急に寒くなってきましたが、あなたの体調は大丈夫ですか。
のんびりと構えていた筆者の家では、慌てて冬物を出して衣替えといった感じですが、防寒対策として一つ知っておくといいことがあります。
それは『空気は最高の断熱材である』という事実です。
例えば、毛布や布団では、ぺったんこになっているものよりもふわふわのものの方が温かく感じます。
手触り肌触りがよいということもありますが、ふわふわの部分にしっかりと空気がため込まれていて、それが体温を逃がさないために温かくなるのです。
防寒対策では、一枚の厚手の服を着込むことを考えてしまいがちですが、間に空気の層がしっかりとできるのであれば、薄手の服を重ねて着るほうが厚手の服一枚よりも温かくなります。
登山などで体温調整するときの常識になっていますが、薄手の服の脱ぎ着でもずいぶんと暖かさをコントロールできるのです。
これから冬に入り、非常用持ち出し袋の中身を入れ替えることがあるかもしれませんが、嵩張る厚手の服をたくさん入れなくても、重ね着できる服ならかなり体温調整が可能です。
寒さ対策を考えるときには、断熱材である空気をいかに上手に使うかに気をつけて、災害時に限らず、快適にお過ごしくださいね。
タグ: 温めは体の周りに空気の層を作る
避難後の温度対策
避難した先に冷暖房があればいいのですが、体育館のような場所だと大抵の場合は冷暖房の装置がありません。
また、災害のときに何らかの形でエネルギーが途絶えてしまえば、機械のスイッチを入れることができませんから避難所は外の環境と同じような状態になります。
そうすると暑かったり寒かったりして体調を崩してしまう人が出てくるのですが、なかなか対策がうまく見つからないものです。
実はこの温度管理に重要なのが「風」。
寒いときには風を遮断し、熱いときには風を通す。それだけで環境の快適さがずいぶんと変わります。
寒いときには風を遮断して体の周りに空気の層を作り出すこと。それだけで充分に暖かく過ごすことができます。よく防災グッズに入っている銀色のエマージェンシーシートは、なるべく体に巻き付けて体の周りにある空気を逃がさないようにするためのもので、エマージェンシーシートを身につけたからといっても体の周りに動かない空気の層ができなければただ寒いだけでちっとも暖かくはなりません。体を温めるための熱は体温であり、エマージェンシーシートが暖かくなるわけではないことに注意が必要なのです。
また、夏場の暑いときには建物の中を風が抜けるようにします。窓を開け放ち、風の通り道を確保することで、居住環境がずいぶんと変わります。
この場合は、例えば外の温度の方が低ければ建物内部から外に向けて扇風機を回すと内部の熱を追い出すことができますし、逆に中の方が涼しいのであれば、建物内部で扇風機を回すようにするとそれなりに快適な空間を確保できます。
避難所で体調を崩す理由の一つが、この温度管理にありますので、なるべく快適な環境を作り出せるように、「風」を意識して準備をしておきたいものですね。