多くの人が当たり前だと思っていることでも、100%の人がそう思っているとは限りません。
特に災害後で情報が錯綜しているときには、自分を守るためにどうしても周囲が困ってしまうような行動をとってしまうことがあります。難しく考えなくても、例えばコロナ禍で使い捨てマスクがどういう状況になっていたのかを考えれば理解できるのではないでしょうか。マスクの供給が止まってしまうような報道が出たとたん、店頭でマスクを買い占める人が続出して店では売り切れていた状態。状況がわからずに不安になったので、目につくものをすべて手に入れようとしてしまうことは、迷惑な話ではありますが、感覚としては理解ができませんか。
さまざまな感覚を持つ人がその所属するコミュニティーに関係なく避難所に避難してくるのが災害です。「そんなことは常識」と考えるのは簡単ですが、思ってもみないところでお互いの悪気のないトラブルが起きるのを回避するためには、ルールをきちんとわかるようにしておくことです。
全ての手順を誰にでもわかる表示で見えるところに張り出しておくことで、考え方の違う人でもどのような行動をするべきなのかがわかります。
考え方が異なる人たちが同じ空間で生活するためにはルールを決めることとそのルールをわかるようにしておくこと、なによりも、全ての人がわかる手順を踏んでルールを決めることが大切です。
緊急時にはそんなことをしている余裕はないと思いますので、できるだけ事前に避難所運営委員会などを設置して、避難所におけるルールを決め、すぐにわかるところに貼りだせるように、場所やポスターなどを準備しておくようにしてください。
非常時には、ちょっとしたトラブルが大きなトラブルに発展しやすいです。
できるだけトラブルが起きないような準備をしておきたいですね。