「おはしも」の「お」

避難中は絶対に押さない、そして急かさない

 先日お隣の国で群衆雪崩による死傷者が出たというニュースがありました。
 150名以上の方がお亡くなりになったということで、犠牲になられた方にはご冥福をお祈りいたします。
 日本でも平成13年に明石市であった花火大会で同じような群衆雪崩が発生し、11名の方が亡くなっていますが、大勢の人が密集した状態で移動を行っているとき、移動ができている間はいいのですが、何かの原因で移動の流れが止まってしまっても、止まった部分から後ろの人は止まれません。
 次々に人が押し寄せて圧縮状態になり、動けなくなって窒息してしまったり、倒れる人の下敷きになった圧死したりします。
 学校などの避難訓練で「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」をまとめて「おはしもを守ろう」という言われ方をされることがあります。
 避難に限らず、人が移動するときの速度は人それぞれで、同じような速さにはなりません。
 そのため早い移動速度の人が遅い移動速度の人にひっかかると、そこで詰まってしまいます。
 ここで早い人が遅い人にペースを合わせることができれば事故になりませんが、遅い人を押してしまうと、そこで転倒事故が発生してしまいます。
 避難の時だけではなく、移動時にも絶対に人を押さないこと。
 特に大勢の人が移動しているような場所では、群衆雪崩を引き起こさないためにも、前の人にあわせた動きをするようにしてください。

【活動報告】小学校の避難訓練支援を行いました

 去る10月27日に益田市立高津小学校様で実施された避難訓練の支援を行いました。
 当日は大きな地震が発生し、津波が来るために高台へ避難するということで、実際に実際に避難先である県立翔陽高校まで全校生徒が避難して、流れを確認しました。
 今年からは避難先は翔陽高校、児童の引き渡しは状況が落ち着いてから指定避難所である隣の高津中学校に移動して保護者へ引き渡すということに整理されたそうで、今後は翔陽高校まで駆け足で移動することになるそうです。
 400名を超える児童のいる学校が実際に一斉に避難するというのは大変なことなのですが、見ている限り非常にスムーズに流れていて、先生たちも児童たちも毎年のこととしていい意味で訓練慣れしているなと感じました。
 今回もいろいろと気づいたことはありましたが、そういった部分を見つけて改善していくのがこういった訓練の大きな目的です。
 後日今回の訓練に関する報告書を提出しますが、こういった訓練を当事者ではない第三者がチェックして改善を進めていくことでより効果的な訓練が実施できるのではないかと思っています。
 欲をいえば、休憩時間や登下校時に避難しなければいけなくなったときにどう判断するかというところまでできるといいなと思っていますが、学校で授業中である限り、恐らくはきちんと対応がしてもらえるのではないかと感じる訓練内容でした。
 今回避難訓練についてお声がけいただきました高津小学校の皆様に感謝いたします。

【活動報告】保育園の避難訓練支援を行いました

粛々と避難する園児たち。でもすれ違った人へのあいさつは忘れないのが素敵です。

 去る10月26日に益田市東町のすみれ保育園様で実施された避難訓練の訓練支援を行いました。
 当日は平常時よりも少ない職員で地震から津波発生、高台への避難ということで実際に避難先である益田東中学校まで全園児が避難して、流れを確認しました。
 保育園では月1回の避難訓練を実施しているそうですが、園児たちも予想していたよりもはるかに機敏な動きで、避難開始から避難完了までわずか13分で行えたのはとてもすごいことだと思っています。
 もちろん途中でさまざまなトラブルはありましたが、そういったトラブルを見つけて改善していくのが訓練の大きな目的です。
 後日訓練に関する報告書を提出しますが、こういった訓練を当事者ではない第三者がチェックして改善を進めていくことでより効果的な訓練が実施できるのではないかと思っています。
 いざというときに何も考えなくても体が動くように、訓練の時にはしっかりと自分の行動を確認しておきたいですね。
 今回避難訓練について見学の許可をくださったすみれ保育園の皆様に感謝いたします。

