【お知らせ】ペット防災講習会を開催します。

能登半島で起きた大きな地震に被災された方にお見舞い申し上げます。

まだ全容がわかっていない状態ではありますが、現地の一刻も早い復旧と災害関連死がでないことを願っています。

ところで、災害のたびに問題にされるのがペットのことです。

もしあなたのおうちにペットがいたとしたら、災害発生時にそのペットをどうするかを考えたことがありますか?

また、避難してくるペットを受け入れる避難所や自主防災の方は、そのとき自分たちがどのようにすればいいのか、しっかりとわかっていますか?

今回はNPO法人人と動物の共生センター、NPO法人全国動物避難所協会の理事長である奥田順之先生とオンラインでつないでペット防災について一緒に考えてみたいと思います。

後半では、「ペットの防災・あなたの防災」として、いざというときを想定したワークショップを行います。

申込不要で参加費は無料となっていますので、この機会に災害時のペットについて考えてみませんか?

あなたのお越しをお待ちしております。

日時:2024年1月27日13時30分~15:30

会場:島根県芸術文化センターグラントワ多目的ホール

参加費:無料

※詳細はチラシをご確認ください。

【活動報告】高津小学校の避難訓練を見学しました

2023年11月7日に益田市立高津小学校で開催された避難訓練を見学させていただきました。
この小学校では年に2回大規模な避難訓練をしているのですが、今回は国道9号バイパスの脇に作られた緊急避難場所に生徒の半分が避難するということで、元々計画されている翔陽高校の校庭と二手に分かれての避難となりました。
地震発生、校舎からの避難、そして津波発生に対して高台への避難と3つの課題をどうやってクリアするのかを見ていきましたが、地震発生想定時に何の退避行動もとらないクラスがあったり、整然と並んで避難させようとしたり、校庭で全員が揃うまで待つなど、学校の訓練ならではの光景を見ることができましたが、生徒よりも先生の訓練について、少しやり方を変える必要があるのではないかと感じました。
また、今回避難場所として避難してみた、道路わきに作られた緊急避難場所は、ただの場所提供のために簡易照明以外何もないスペースです。
管理者が国土交通省となるため、市役所も具体的な何かができるわけではないとのことで、ここに避難した後、どのように移動してどのように引き続きの安全を確保し続けるのかについて行政機関同士の調整も必要なのかなという印象を受けました。
ともあれ、毎回、訓練のたびにいろいろな改善点を講評として挙げており、ほんの少しずつですが改善はされてきています。
せっかく訓練するのですから、訓練のための訓練ではなく、自分の安全を確保するための訓練になるといいなと思っています。
今回避難訓練の見学のお声がけをしてくださった高津小学校の先生方に感謝いたします。

【活動報告】「みんなで楽しくまなぼうさい!」のお手伝いをしました

 2023年10月14日に山口県萩市の萩市立児童館を中心に開催された「みんなで楽しくまなぼうさい!」のお手伝いをしました。
 元々は理事長の個人的な趣味でお手伝いに出かけたのですが、人員が足りないということで遊びに来てくれた当研究所の会員さんに急きょ応援をお願いし、当研究所もイベント参戦という感じになりました。
 担当部署は「煙中体験」。テントに煙を充満させてそこからできるだけ煙を吸わずに出口まで通り抜けるというもので、火事などのときに実際に煙に巻かれるとどんな感じになるのかを体験する施設です。


 今回はわくわくキッズフェスタ2023と同時開催ということもあって、小さな子から高齢者の方まで、総勢450名を超える方に煙中体験をしていただくことができ、楽しみながら災害対応力を学ぶという目的が達成できたのではないかと思います。

 萩では比較的さまざまなイベントで防災の普及啓発に取り組んでいるようですので、また機会があればさまざまな形でお手伝いしたいと思っています。
 お手伝いさせてくださった萩子どもセンター様、萩市防災危機管理課様、一緒に活動してくださった皆様、そして体験に参加してくださった皆様に、厚く御礼申し上げます。

