当研究所では通年で有害捕獲許可を持つ猟師が有害捕獲活動をしています。
普段なら猟期には猟もするようですが、今年はひたすら有害オリの管理に徹して自分ではワナはかけないとのこと。
どうしてかと思ったら、地域で豚熱が発生していました。
豚熱が発生してしまうと、その地域で捕獲したイノシシは販売ができなくなります。
自家消費用として食べることは問題ないようですが、解体したイノシシの残渣についてもその場で埋められないなど厳しい対応が求められるため、とてもではありませんが捕獲する手間がかけられない状態になっています。
ここ何年もイノシシが増えてきて農作物に被害を与えるということで、徹底的な駆除を求められ、ジビエの普及についても躍起になっているさなかでの豚熱発生。
清浄化宣言が出るまでは猪肉を売ることができず、捕獲しても手間ばかり増えて赤字になってしまうため、猟期になっても猟をしないという選択を取る猟師が多いです。
問題は、豚熱が発生しても、イノシシの増える数はそんなに変わらないということ。
つまり、捕獲する圧がかからなければどんどん増えてしまうことになってしまい、農作物への被害も甚大になるのではないかと感じています。
島根県農畜産課のウェブサイトによると、食べても害はないそうですから、捕獲して食べるという今までのやり方で問題なさそうなのですが、他方で流通はさせないとも書いてあります。
「食べてもよいけど流通はさせないよ」となると、選択肢は自家消費しかないのですが、売れないものを手間をかけて捕獲する人はそうそういない気がします。
ある程度まで増えれば、餌の取り合いになって自然淘汰されていくとは思うのですが、そこに至るまでに何が起きるのかが気になるところです。
豚熱(CSF)に関すること(島根県のウェブサイトへ移動します)