避難ピクニックのススメ

 秋晴れの良い天気のお休みのときには、ご家族でお弁当を持って近くの避難所までお出かけしてみませんか。
 実際に歩いてみることで、さまざまな気づきがありますし、思ってもみなかった発見があることもあります。
 もしも避難所がすぐ近くにあるのなら、その避難所が使えなかった場合を想定して、近くの他の避難所におでかけしてみましょう。
 お弁当を持って歩いて避難所まで行き、避難所またはその近くの気持ちのいい場所で家族でちょっとしたピクニックを楽しむと考えれば、案外と面倒くさくはないものです。
 災害対策は命を守るために行うものですが、かといってそればかりで生真面目にやるだけでは、そのうちに飽きてしまいますが、なにか楽しいことにくっつけて、ちょっとした訓練をしてみると、本番でも絶対に役に立ちますよ。
 ちなみに、車でないと避難所までいけない人は、自分の近くにある安全な場所を探してみるといいと思います。
 涼しくなって、日中の日差しはしっかりと残っているこの時期に、しっかりとおでかけしてみてくださいね。

事業継続化計画を行動に落とし込む

BCPは避難だけでなく、事業を再開するための準備や流れも記載されている、はず?

 さまざまな企業や団体で、現在一通りできたといわれているのが事業継続化計画、いわゆるBCPと呼ばれるものです。
 ただ、このBCP、綿密に作りすぎていて一つ状況が変わるとまったく対応できないようなものから、全て管理者に判断を丸投げしている計画と呼べないようなものまでさまざまで、いざというときに本当に大丈夫かなと思うことがよくあります。
 「うちはきちんとした計画を作ってるから」というところのBCPを見せてもらうこともたまにありますが、一度作った計画を見直しも確認も訓練もせずにそのまま棚に飾ってあるようなものが多いです。さらには、困ったことにそのBCPを職員や従業員の方が存在すら知らないということも非常に多くあります。
 本来、BCPは各種訓練を行う毎に進化を続けていくものです。そして、その内容が訓練の基本となるため、職員や従業員が存在を知らないということは、そもそもあってはならないことなのですが、BCPと訓練が切り離されているとこういったことが起こります。
 もっとも、BCPが訓練にきちんと取り入れられているところは筆者の知る限りでもあまり多くはありません。
 多くは火災や災害からの避難訓練くらいで、安否確認や復旧訓練まではやっていないと思います。火災や災害からの避難訓練だと、何をすればいいのかわかっていますし、確認や講評は近くの消防署にお願いできるので、大した手間が必要なく、手直しもしなくていいのでお手軽なのだと思います。
 でも、せっかくBCPを作っているのであれば、それを基本にした訓練計画をぜひ一度作ってみてください。訓練時にはBCP担当だけでなく、BCPを読み込んだ人何人かが訓練をみてどう思ったかを講評すれば、次の訓練でそれがきちんと反映できます。
それを続けていれば、実際に必要なものやできるできないがよくわかりますし、事業を継続するためにはどうすればいいかを考え直すきっかけにもなります。
 いざというときに廃業しなくてもすむようにきちんと整備し、使えるものを策定しておいてください。

睡眠をしっかりとれる準備をしておこう

ある程度快適な就寝環境?

 最近の市販品の非常用持ち出し袋には、かなりの高確率で寝るときに使用するエアマットが入っています。
 これは避難所または避難場所で睡眠をとる必要がある時に床との間に空気による層を作ることで、寝る姿勢を楽にすると同時に床からの冷気を防ぐ断熱と、床に舞っているほこりを吸い込む確立を少しだけ減らせるという効果があります。
 ただ、これだけでは快適な睡眠には程遠く、寝袋や毛布、あるいは布団など自分がしっかりと眠ることのできるための道具を追加しておく必要があります。
 一日だけならエマージェンシーシートでもなんとかなりますが、やはり専用に作られた寝具にはかないませんので、できるだけ快適に過ごすためにもしっかりとした準備をしておきましょう。
 また、避難所では防犯上夜間も照明がついているので非常にまぶしいですし、周囲の知らない人のさまざまな生活音が聞こえると寝にくいところがあります。
そこで、アイマスクや耳栓などを準備しておくと、寝るときにある程度の快適さは担保されると思います。
 余裕があるなら、自立型のテントを持参しておくと、場合によってはテントを展開して中で寝ることもできるのでさらに快適になります。
 非常時において、給水、食事、排せつと並んで睡眠は自分の体調を保持するために非常に重要なものです。
 平時に、どんな道具なら自分が快適に寝られるのかを調べておいて、非常時に備えて準備をしておいてくださいね。

