防災の優先度

 災害対策について尋ねると、ほとんどの人が対策は必要といいます。
 では、自分が対策できているかを尋ねると、ほとんどの人ができていないと答えます。必要だけど対策はしていない、なんとも不思議な感じがしますが、「重要だが緊急性が低い」と考えられていると思えば、この結果はなるほどなと思います。
 重要で緊急性が高いものはすぐに対策をすると思います。例えば、直撃しそうな台風や確実に大雨になる場合には重要で緊急性が高くなるので災害対策を行う人はたくさん出ると思います。
 でも、例えば地震対策となると、重要ではあるが緊急性があるのかという疑問が出てくるようです。また、自分が生きている間には地震は起きないと思っている人もいるかもしれません。
 実際のところ、地震は一度対策するとそれ以上の手はかからないのですが、手間とお金がかかるのがわかっているために手をつけていないのかなと思います。
 いろいろなところでお話してみると、ゼロからプラスにすることには熱心でも、マイナスからゼロにするという作業は嫌な人が多いようで、それも対策が進まない原因なのかもしれません。
 やらないといけないことはわかっているが、日々の生活の方が忙しい。それが多くの人の本音だと思います。
 でも、大きな災害が起きると日常生活は吹っ飛んでしまいます。吹っ飛んだ日常生活をいち早く取り戻せるのは、きちんとした対策が必要となります。
 常に防災の緊急度を上げておく必要性はないと思いますが、時々防災の緊急度を上げ、その時にさまざまな対策をしておいてほしいと思います。