「アウトドアグッズと防災グッズは兼ねることができます」という記事を雑誌などではよく見かけます。
確かにその通りなのですが、それは「そのグッズを使い慣れていること」が前提となることに注意してください。
アウトドアグッズ、特にソロキャンプや単独行で使うような装備は、軽量、コンパクトさが優先して設計されていて、丈夫さや使いやすさは二の次というアイテムが多いです。
では防災グッズではどうかというと、あくまでも普段使いの延長になるため、丈夫さや使いやすさの優先度が軽量、コンパクトよりも高くなります。
なぜなら、アウトドアを満喫することは非日常で楽しいことですが、災害は同じ非日常であっても不安やしんどさが先に立ちます。些細なことで不安や怒りが増幅されてしまう環境を考えると、例えば使い方に気を遣うシングルバーナーよりも大きくても安定しているカセットコンロのほうが日常に近い生活を送ることができますし、十徳ナイフよりも小さな包丁のほうが使いやすいことは言うまでもありません。
もちろん、アウトドアグッズがダメと言っているわけではありません。
使い慣れている道具であれば、それを使うことで安心感がもたらされるものですし、軽量コンパクトなアウトドアグッズは非常用持ち出し袋に治まりやすくて運びやすいので入れ方や重量を気にせずに持って移動でき、とりあえずの生活の質を落とさないという点で非常に有効です。
ただ、普段は使わずにいざというときに初めて使うという状態だと、組み立てている途中で壊れたり、思ったような使い勝手でなかったりしてそのアイテムがない時よりもストレスをため込むことになりかねません。
アウトドアグッズは買ったらすぐに誰でも使えるというものではなく、マニュアルを読んだり実際に使ったりしてそのグッズに馴染んでおくことが絶対的に必要です。
普段使いのアイテムを組み込みながら、できるだけ日常に近い防災グッズをそろえていくことで、いざというときにも生活の質を維持していきたいですね。