袋も忘れずに準備しましょう。
 それから、次は飲料食です。保存ができてそのままで食べることができ、自分が食べやすいものを用意します。ゼリー、ようかん、チョコレート、おかきやポテトチップス、ナッツ類など、カロリーを重視したものを用意しましょう。
 また、飲み物については水またはお茶を用意します。自分が普段どれくらい水を飲んでいるかを基準にして考えますが、水の入ったペットボトルは重たいので、500ミリリットルのものを2~3本用意して移動しやすいようにしておきましょう。
 あとは着替えです。下着も含めて1セットを準備します。また、夏場でも長袖は1着必ず入れるようにします。1日程度の品の準備なので、たくさんの着替えは不要です。
 そしてできればで構いませんが、タオルケットとエアマットがあると、寝るときに快適に過ごせます。避難所で毛布が配られる場合でも、基本は一人一枚です。また、枚数が少ない場合には力と声のでかい人から取っていくケースも多いですので、自分のものを自分で準備しておくと困らなくてすみます。
 さて、ここまでで個人がそれぞれ必要なものを準備することができました。あとは全ての避難者に共通の避難用品を入れていきますが、それはこの次にご紹介します。