おんぶと抱っことベビーカー

災害でいざ避難というとき、小さな子をどうやって移動させるかということは割と悩む部分です。
「おんぶ」「抱っこ」「ベビーカー」が3大避難方法のようですが、どれも一長一短です。
今回はおんぶとだっことベビーカーでの避難について考えてみます。

1)おんぶ

避難させるときにもっとも楽で危険が少ないのはおんぶです。
背中に背負っているので、背負っている人の重心があまり狂わず、両手も空いて素早く移動ができるからです。
ただ、最近の小さな子はおんぶされ慣れていないせいか、おんぶ紐で背負うと仰け反ってしまうようで、「避難時のおんぶは危険」としているところもあるようです。
そういえば、抱っこやベビーカーはよく見ますが、おんぶで移動している親子はあまり見なくなったような気がします。
でも、非常時におんぶができるとさまざまなメリットがあります。
食事の準備や家事をするとき、おんぶ慣れさせておくと、いざというときに役に立ちそうです。
また、背中が使えないので、非常持出用防災セットはウエストポーチやベストにセットすることになり、さほどたくさんの資材は持てないのが欠点です。

2)抱っこ

避難時には手だけで抱っこして移動すると衝撃や振動などにより子どもを落としてしまう危険性がありますので、必ず大人の身体に固定する道具を使います。
抱っこひもやスリングといったものを使って移動することになりますが、なにぶん重心が前にあるためおんぶほど軽快に動くことはできません。
また、片手は固定具を支えなければいけませんので原則両手を空けるということも無理です。
ただ、首の据わらない新生児になるべく負担を掛けずに輸送する方法はこれが一番だと思います。
また抱っこで避難する場合、非常持出用防災セットをリュックサックで背負えるのがメリットと言えます。
おんぶ慣れしている子どもが少ないことを考えると、抱っこで避難所まで移動できるような訓練をしていた方がいいかもしれません。

3)ベビーカー

一度に複数の子どもを移動させるときには、ほぼ唯一の手段がベビーカーです。
親も非常持出用防災セットを背負って移動することができ、ベビーカーによっては子どもの資材を載せることも可能です。
ただ、タイヤの半径以上の障害を越えることができないことやベビーカーを押すことで両手がふさがってしまうことが難点だといえます。
また、大量の避難民がいる都会地では、ベビーカーが邪魔者扱いされて破壊される場合も考えておかなければいけません。
避難した先ではベビーカーを子どもの居場所として使うことが出来るので、それもメリットと言えるでしょう。

小さな子どもが大勢いる保育園では輸送用のお散歩車・避難車や多人数用乳母車を使って一気に避難所まで輸送するという方法を取られることが多いですが、これらの運搬車はいずれも車輪の径が大きく少々の障害物は乗り越えられるようになっています。
どの方法も良いところ悪いところがありますので、あなたとあなたの住んでいる地域の実態にあわせて準備しておくことをお勧めします。