母乳育児や手作り離乳食を毎食作るという方も多いと思いますが、それを食べている子どもさんの非常時の食事について考えてみたことがありますか。
災害が発生すると、お母さんの精神状態によっては母乳が出なくなることがよくあります。また、電気やガス、水道が使えなくなると手作りの離乳食を作ることが難しくなることもあります。
そんなときに粉ミルクや市販の乳幼児食が使えたとしたら随分助かるのではないかと思いますが、そのストックは準備してありますか。
我が家では子ども達は母乳で育てていましたが、万が一に備えて母乳を冷凍したものやスティックタイプの粉ミルク+ペットボトルの水(軟水)を数回分それぞれ用意していました。
また、離乳食も手作りしていましたが市販品の離乳食も数回分準備して備えていました。
冷凍母乳は母親が授乳できないときに積極的に使うことで常に新鮮なものをストックしていましたし、粉ミルクも母乳に代わって時々あげていましたが、その時には眉間にしわを寄せてほ乳瓶から飲んでいたことを思い出します。
その後、離乳食の段階では、お出かけしたときに備蓄品を持って出て食べさせていましたが、うちの子達はこれが3食続くと怒って「べー」とはき出してました。
幸いなことに大きな災害に出会うこともなく通常食に移行してくれましたが、もしも災害になったとき、いきなり「飲め、食べろ」と言われたら、大泣きして抵抗していただろうなという気はしています。
通常時であればできることも、災害時にはできなくなります。その時にどうすれば自分の子どもが食事をしてくれるのかは、あらかじめやっておかないと、いきなり本番だとお互いに余計な苦労をする羽目になってしまいます。
粉ミルクにしても離乳食にしてもメーカーによって味が違いますし、子どもにとっても好みの味が異なります。それは試してみないとわからないことなのです。
「手を抜く」のではなく「子どもを守るために」粉ミルクや離乳食を体験させておくことも、実はとても大切なことなのではないでしょうか。
余談ではありますが、先日「液体ミルク」について江崎グリコさんから話をうかがうことがありました。3月から4月にかけて発売予定の江崎グリコさんの製品は紙パックに入っているそうですが、ほ乳瓶にいれればそのまま授乳できるように作られているそうです。先の胆振東部地震では海外製品が避難所に配布されて「使え、使うな」という物議を醸したようですが、もし使ったとしても全ての赤ちゃんが飲めるとは限りません。
味に慣れていないものは、非常時にはのどを通らないことが多いものです。可能であれば一度試してこどもの反応を確認しておいた方がいいでしょう。
海外製品は、楽天やアマゾンで検索すると1本1,000円近くするんですね。国産品の発売が待たれるところです。
カテゴリー: 食べ物
国産液体ミルクが発売されます
胆振東部地震で安全だ危険だと物議を醸した乳児用液体ミルクですが、このほど江崎グリコさんから国産品の販売がされることになったそうです。
先日、その説明を聞いてきましたので分かった範囲のことをお知らせしたいと思います。
その前に、「液体ミルクってなんだ」という方のために少しだけ説明をします。
乳幼児用の食事として母乳がありますが、なんらかの理由で母乳が使えない場合や量が不足しているような場合、粉ミルクを使うことになります。
この粉ミルク、作ったことがある方ならよくおわかりと思いますが、とにかく手間。乳児でも生まれてしばらくの間は頻繁にお乳をほしがります。24時間、朝夜関係なく。
母乳であれば寝ぼけたままでもあげることができますが、粉ミルクは衛生上作り置きができないので、必要とされるたびに作る必要があります。
お湯を沸かし、粉を入れ、冷まして飲ませる。書くだけなら大したことない作業ですが、これが毎日毎回となると親も消耗します。
私自身も寝ぼけてお湯をひっくり返してやけどしそうになったり、分量を間違えたまま子どもにあげて子どもが飲めずに口からだらーっとしたようなこともありましたが、液体ミルクであれば、パッケージを開けてそのままほ乳瓶に注ぐだけなので、寝ぼけていてもなんとかなりそうです。
また、災害時には粉ミルクを作る衛生環境を維持することがかなり困難ですので、その点でも優れていると思います。
