災害時にしないといけないこと

 災害時にしないといけないことはいろいろとありますが、もっとも大切なことはあなたの命を守ることです。
 非常用持ち出し袋は、あなたの命を守り、つなぐために準備するものですが、それを持って避難することが最優先ではありませんから、状況によっては、非常用持ち出し袋を取りに行くことが危険につながることもあると思います。
 優先すべきはあなたの命を守ることであり、緊急時にはそれを前提にして行動を決定する必要があります。
 よくあることですが、例えば水害などで早めに避難した後、まだ大丈夫だからと自分の大切なものを取りに戻れるのではないかと考えてしまうことがあります。
 この時の思考は、自分の命は守れているから、次に優先されるものをどうやって守るかというものになっていますが、状況が収まっていない以上自分の命を守ることを最優先することは変わっていません。
 ここを勘違いしてしまうので、安全地帯から移動して被災してしまう人が出てしまうのです。
 災害時に最優先でしないといけないことは、あなたの命を守ること。
 そのことを、特に災害発生時には忘れないようにしてください。
 ひょっとすると自分が死ぬかもしれないという想定で、行動を考えてほしいと思います。

避難所に持ってくるものはあらかじめお願いしておく

 平時から避難所運営委員会が機能している地域では、避難対象になるであろう地域の人達に「避難するときに持ってきてほしいものと持ってきてほしい量」についてあらかじめお願いをしているところもあるそうです。
 考えてみれば、避難所として指定されている場所のうち、どこを最初に使うのかやどんなものが使えるのかなど、知っているようで知らないことがたくさんあります。
 小さな集落で普段使っている公民館などが避難先であれば、ある程度どこに何があるかがわかっているので何を持って行けばいいのかイメージもつきやすいと思うのですが、例えば学校や体育館、行政施設といった場所だと、何があるのか何が必要とされているのかイメージが沸かないことも多いと思います。
 避難所が避難所として機能するためには避難が長期化したときにも対応できるだけの設備が必要となりますが、残念ながら大きな場所になればなるほど、避難者用に使える道具がなくなっていくというのが実際のところで、避難時には家からさまざまなものを持参しなくてはいけないことになります。
 でも、例えば「食料はそのまま食べられるものを2日分」とか「水は一日1リットルとして2リットル」といった風に具体的に避難所に持って行くものが指示されていれば、準備する方はそれに従って準備すれば良いのでかなり気分が楽になります。
 いつ避難所が設置され、いつまで耐えればとりあえずの救援物資が届くのかがわかっていればそれまでの命を繋げばいいだけなので、避難所運営委員会の人達も具体的な目安を指定でき、初動は各自が賄ってくれることが基本になっているので、避難所の設置初期におきるさまざまなトラブルの一部でも心配をしなくても済むようになります。
 災害時にその避難所が避難所として機能できるのかということは、恐らく災害が起きてみないとわからないところはあります。
 ですが、地域の避難者を安全確実に受け入れて困りごとをなるべく減らすためには、平時からさまざまな約束事を地域全体で共有しておくことです。
 せっかく地域に避難所が指定されているのであれば、その地域で避難者を受け入れるための避難所運営委員会を普段から開催してお互いの顔つなぎをし、さまざまな約束事を決めておくようにすることをお勧めします。
 避難所に非常用持ち出し袋を持って避難することは自助ですが、避難所の設営や補給物資の管理、そして避難者に持ってきてもらうものを消えておくのは地域における共助になります。
 自助と共助を上手に組み合わせて、避難後に飢えや渇き、睡眠不足で苦しむことがないように準備しておきましょう。

災害に備える

 新型コロナウイルス騒動がなんとなく沈静化しつつあるようですが、代わりに地震や風水害が発生してきそうな雰囲気です。
 新型コロナウイルス騒動でいろいろと足りない物資がありますが、それでも他の災害に備えて準備はしておいたほうがよさそうです。
 今回は災害に備えた準備について考えてみることにします。

1.耐震補強はできていますか

 日本は地震大国であり、戦後から高度成長期にかけてが異常なほど地震が起きなかった期間であることはあまり知られてないのかなと思います。
 その時代に建てられた建物は、地震に耐えられる作りになっているかどうかわかりませんから、お住まいのおうちが最近建てられたものでないのならば、耐震診断と耐震補強をすることをお勧めします。
 寝てる時間だろうがトイレに入っている時間だろうが、地震はお構いなしにやってきます。耐震補強をすることが困難であるなら、せめて寝室は布団以外の家具は撤去してものに潰されないようにしておきましょう。

2.避難先を確認していますか

 建物が倒壊したときや余震が続くときなどは自宅での避難が困難な場合があります。そんなとき、どこへ避難するかについて複数箇所候補をあげておいてください。
 避難先は別に行政が指定する避難所や避難場所である必要はありません。自分の安全が確保されるのであれば、親戚や友人の家でもいいし、近くの公園や高台、裏山でもかまいません。また、自動車をシェルターとして使えるかどうかも検討をしてみてください。ただ、地震や津波では大規模火災が起きる可能性もありますので、周辺を住宅で囲まれた場所や燃えるものに囲まれた場所は避難先として選ばない方が無難だと思います。また、避難経路を複数準備しておいて、いざというときに慌てなくて済むようにしておきましょう。

3.非常用持ち出し袋はできていますか

 非常用持ち出し袋は発災から支援が届き始めるまでの数日間、地震の身体的・精神的な健康を維持するために必要なものを入れた大切な袋です。
 家族全員に一つずつ作っておくのはもちろんですが、できれば複数箇所に分けて保管しておくと全滅で悲しい思いをすることを避けることができます。もし全部無事であるなら気持ちに余裕ができますので、例えば倉庫や車の中、あるいは職場のロッカーなど、いくつかの場所にそれぞれ備えておくと安心です。
 非常用持ち出し袋をすでに準備している人は、電池や非常食、水の賞味期限を確認し、問題があれば交換したりして、いざというときにきちんと使えるようにしておきましょう。

4.家族の中で「まず自分の身を守ること」を共通化していますか

 災害が起きた後、一番怖いのは自分以外の誰かを迎えに行ったり、あるいは誰かが迎えに来るのを待っていて時間を浪費することです。
 家族の共通ルールとして「災害が起きたらまずは自分の身の安全を確保すること」を確認しておいてください。命があれば必ず再開はできます。災害からの安全が確認できたら家族はどこへ集まるのか。底まで決めておければ完璧です。

 災害は必ず起こります。いつ起きるかわからないだけで防ぐことも難しいですので、日頃からしっかりと準備をしていざというときに命を守れるようにしておきたいものですね。