アウトドア用ガスバーナーの注意点

シングルバーナーは個人用鍋であるコッヘルに収まるように作られていることが多い。

 前回はカセットコンロについて触れてみましたが、今回はアウトドアで使うガスコンロ、ガスバーナーについてです。
 アウトドア用のガスバーナーはカセットボンベではなく、アウトドア用のガスカートリッジを使います。
 巷ではカセットボンベをCB缶、アウトドア用のガスカートリッジをOD缶と呼ぶそうなのでここではその表現を使わせていただきますが、OD缶はCB缶に比べると次のような違いがあります。

1.取り付け口が違う

OD缶はバーナーとねじで繋がっていることが殆ど。

 CB缶はマウントに取り付けて押しつければガスの供給が始まりますが、OD缶はガス圧が高いためか取り付け部分がネジ状になっていて、マウントはねじ込んで接続するようになっています。
 このおかげで缶とバーナーがしっかり固定され、缶をバーナーの支えに使うことが可能になっています。

2.内容量が多い

大きいタイプは470g。CB缶は250gなので、ほぼ倍入っている。

 アウトドアで使う都合上、一般的にはカセットボンベよりも内容量が多く重たいことが多いです。

3.CB缶よりも手に入りにくい

 カセットボンベはどこででも手に入りますが、ガスカートリッジは売っているところが限られています。サイズもいろいろあります。

4.寒冷地でも使える

 CB缶の寒冷地仕様よりもOD缶の寒冷地仕様の方が温度の低下には強いようです。OD缶には、缶を暖めるための専用ヒーターもあったりします。

5.値段が高い

OD缶はその目的上、コンパクトで軽量という機能が要求されることが多いです。
そのため、カセットコンロよりもかなり値段が高くなっています。

次に、OD缶を使ったガスバーナーを使うときの注意点は次の通りです。

1.なるべく純正カートリッジを使うこと

基本的には自社のガスカートリッジが推奨されています。接続部の形状はまったく同じなのですが、内部に一部違いがあるということです。
ただ、メーカーによっては汎用性がある取り付け部にして、ガスカートリッジはどこでも大丈夫というようなものもあるようですので、買うときには確認した方がよさそうです。

2.あまり重たいものは乗せない

 ガスバーナーは前提条件が一人または数名の料理を作るという目的ですので、安定性よりも持ち運びのしやすさが優先されています。
 そのため、バーナーの上に大きな鍋などをのせると重心が高くなって不安定となりひっくり返ってしまうことがよくあります。
 その場合にもガスの供給は止まらない場合が多いので、大火事になることが想定されます。

低い位置で使えるようにOD缶と離れて使えるようになっているバーナーもある。

3.手に入りにくい

CB缶のようにどこででも売っているわけではありません。メーカーによりますが純正品が手に入りにくいものもあります。

 ここで書いているOD缶のガスバーナーはシングルで持ち運びが簡易なものを指していますが、オートキャンプなどではこのOD缶が取り付けられるコンロ、ツーバーナータイプもあります。
 CB缶に比べると高くて重たいOD缶ですが、CB缶よりもガスの容量が多いので保管場所があまりとれない人には非常に向いていると思います。
 ただ、原則は屋外使用であることとあまり重量物が載せられないことを考慮して、自分の目的にあったものを準備しておいてくださいね。

カセットコンロの注意点

大出力が使える大型のカセットコンロ。大人数の鍋などを作るときに活躍する。

 災害時の準備用品としてよく書かれているカセットコンロ。
 アウトドア用品などでは非常にコンパクトに収納できるものも出ています。
 カセットボンベ自体も比較的割安で用意でき、簡単に取り扱えることから準備を推奨されているものですが、用意する際に気をつけておかないといけないことがあります。
 今回はその注意点についていくつか考えてみたいと思います。

1.カセットコンロってなんだ?

 カセットコンロは、読んで字のごとくカセットボンベを使う簡易型コンロのことで、イワタニの製品がかなり有名ですが、高いモノから安いものまでいろいろと出ています。
 アウトドアで使われるものはガスバーナーとも呼ばれますが、こちらは次回で取り上げたいと思います。

左がOD缶、右がCB缶。見た目から異なるが、両方ともガスボンベ。

2.カセットコンロを使うときの注意点

 カセットコンロは普通のガスコンロの構造がコンパクトになっているものです。
 そのため、簡単に使うことができるのですが、次の点に気をつけておく必要があります。
(1)基本的には純正品を使うこと

 カセットコンロのメーカーはいろいろとありますが、大抵の場合「純正のカセットボンベをお使いください」と書かれています。同じようにカセットボンベにも「○○専用」という記載がされていることが多いです。
 純正品でない場合、事故が起きたときに保証が受けられないということが大きいですが、他にもカセットボンベによっては火力が足りなかったり、逆に火力が強すぎたり、セットしたら微妙にガスが周囲に漏れるようなものもあるようです。
 カセットコンロとカセットボンベの関係についてはいろんなホームページでいろいろと書かれているところですが、純正品を使うということを基本にしておいてください。
(2)ゴトクの上に収まるように暖めるものを選ぶ
 カセットコンロはコンロの中にガスボンベを組み込む構造になっています。
 そのため、コンロのゴトクからはみ出すような鍋や鉄板を使うと、ガスボンベが異常に加熱して爆発する事態が生じてしまうことがあります。
 よく起きるカセットコンロの爆発は、大概の場合鍋や鉄板がガスボンベの上に達していてボンベが異常加熱して起きているものです。
 自分が使おうと思っている鍋や鉄板を確認し、ゴトクの中にきちんと収まるようなカセットコンロを選んでください。
(3)換気に気をつける
 カセットコンロは気軽に使えるものですが、ガスと酸素を燃やして二酸化炭素を形成していることに変わりはありません。
 利用するときには、意識して換気をするようにしてください。
(4)カセットコンロには寿命があることを意識しておく
 カセットコンロはパッキンや内部部品にゴムを使っていますので、長年使っていたり、使い方を誤っていたりすると、ゴムが腐食したり、劣化したり、ガス漏れなどが起こることもあります。
 利用前はカセットボンベが繋がる部分等のゴムの状態を確認し、劣化しているようならカセットコンロごと交換するようにしてください。

 普段から日常的に使っていれば、かなり便利だと感じるカセットコンロ。
 防災用品として眠らせておくのはもったいないので、意識して使うようにしたいですね。