今回江崎グリコさんが作って販売しようとしている液体ミルクは、江崎グリコさんが作っている粉ミルク「アイクレオ」の液体版になるようです。
遮光性、衛生面に優れた6層のパッケージで作られた紙容器は125ml入っていて、消費期限は半年だそうです。
取り扱いは、主に乳幼児品を専門に扱う西松屋さんや赤ちゃん本舗さんなどになるとのこと。売価は1本200円くらいというお話でした。
販売開始時期ですが、早ければ3月半ば、できれば4月中には販売を開始したいとのこと。
試飲もさせてもらいましたが、味はそのまま粉ミルクのアイクレオでしたので、普段アイクレオを使っている子どもさんなら違和感なく飲めると思います。
担当の方が「母乳が一番いいのはわかってるんだけど、さまざまな事情で出ないときに活用して欲しい」とこれを作った目的をお話されていたのが印象的でした。
ただ、災害用と考えると、海外製品にあるような飲み口だけ取り付ければそのまま飲ませられるようなものも必要なのかなとも感じました。
使い捨てのほ乳瓶も一緒に展示されていましたので、ひょっとしたらセット商品も出てくるのかもしれません。
他には明治さんがスチール缶製の液体ミルクの承認を取っているそうなので、そちらもひょっとしたらそのうち登場してくるかもしれません。
議論がいろいろあるのは承知していますが、災害時に困るのは乳幼児とその保護者です。道具でなんとかなるなら、それに越したことはありません。これからもさまざまな選択肢が増えるとよいなと思います。
※2019年3月6日追記:2019年3月5日からグリコダイレクトで通信販売が開始されました。3月11日からはドラッグストアや赤ちゃん用品店などでも順次取り扱いが始まるそうです。
アルファ米を試してみるその3
防災の講演会に出かけたところ、お試し用ということで賞味期限ぎりぎりの白飯のアルファ米をいただきました。
いつ食べようかと思いながら家に帰ってくると、我が家の晩ご飯で食べるお米が一人分不足していたことが発覚!
早速、ありがたくこのアルファ米を使わせていただくことにしました。
今回の試食は所長一人でやってます。
アルファ食品のアルファ米です。
お湯を注ぎます。線までしっかりと注いだら、軽くかき混ぜて蓋を閉じて待つこと15分。
できあがりです。
アルファ米ですので、普通の白飯と比べると形がでこぼこしています。
170gで二人前ですが、お皿に盛ると大盛り一人前という印象です。
食べた感想は、少し固めで少し粘りのある普通の白飯でした。
ご飯の固さは注ぐお湯の量で調整できそうです。
おかずと一緒に食べていましたら、そのまま普通に完食していました。
もう少し何か違いがあるのかなと思っていましたが、言われなければ分からないレベルのアルファ米の白飯。
企業努力ってすごいなぁと、ちょっと感心しました。
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缶詰とレトルト食品
缶詰とレトルトパウチの食品は災害時には強い味方になってくれます。
ものによっては一度温めないといけないものもありますが、アルファ米やインスタント食品と異なり、基本的に何かで戻すことも何か加工することも必要なく開封すればそのまま食べられます。
また、さまざまな食品が提供されているので好みのものを用意することができますし、賞味期限が近づくほど味が馴染んでおいしくなる特徴があります。
今回はこの缶詰とレトルトパウチのメリットデメリットについて考えてみたいと思います。
1.缶詰のメリットデメリット
・メリット
1)保存期間が長い(3~5年程度)
2)容器の耐久性が高い(金属製の缶なので簡単には中身が出ない)
3)空いた容器が他のことに使える
・デメリット
1)重たい(金属製の缶なので、その分重量がある)
2)高い(容器分だけ値段が高くなる)
3)残った容器が嵩張る
2.レトルトパウチのメリットデメリット
・メリット
1)値段が安い
2)軽い
3)残った容器がコンパクトにできる
・デメリット
1)保存期間が短い(半年~1年程度)
2)容器の取り扱いが必要(尖ったものに当たると破れて中身が出てくる)
3)容器はタダのゴミ
