災害報道のワナ

 大規模な災害が起きると、マスコミ各社はこぞって被災地へ押しかけ、ありとあらゆる情報を得ようとします。
 報道の自由という言葉があるとおり、活動自体は自由なのですが、ちょっとだけ考えて欲しいことがあります。
 それは、視聴者は提供される情報を選べないということ。
 マスコミの特性として、よりセンセーショナルな報道をしようとする傾向があります。被害の大きい現場とそうでない現場があったとしたら、被害の大きな現場を報道したがるのです。
 その結果、被害の大きな報道されたところばかりに支援が集まり、他の場所は置き去りにされてしまうという事態が発生します。
 例えば、2018年の西日本豪雨では報道の繰り返された岡山県倉敷市真備町と広島県呉市天応地区には大量のボランティアが集まりましたが、それ以外の被災地域ではボランティア不足という深刻な問題が発生しました。
 報道の仕方だけではないと思いますが、マスコミの人には気をつけてもらいたいなと思う部分です。
 センセーショナルな絵は視聴率という数字を稼ぐ元になります。
 ですが、災害報道に関しては視聴率を追うのを止めて、現地の状況を公平に、冷静に息長く伝えていって欲しいなと思います。