【終了しました】第2回「はじめての防災キャンプ」を開催します

 2022年11月5日から6日に、島根県益田市の北仙道公民館で「初めての防災キャンプ」を開催します。
 これは実際に体育館で宿泊をして、避難生活で起きそうなさまざまな出来事を体験したり、防災活動を学んだり、近くを散策して自然観察をしたりするもので、8月に開催した第1回は参加者に好評をいただきました。
 新型コロナウイルス感染症の蔓延で参加できなかった方や参加した方から「次回はいつやるの?」というお問い合わせをいろいろといただきましたので、冬に向けて第2回を開催することとしました。
 対象は小学生、中学生で、地域は限定しません。
 先着15名となっておりますので、興味のある方のご参加をお待ちしております。
 また、当日のお手伝いをしてくださるボランティアも募集しています。
 短時間でも手伝ってくださる方がおられれば、事務局までご連絡いただければと思います。

どこに避難しているのかを知る

避難先や避難経路を知るには、防災マップを作ってみるのも一つの方法。

 あなたは津波などで避難が必要な状況になったとき、自分がどこへ避難すればいいのかを知っていますか。
 また、ご家族がどこへ避難するのかを知っていますか。
 学校や施設などにいるとき、そこからどこへ避難しているのかについては、案外と知られていないことが多いですので、どこに避難するのかをしっかりと確認しておきましょう。
 できれば避難経路もあわせて確認しておくといいと思います。
 どのような判断でどこへどんな経路で避難しているのかを知っていると、いざというときにもある程度どこにいるのかが予測がつきます。
 そして、探しに行ったり迎えに行ったりするときにも迷わなくて済みます。
 また、自分の子供が遊んでいるときに避難すべき状況が起きた時にはどこへ避難すれば安全なのかを、子供と一緒に現地で確認しておくと安心です。
 誰がどこにいてどうなっているのかがわからないことは、人の心に不安を招きます。
 その結果、その不安を解消するために助けに出かけて遭難するというケースは過去の災害でもたくさん起きています。
 いざというときに誰はどこに避難しているのかを事前に知っていることで、そういった不安を排除することができますから、お互いにどのような行動をするのかについて、しっかりと話をしておくようにしてください。

自分で判断する基準を作る

 災害後の避難行動というのは基本的には自己責任です。
 状況を判断し、そこから避難する必要があれば誰が何と言おうと避難する。
 自分の命は他人に預けないことが非常に大切です。
 ただ、学校に関して言えば、なぜか「先生の言うことに従いなさい」という風に教えています。前提としては、日常で教員の判断が常に正しいという認識が多くの人にあるからではないかと思うのですが、これは非常に危険なことで、指導者が誤った判断をした場合には全滅してしまう愚かな事態を招きます。
 はっきりと書きますが、現在学校がやっているような定型の訓練のための訓練では、本番で迅速な避難が必要な場合何の役にも立ちません。
 正直なところ、大人よりもよほど子供の判断のほうが正しいということは、「釜石の奇跡」と呼ばれる子供たちの行動と教員の判断の遅れで発生した「大川小学校の悲劇」ではっきりと証明されています。
 災害について、先生が一番怖さを知らないのかもしれないと思うこともありますが、せっかく避難訓練するのであれば、迅速に安全と判断する場所まで自分の判断で避難するものにしてほしいです。
 もしもそうしていれば大川小学校の悲劇は防げたのではないかと思います。
 地震と津波の組み合わせによる災害は正確な判断よりも迅速な行動が要求されます。
 迅速な行動をするためには、子供たちが各自で判断して避難行動をとることが大切ですので、整列や点呼を徹底するよりも、避難行動を開始するための判断基準を作ることを徹底したほうがいいと思います。
 現在の訓練のための訓練を是とする限りは、予定調和を乱すような自己判断の訓練は永遠に認められないとは思うのですが。

【終了しました】小学生向けワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催します

10月15日の13時30分から高津柿本神社駐車場を集合場所にワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催します。

地域の安全点検をしながら防災マップを作っていきます。最初に点検のポイントを説明した後、実際に地域を回って点検し、最後にどうやったらこの地域で安全に過ごすことができるのかを考えてみます。

対象は小学生ですが、それ以外の方のご参加も歓迎します。

小学生以下のお子様が参加される場合には、保護者の方も一緒にご参加ください。

興味のあるかたのご応募をお待ちしています。