現在は軽さと持ち運びのしやすさからレトルトパウチ食品に完全移行しましたが、以前は戦闘食として陸上自衛隊では缶詰の糧食セットも提供されていました。
非常食というとついアルファ米やインスタント食品に目が行くのですが、これらのレトルトパウチ食品や缶詰も取り入れることで、コストを掛けずにおいしく好みの非常食を作ることも可能です。
また、レトルトパウチ食品や缶詰は基本的に水が不要なので、準備する水の量を減らせるというメリットもあります。
せっかく準備するのであれば、日常生活にもこれらの食品を上手に取り入れて非常食にかける手間とコストを減らし、被災時でも普段とあまり変わらない食生活で気力と体力を温存していきたいものですね。
おまけですが、現在自衛隊で使っている戦闘糧食Ⅱ型(レトルトパウチ)の民生品をご紹介しておきますので、興味がある方は一度食べてみてください。
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アルファ米を試してみるその2
前回は尾西食品の五目ご飯を試してみました。味がかなり塩辛かったので、労働後には最適かなという評価でしたが、今回はアルファ食品の五目ご飯を試してみることにしました。
注ぐお湯の量は、170ml。前回の尾西食品の五目ご飯よりも10ml多いです。注ぐと、こんな感じ。
待つこと15分。開けてみます。
さて、当研究所の食いしん坊な子ども研究員達のコメントは次のとおりです。
「味が濃い」
(塩辛いのでは無く、だしが濃いのだそうです)
「柔らかいのでお年寄りも食べやすそう」
(仕上がりが普通の炊き込みご飯より軟らかい感じでした)
「んまい」
(この研究員はこれしか言わない)
ところで、パッケージを眺めていたら左の写真のようなものがついてました。
・・・ハラール認証取ってるんですね、この五目ご飯。
原材料の産地情報を示すQRコードも一緒についていました。
災害時にそこまで気にすることはなかなか難しいですが、ハラール認証や産地情報が確認できるなら、ムスリムの方も安心して食べられそうです。
また、「鍋や炊飯器でも作ることができます。詳しくはお客様相談室までお問い合わせください」との表示もついていました。
どんな風に作るのかを聞いてみたい気もしましたが、それはまたそのうちに。
高齢者などの要支援者ほど事前訓練をしっかりしておこう
最近あちらこちらで自主防災組織の立ち上げが進められています。
地域のことは地域で行うという前提の自主防災組織が編成されると、まずはその地域の避難についての計画や訓練がされるようになります。
その避難計画や避難訓練、避難所運営訓練には、いったいどんな人の参加が予定されているでしょうか。
多くの場合は自治会役員や地域の元気な人達が中心だと思いますが、高齢者や障害者といった支援の必要な方もちゃんと参加していますか?
自主防災組織が作る避難計画書では、多くの場合「避難準備・高齢者避難開始情報」が発令された段階で、高齢者や障害者と言った要支援者を最初に避難所に移動させることになっているからです。
つまり、避難所に一番最初に避難してくるのは要支援者の方々であり、恐らく一番長い時間避難所にいることになる方々なわけです。
この最初に避難してくるはずの人達も訓練にきちんと参加していますか?
「寝たきりだから」とか「足が悪いから」とか、「人が多いところへいくと何が起きるかわからないから」といって、要支援者が参加を拒んだり、参加を見送ったりしていませんか?
でも、要支援者が実際に参加しないとどんな支援や準備が必要なのかわかりません。
やってみたら、設備や資機材の関係でその要支援者がその避難所では受け入れることができないということもあるでしょう。
それは実際にやってみないとわからないことなのです。
要支援者によっては「家以外は病院でないと無理」という方がいるかもしれません。 そんな人は、ちゃんと非常時に病院に収容してもらえる手はずを整えているか、受け入れてもらえない場合はどのタイミングでどこへ移動させるのかを決めているか確認しておかないといけません。
また、避難してくる要支援者の人たちは、ちゃんと持出用防災セットを準備して持ってくることができるでしょうか?
