火山登山と監視体制

大平山から見た男三瓶山

 最近火山活動が活発化しています。
 福徳岡の場や西の島、硫黄島などでかなり活発に造山活動が起きていますし、本日2021年10月20日午前11時43分には阿蘇山で大きな噴火がありました。
 登山していた方に被害はないとの報道もありますが、大きな被害が起きないことを願っています。
 ところで、日本は火山大国なのをご存じだと思いますが、火山だと言われている山がどれくらいあるかご存じですか。
 気象庁によると、現在日本にある火山活動をする可能性のある山、いわゆる活火山は111峰。
 中国地方では三瓶山と山口県の阿武火山群が指定されています。
 この中で、噴火が起きるかもしれないということで常時監視対象になっている山は50峰。
 こちらには三瓶山も阿武火山群も対象に入っていません。

阿武火山群の笠山


 本来は活火山は全て対象にすべきなのでしょうが、観測するための予算も火山学者も足りないことから地元自治体及びその火山のある管区気象台がリモートで監視しています。
 ただ、観測して予兆があっても、それが噴火の予兆なのかどうかという判断は難しく、正確な噴火予知ができていない現状があります。
 その結果起きたのが2014年の御嶽山噴火での登山者の犠牲ですが、そういった災害が起きても状況はあまり変わらず、現在に至っています。
 ちなみに、三瓶山や阿武火山群では、何か異常が起きると観測機材を持ってきて監視を始めるという体制になっていますが、実際にしっかりとした観測体制を取ることが可能かどうかはその時になってみないとわからないと思います。
 今回の阿蘇山の噴火では警戒レベル1で噴火が起きました。御嶽山の噴火でも噴火直前の警戒レベルは1。
 ただ、事前に火山性地震は観測されていますので、こういった山を登山するときには、噴火警戒情報だけに頼るのではなく、そこで何が起きているのかを調べた上で出かけることが重要だと思います。