昨年改正された避難レベルですが、その中のレベル3に「高齢者避難」というのがあります。
改正前は「避難準備・高齢者等避難開始」という名称でしたが、「避難準備が目立っているのはいかがなものか」という偉い人達の議論の結果、高齢者避難からも「開始」が無くなってしまいました。
ともあれ、高齢者等避難自体は改正前も改正後も変わりません。
「このまま雨が進むと逃げる必要性が出てくるから、問題のある地域に住んでいる高齢者等準備に時間のかかる人は避難を開始して下さい」という意味合いですので、該当する人は準備して避難しましょう。
もちろん健常者であっても早めに避難することは原則ですが、わざわざ「高齢者等」と謳っているには意味があります。前にもちょっと触れましたが、この「等」には高齢者の他に、障がい者や妊婦、乳幼児連れといった、準備にも移動にも時間がかかる人全てが含まれています。
高齢者と若い人で考えてみたらよくわかるのですが、若い人と高齢者が同じスタートで準備したら、事前準備をしっかりとしていない限り、動きの速い若い人の準備の方が先に終わります。
そして、移動するスピードも若い人の方が速いですから、避難所にたどり着くのも若い人が先になります。
同時スタートになると、高齢者等が避難所にたどり着いた頃には、若い人で一杯で避難所に入れないという事態が起こります。
でも、実際に避難所で手厚い支援が必要なのは若い人ではなく高齢者等に該当する人達なので、避難所に居る人と支援が必要な人がズレてしまうという問題が起こります。
そこで、時間のかかる人達には早めに避難準備を始めてもらい、準備ができ次第避難をしてもらうというのが、この「高齢者等避難」に込められている意味なのです。
もちろん、早く発表されるということは空振りの確立もそれなりにあります。でも空振りでも「何もないのに避難させやがって」ではなく「たまたま何もなくてよかったね」と考えて、馬鹿正直に発表されたら避難をしてください。
人を安全に避難させ、そして必要な人を確実に避難所に収容するための警戒基準。
それが高齢者等避難だと覚えておいてください。