彼らが身一つで避難してきた場合、食料や寝具といった物資の準備は避難所に備わっていますか?
準備できていない場合、どこから誰がいつまでに用意するのか、きちんと取り決めてありますか?
また、避難所内を安全に移動したり、トイレを使ったりすることができますか?
食事や寝ることが問題なくできますか?
それらはやっぱり実際にやってみないと分からない部分なのです。
いざというとき、助かろうと思って避難してきたが、自分が生きるために必要なものが何も無い避難所で死ぬことになってしまったというのでは悲しすぎます。
立場の弱い要支援者の人たちほど事前訓練が必要だと言うことを、自主防災組織の方は基本的な事項としておいてほしいなと思います。
余談ではありますが要支援者の方は生活弱者でもあるので、行政の人間が一緒に参加することで地域に隠れている、本来行わないといけないさまざまな支援ニーズを掘り起こすことも可能になります。
行政、特に福祉関係の方が参加してもらえれば、要支援者が避難所に避難できない場合の受け入れ先の問題も考えてもらえると思いますので、避難計画を作るときや避難訓練をするときには、防災関係だけで無く、福祉関係の部署にも声をかけてみてください。
アルファ米を試してみるその1
防災用品の中でよく出てくるアルファ米。
有名なところでは、尾西食品、アルファ食品、サタケなどがありますが、あなたは食べたことがありますか?
当研究所で研究員のうちの子3人にそれぞれのアルファ米の五目ご飯を食べてみてもらうことにしました。
第一弾は、尾西食品の五目ご飯。
災害イベントでは割と良く出てくる定番のアルファ米で定番のメニューです。
中に入っている乾燥剤とスプーンを取り出し、お湯を注いで待つこと15分。
できあがりは、どんぶりに軽く一杯という量。パッケージには「お茶碗軽く2杯分」と書かれています。
お茶碗に半分ずつ、4等分して試してみた子ども達の感想は
「味がしっかりしてる、というか、濃い」
「ちょっと堅い。お年寄りは食べづらいと思う」
「んまい」
とさまざま。
少し芯があるような堅さに仕上がっているのは、お湯の量の問題かもしれません。
規定量で作ると堅めに仕上がる感じですので、柔らかいのが好みの方は、お湯を気持ち多めに注げば、うまく食べられるのではないでしょうか。また、五目ご飯は全体的に味が濃いというコメントを他の人からももらったことがありますので、薄味が好みの方は、白ご飯と合わせて作るのもよいと思います。
若い人や汗をかくような仕事をした後などは、恐らくかなりおいしいのではないかと思います。
ここのメーカーさんはいろいろな味を出しているので、自分の好みにあったものを見つけてみるのもいいかもしれません。
最後に詰め合わせセットをご紹介しておきますので、興味がある方はぜひ一度試してみてください。
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食事の問題を考える
1日くらいは興奮や不安で食事が喉を通らないかもしれませんが、時間が経つと、どんな状況であれお腹が空いてくるものです。
その時、自分がいかにきちんと食事ができているかで、それから先の気力や体力に大きな違いが出てきます。
ここでは生きるために重要な食事について考えてみたいと思います。
1.非常食は何を準備しておこう?