【活動報告】すみれ保育園の避難訓練の支援をしました

 去る6月23日、益田市のすみれ保育園で実施された避難訓練の支援をしました。
 この保育園は地震から津波発生に備えた大規模な避難訓練を毎年やっていて、ここ数年は当研究所もこの避難訓練の支援を行って、善かった点や問題点、改善点などを報告書として保育園に提出しています。
 この報告書は職員会議で共有されていて、毎年しっかりとした改善がされていますので、いざというときの対応はかなり的確に行われると、参加するたびに感じています。
 今年も大地震から津波発生、高台への避難という訓練を実施。総勢50名以上の園児の皆さんが、保育士の先生たちに誘導されて近くの益田東中学校に移動していました。
 保育士の先生たちは避難準備をしながら子供を見て、安全確認をしながら誘導をして、と目まぐるしく動く状況の中を的確に行動していく力量が求められます。
 こういった大規模な訓練を実地でやっていれば、訓練でさまざまな事態に出会いますから、本番でも慌てずに対応ができ、子どもの命も先生方の命もしっかりと守れるのではないかと思っています。
 今回もさまざまな改善点はありましたが、改善点は出て当たり前で、時代や状況、想定によってどんどん改善していくことで、災害に強い、命を守れる保育園になってもらえることを願っています。
 いつも聞かれるのですが、実は訓練で何も問題が出なかった方が問題です。
 訓練で問題が出ないというのは、すでに予定調和で訓練をしているということなので、本番ではほとんど役に立ちません。
 いつもの状況から非常時に切り替え、非常時の対応を行うことが、本当の訓練なのではないかなと思います。
 実は、事前に避難経路の安全確認をする方法についてお問い合わせがあったので、無線機を使う方法を提案し、当研究所の無線機をお貸ししたのですが、お貸しするときに設定を間違えて、保育園さんが避難経路の確認で出動させた先生と避難に備えて待機している本体との連絡が取れなかったという問題を起こしてしまいました。
 でも、このことについても、訓練後にどのようにすれば問題が回避できたのかについての検討事例として、先生方が話し合ってくれ、どんな状況でも安全確保という姿勢はブレないなという強い印象をうけました。
 益田市内にはたくさんの保育園があり、それぞれに創意工夫を凝らした保育を行っています。
 でも、災害に備えて、しっかりと子供たちと一緒に実地で訓練をし、専門家を入れて改善点や修正点を見つけ、より安全確保をしようとしているところはそんなにないのではないかという気がします。
 保育園を選ぶときには、普段の保育はもちろんですが、こういった非常時の体制がどのようになっているのか、そしてきちんと対応するための訓練ができているかも確認しておくといいかもしれません。
今回お声がけいただきましたすみれ保育園の先生方、一緒に訓練をしてくれた園児の皆様に感謝します。

古い神社は避難所です

 もしあなたの周りに古い神社があったとしたら、そこはさまざまな災害からあなたを守ってくれる場所になるかもしれません。
 工事などで神社が移転した場合を除くと、古くから神社がある場所は周囲に比べて安全な場所にあるはずです。
 というのも、神社のご神体ががけ崩れで埋もれたり水害で流されたりした後、二度と同じ事態にならないように、多くの場合それらの被害に遭わなかった場所に神社が移転しています。
 その結果、古い神社は周りで一番安全な場所に動いていき、被害のない場所に鎮座したのです。
 そういう経緯から、氏神様を祭る神社は、少し前の時代までは避難所の性格も持っていました。いざというときに安全に逃げ込めるように、参道の掃除は欠かさなかったですし、避難所のような公共性のある建物だからこそ、建て替え時には周辺の家々に寄付が回ってきていたのです。
 太平洋戦争のあとの政教分離と、無神論の広がり等に伴って、多くの神社が宮司も氏子もおらずに朽ち果てていっている現状ですが、避難所と考えて、そういった場所の整備をするのもありなのかなと思います。
 宗教的なあれこれは置いておいて、もしあなたのいる場所が安全な避難場所や避難所から遠いのであれば、近くの古い神社を選択肢にしてもいいのではないでしょうか。
 ちなみに、古くても合祀などで移転している場合もありますので、事前にハザードマップなどで安全かどうかは確認しておいてくださいね。

