被災地外でできることとしてはいけないこと

 大規模な災害が起きると、その地域の人の手助けがしたいと思う方も多いのではないでしょうか。
 東日本大震災の後、しばらくはあちらでもこちらでも募金活動をやっていて、募金する人が寄付疲れを起こしてしまうようなこともありましたが、大規模な災害のあと、被災地が復旧・復興するための支援はさまざまな形でできます。
 被災地への支援というと、多くの人は直接的な支援ということで現地ボランティアや支援物品の送付を行ってしまいますが、これらは現地の受け入れ態勢ができていないとかえって混乱を起こしてしまいます。
 もしも直接的な支援をするのであれば、現地の受け入れ態勢が整ってから支援を開始してください。
 少なくとも大規模災害の場合には、災害発生から3日間程度は現地の混乱や救助作業が優先されることから、素人が現地入りしたり、支援物資を送られても道路や物流に混乱が生じるだけで被災地に負担をかけるだけです。
 特に支援物資を送るのはご法度です。
 SNSやマスメディアで「〇〇が不足している」と報じられても、個別に自力で現地に持ち込める人以外は絶対に送ってはだめです。
 物流に負担をかける上に、届いたころには現地で必要なものは変わっています。
 そして、どうかすると届いた時には腐ったり痛んだりしていることもありますし、大量に余ったものは現地で処分することになって余計な負担をかけることになります。
 同じ物品を送るのであれば、例えば大手通販サイトがやっているような、被災地から要求された物品を購入して届けてもらうようなシステムを活用してほしいと思います。
 また、被災地の復旧・復興は非常に時間がかかります。
 一過性の寄付だけではなく、被災地の物品を購入したり、被災地の被害から復旧したところへ旅行に出かけてみたりして、直接的・間接的に被災地にお金が回るようにしてください。
 継続して支援することが、被災地の復興にはもっとも大切になります。
 そしてもっとも難しいのも、この継続してする支援で、どこまで、いつまで続ければいいのかはあなたの判断次第です。
 被災地への支援は有形無形、いろいろとできますので、できる範囲で、できることを、現地に負担をかけない形でしてほしいなと思います。