災害に備えて持出用防災セットを作るとき、割と多くの人が悩むのがここの部分です。
インターネットで「非常食」と検索すると、アルファ米やビスケット、クラッカー、乾パンといった乾燥しているものか、カロリーメイトやシリアルバー等の栄養補助食品、飴・羊羹・チョコレートといったおかしで高カロリーのものが検索の上位にきます。
どれも非常食として頼もしいものですが、これらの非常食をうまく使うためには「水」が必要です。
一般的には1日3リットル必要といわれていますが、これは食事から摂取する量とあわせてのものですので、例えば水気の多いレトルトおかゆなどを持っている場合には、その分水を減らすことは可能です。
水を準備した上で、自分が持ち歩ける量の非常食を考えていけばよいと思います。
非常食にもっとも必要な事は「自分が食べて元気になれること」です。
あなたが普段よく食べているものの中から選ぶのがよいかもしれません。
例えば、ナッツ類や乾き物といったお酒のおつまみもカロリーが高くて食べやすいですからお勧めです。
自分が好きなものや食べやすいものを中心にして準備し、新しいものを買ってきたらストックから出して食べる。
数日持てばいいのですから、そんな風に管理していれば消費期限切れも起こさずにすみます。
そうそう、避難先で火が使える環境とは限りませんので火を使わなくても食べられるものの方がいいと思います。
また、非常食は一般的に高カロリーですので、持出用防災セットには歯磨きセットを必ず入れておくようにしてください。
2.配慮の必要な人の食事
もしあなたや家族がミルクや離乳食、介護食やアレルギーなど食事に配慮の必要な人であるなら、支援物資をアテにせず、あらかじめ自分で準備しておく必要があります。
食料は支援物資の中でも最優先に指定されているもので、必ず送られてきます。
ただ、大量の食料を短時間で発送する関係上、残念ながら健康な成人対象のものばかりで、配慮は期待できません。
そのため、身体の都合で食べられないものがある人は、自助で備えておく必要があるのです。
最近は液体ミルクやレトルト離乳食、レトルト介護食やアレルギー対応された非常食も販売されていますので、自分にあったものを選んでストックしておきましょう。
また、ストックした食料や水は必ず食べる人に試してもらっておいてください。
普段は母乳や手作りのものを食べていても、災害が発生すると母乳が出なくなったり、手作り食を作る場所や材料がないことが発生します。
そのとき、非常用に用意しておいた既製品に切り替えると、味や喉ごしなどの問題で食べられなかったりするものがあるからです。
あらかじめ試しておくことで、いざというときに必ず使えるものが準備できます。
また、成長や症状の変化によってもストックすべき食料は変化していきます。
新しいものを買ったらストックから使うようにし、いつも適したものがストックされているようにしてください。
ところで、粉状の授乳用ミルクの調製や離乳食・介護食についてはお湯や温めができないと困るという問題が発生するかもしれません。
そんな場合には、火を使わなくても温められる「ヒートパック」「湯沸かしボックス」といった発熱・加熱剤を使うことも考えてください。
これは発熱に水を必要としますが、避難先で授乳用ミルクなどお湯が必要な場合にはこの発熱・加熱剤を使うことでお湯を作ることが可能ですのでお勧めします。
また、不安なときに飲む一杯の暖かな飲み物はそれだけで緊張をほぐし、安心できるものです。
非常食を準備する際には、そのあたりも考えておくとよいでしょう。
3.ストックで気を付けておかないといけないこと
災害時に支援物資として提供される食事は、どうしてもおにぎりやパンといった炭水化物中心の食事になります。
避難所の開設が長くなると、災害支援用に特別に作られたお弁当が配布されるようになりますが、やはり野菜が不足しており、衛生管理上の問題からかなり冷えているものが提供されます。
火が使えるようになったら、それらの支援物資に加えて切干大根や干し椎茸、高野豆腐、お麩といった乾物を使った汁物をぜひ添えてください。
できれば野菜や魚介類や肉類の缶詰、レトルトパックなどを使ってもう一品、、不足する栄養素を補充するようなおかずが作れるとよいですね。
また、生鮮食料品が不足しがちになることから、ビタミン不足による口内炎や肌荒れなど身体の内外でさまざまな不調も発生してきます。
それらを防ぐために、粉末状の緑茶や青汁、野菜ジュース、ビタミン剤などもストックの中に加えておいてください。
実際のところ、非常食からいつものご飯にいかに早く復旧できるかが、体力と気力を維持するのに重要になります。
非常食のストックをすることはもちろんですが、保存食品でどういう風に作ればいつもの食事に近づけるかについても、いろいろとやってみてはいかがでしょうか。