我が家のBCPを作ろう

 防災用語として割と定着した感じのあるBCP、事業継続化計画といわれますが、何か不測の事態が起きた時にでも事業を継続できるような段取りを可視化しておくものです。
 学校や施設、企業などで作っているはずですが、行政や業者の作ったひな型に文字を入れて、内容の確認も検証もせずに備えていますというところが山ほどあります。
 実態に即していないBCPはいざというときに助けにならず、逆に邪魔になることが多いのですが、今回はそれに対する文句を言いたいわけではありません。
 今回は、おうち版のBCPを作ってみないかというお話です。
 おうち版BCP、一時期FCP(ファミリー・コンティニュー・プラン「家族継続化計画」)と呼ぶ人もいましたが、結局定着していないようなのでおうち版BCPとしてここでは説明をします。
 内容は「誰がどこにいるのか?」「どこにいるときにはどこへ避難するのか?」「災害が落ち着いたら、どこで合流するのか?」「連絡手段はどうするか?」「収入はどのようにするか?」など、被災しても家族が安心して避難し、災害後、日常生活を取り戻すまでに必要な段取りをきちんと決めておくことです。
 これを作ることによって、いざというときに自分がどこへ避難するのかや他の人がどこに避難するのか、どうやって連絡を取り合うのか、どこで家族がまた一緒になるのかといった、災害後に問題になる部分が解決できます。
 家族と普段から生活している場合には、災害発生時にどうしても自分以外の家族が気になるものです。
 子どものいるおうちだと、子どもを引き取りに学校などに出向くということがあるかもしれませんが、迎えに行く人や迎えを待っている人が被災するかもしれません。
 でも、もしも災害発生時に子どもがどこかへ避難することを決めているのであれば、子どもはそれに従って避難しますし、危険を冒して迎えにいかなくても、状況が落ち着いてから避難先に迎えにでかけてもいいのです。
 BCPと避難計画が決定的に違うのは、避難計画は避難完了までが目的であるのに対して、BCPは避難完了後、日常生活を取り戻すまでの手順を作っておくことが目的であることです。
 作る時には、ご家族みんなであれこれ話しながら作ってください。そうすることで、参加した人は自分のこととして受け止めることができ、いざというときにもきちんと行動をしてくれます。
 我が家のBCP、作るのは結構大変ですが、ご家族の行動範囲や活動内容、生活習慣を再確認することができるので、作った後は悩んだり迷ったりする必要がかなり減ります。
 作ることが難しいなと感じたら、BCPについて書かれた書物を調べたり、BCPを取り扱っている業者などに相談してみてもいいと思います。
 当研究所でもお手伝いできますので、興味のある方がおられたらご連絡をください。
 我が家のBCP、作ってみてくださいね。

おうちテントで避難訓練

 ゴールデンウィークに入りましたが、お休みの方、お仕事の方、それぞれだと思います。前半は天気が割とよいとのことなので、外のイベントに参加する方も多いのではないでしょうか。
 ただ、後半は天気が悪くなり、ところによっては大しけになるという予報が出ていますので、外あそびが難しい日もありそうです。
 もしもお手元に自立型のテントがあるなら、それを使って家の中でおうちキャンプをやってみてはいかがでしょうか。
 手持ちのキャンプ用品を使って、家にいながら家の道具は基本的に使わない、屋内でのキャンプ体験です。
 電気やガス、水道、トイレなどは、その気になればいつでも普段の生活に戻すことができますし、その気になれば手持ちのキャンプ用品だけで家の中でのキャンプ生活を体験することもできます。
 子どもさんがいれば、多くの場合は大喜びして楽しんでくれると思いますので、お出かけが難しい方でも、おうちレジャーとしてやってみたらどうでしょうか。
 実は、これは災害時の避難訓練にもなっています。
 雨漏りや窓ガラスなどの飛散、物の散乱などで自宅では普通の生活ができない場合でも、テントがあればちょっとした片付けさえできればそのまま家を避難所として使うことができます。
 平時にいろいろと試しておけば、災害時にも慌てずに自宅にそのまま住み続けることも可能になるのです。
発災後の避難所は、その地域の人がすべて避難してきた場合にとても全員を収容することはできません。ましてや、快適な環境などは得ようもありません。
 テントやちょっとしたおうちキャンプを重ねていれば、いざというときでも家や庭などで避難生活をすることができますし、避難所に避難しても、敷地やその周りでのテント生活がさほど抵抗なくできると思います。
「おうちテントで避難訓練」
 面倒も難しくもなく、簡単にできてかなり効果のある楽しい訓練。あなたも一度試してみませんか。

