懐中電灯を即席ランタンにする方法

懐中電灯だけで照らしてみる。小型ながら強力な懐中電灯なので、壁の反射で周囲が明るくなっている。

 懐中電灯は指向性の強い灯りです。その指向性の強さのおかげで安心して歩いたり移動したりできる照明器具なのですが、いざ避難所で使おうとすると、いる場所全体を照らしたいのに天井や壁の一点しか明るくならず、どうかすると他の避難者の方からまぶしいと怒られたりしてしまうものです。
 今回は懐中電灯をちょっとした工夫で即席ランタンにする方法を考えてみます。

1.懐中電灯とランタンの違い

 懐中電灯は一点を照らすため光が指向性を持っている照明器具で、ランタンは逆に周辺全体を照らす照明器具で、懐中電灯ほど明るくはなりませんが、明るさの濃淡というのはさほどひどくはありません。

2.懐中電灯をランタンにするには?

 懐中電灯をランタンとして使うためには、指向性の強い光を周りに拡散する仕掛けを作ればいいことになります。
 灯りの部分に何かをかぶせることで、光を散らすことが基本になりそうです。

1)水のペットボトルを使う

懐中電灯の上に水のペットボトルを置いてみた
重心が上にあるので支えていないとひっくり返る。小型の懐中電灯だと、懐中電灯を入れる容器が必要になりそう。

 照明の光の上に水の入ったペットボトルを置きます。ペットボトルと内部の水が光を反射して、周囲に散光します。
 強めの光が周囲に広がりますが、水の入ったペットボトルという重たいものなので、上手に取り付けないとすぐにこけてしまいそうです。

2)不透明のビニール袋をかぶせる

不透明のビニール袋をかぶせた懐中電灯
ビニール袋はしわくちゃにしてあると光を周囲に反射してくれる。

 買い物などでよく使う不透明のビニール袋をくしゃくしゃにして懐中電灯の光の部分にかぶせます。
 懐中電灯の光は袋の中で乱反射して周囲を明るく照らします。
 懐中電灯が熱を持つタイプだと、その熱でビニール袋が溶けることがありますので、熱くならないように気をつける必要があります。

 地震などで余震が続く状態の時には、ロウソクなどの裸火は使うことができません。
 電池式ランタンがあると一番良いのですが、もしも懐中電灯しか持ち出せなかったときには、光の出口部分に出た光を乱反射させて周囲に散らせるような道具を取り付けることで、周囲を照らせる即席ランタンができますよ。
 自分たちの好みの光を見つけて、それを作れるようにしておくといいですね。