避難後の温度対策

 避難した先に冷暖房があればいいのですが、体育館のような場所だと大抵の場合は冷暖房の装置がありません。
 また、災害のときに何らかの形でエネルギーが途絶えてしまえば、機械のスイッチを入れることができませんから避難所は外の環境と同じような状態になります。
 そうすると暑かったり寒かったりして体調を崩してしまう人が出てくるのですが、なかなか対策がうまく見つからないものです。
 実はこの温度管理に重要なのが「風」。
 寒いときには風を遮断し、熱いときには風を通す。それだけで環境の快適さがずいぶんと変わります。
 寒いときには風を遮断して体の周りに空気の層を作り出すこと。それだけで充分に暖かく過ごすことができます。よく防災グッズに入っている銀色のエマージェンシーシートは、なるべく体に巻き付けて体の周りにある空気を逃がさないようにするためのもので、エマージェンシーシートを身につけたからといっても体の周りに動かない空気の層ができなければただ寒いだけでちっとも暖かくはなりません。体を温めるための熱は体温であり、エマージェンシーシートが暖かくなるわけではないことに注意が必要なのです。
 また、夏場の暑いときには建物の中を風が抜けるようにします。窓を開け放ち、風の通り道を確保することで、居住環境がずいぶんと変わります。
 この場合は、例えば外の温度の方が低ければ建物内部から外に向けて扇風機を回すと内部の熱を追い出すことができますし、逆に中の方が涼しいのであれば、建物内部で扇風機を回すようにするとそれなりに快適な空間を確保できます。
 避難所で体調を崩す理由の一つが、この温度管理にありますので、なるべく快適な環境を作り出せるように、「風」を意識して準備をしておきたいものですね。