【活動報告】よつばキッズスクールの避難訓練を見学しました

 民間学童に限らず、児童の集まる施設では避難訓練を行うこととなっていますが、今回は益田市の民間学童保育であるよつばキッズスクール様の避難訓練を見学し、そのうえで避難についてのお話をしました。
 初期消火と避難では、まずは避難、火が小さかったり、消火できる余力があれば消火作業を行うことになりますが、よつばキッズスクールの避難訓練では、実際に学童保育の先生が初期消火の対応訓練もされています。
 子供たちは初期消火中に屋外へ避難し、なるべく出火現場からは離れる行動をとります。
 家庭用の火災報知機の警報音を聞いた子供たちはきょとんとする子も多かったですが、先生の「火事だ!」という声で一斉に避難を開始。避難する児童の中には口元に袖口を当て姿勢を低くして素早く移動する子も見られ、かと思えばなかなか避難しない子もいて行動に差が出ていました。
 訓練後のお話の中では、学校と家庭用の火災報知機の音の違いや、とにかくどこでもいいから出口から出て屋外へ逃げることを説明しました。
 子どもからは「避難するときには履き替えなくてもいいのか?」という質問も出され、履き替えずにそのまま避難することをお願いしました。
 実際の訓練の通りに本番でも行動すると思われますので、できれば訓練でも素足や上履きのまま外へ避難することも必要なのかなと感じました。
 また、子どもが火災を発見した時に周りに大人がいない場合も最近では多くなってきていますので、子ども達でも初期消火できる、または火を出さないための教育についても考えていった方がいいのかなという気がしました。
 今回、避難訓練について快く見学を許可くださいましたよつばキッズスクール様と、そこに通っている児童の皆様にこころから感謝いたします。

大人の訓練、子どもの訓練

 防災活動の一環として、避難訓練などの支援をすることがあります。
 支援というのは、避難訓練のタイムスケジュールや訓練時の状況作成、訓練後の講評などさまざまですが、このうちで、一番喜ばれないのが訓練講評です。
 講評をするにあたっては、人の命を守るべき仕事のある人には厳しく、自分の命を守ればいい人はそれなりに見ていくのですが、どんなに頑張ったとしても、必ず一つや二つの修正点、改善点は発生します。それを指摘して改善や修正方法を提案するのですが、これを「あら探し」と感じる人もいて、非常にやりにくいことがあります。
 大人だけや子供だけの訓練はそれでも比較的楽なのですが、大人と子供が入り混じった訓練になると、途端に大人が傍観者になって参加している子どもたちの講評を始めてしまいます。
 そういった人は、たいてい自分の訓練が満足にできていない方なので、どうしても辛口の評価になってしまい、後で怒られることもしばしば。
 大人と子供が入り混じった避難訓練では、大人は子どもの講評ではなく、安全を確保するための誘導をしてほしいのですが、なぜか大人が指示を出し、子どもがそれに従って全員死亡の評価になったりするので、本当に難しいなと思います。
 大人であれ子供であれ、自分の命を守るのは最終的には自分でしかできません。他人に命を預けてはならないのです。
 本当は防災訓練でそういったことを徹底したいのですが、大人は指示慣れ、子どもは指示待ちになってしまっている場合が多いので、普段の生活を変えなければ、災害時に助かる人を増やすことは難しいのかもしれないなと思うことがあります。
 大人だけ、子どもだけの訓練ではこういったことは発生しないので、混ざったときにどうやって生き残るすべを身に着けてもらうのか。
 これができたとき、東日本大震災で子供達の避難が大人も救ったような状況が作れるのにと、少しだけ歯がゆい思いもしています。
 どのようにしたら大人も子供も一緒になって助かることができるのか、試行錯誤は続きます。

防災散歩のススメ

 新しい生活環境になった人も多いと思いますが、住み始めた地域のハザードマップは確認しましたか。
 地域によってはすでにハザードマップを配られなくなっているところもあるようですが、国土地理院の重ねるハザードなどを利用して、住んでいる地域のハザードはしっかりと確認しておいてください。
 そして、お休みの時にでもハザードマップを持って実際に地域を歩く防災散歩をしてみてください。ハザードマップを見ながら歩いてみると、ハザードマップを見ているだけではよくわからないことがたくさんわかります。
 また、歩いてみると安全な場所や危険な場所が案外たくさんあることに気づくと思います。
 ついでに地域の特性や地形などもわかりますから、時間を見つけては防災散歩をやってみることをお勧めします。

国土地理院「重ねるハザード」