地震対策、何からしよう(後編)

 昨日は家そのものの耐震補強と家具類の固定について説明しました。今回はその続きからです。

3.照明を考える

LED式の天井直付け照明の一例。片手で持てるくらい軽い。

 最近では減ってきているようですが、多くの日本式家屋では照明がペンダントとして天井からぶら下がっています。
 地震で揺れると、このペンダントも併せて揺れます。これが天井などに当たると割れてあたりに散乱することがあります。
 また、それなりの重さもありますので、天井から外れて落ちたときに下に人がいると大けがをすることになります。
 可能であれば、LED式の天井直付け照明に交換することをお勧めします。
 LED式の天井直付け照明は軽いですから揺れても簡単に落ちることはありませんし、万一落ちても大けがをする可能性は低いです。
 明るさという点からも、省エネという点からも、できるのであれば交換してはいかがでしょうか。
 どうしてもペンダントが好きという方は、ペンダントの笠を揺れないようにピアノ線などで天井に固定しておきます。
 笠が揺れなければ過度な重さがかからないため、重たいペンダントでも落下する危険性は低くなります。
 また、もしガラスの笠を使っている場合には、プラスチックなどの笠に交換するだけでも効果はあります。
 ただし、中の照明が白熱球の場合にはプラスチックなどが溶けて火災になる可能性もありますので、交換するときには充分気をつけて下さい。
 いずれにしても、照明器具を交換する場合には、一度電気屋さんに相談することをお勧めします。

4.ものを固定する

普通のアイテム類なら耐震ジェルに載せたかごに入れておけば安心。

 何も置かないのが理想ですが、普段の生活でお花を活けた花瓶や絵画、掛け軸などを飾ることや金魚や熱帯魚などの水槽を置いたりすることも生活の中の潤いとして当然あると思います。
 置くことはまったく問題ないと思いますし、災害対策のために生活が味気なくなるのでは意味がありません。
 ただ、これらのものもきちんと耐震化しておくことが大切です。
 花瓶や置物は、美術館などで使われている耐震ジェルを使うとしっかりと止まりますし、絵画や掛け軸などは、複数箇所を固定することで揺れるのを防げば飛んだり落ちたりすることを防げます。
 水槽はサイズや置く場所によって対応が異なってきますので、抱えて持てないサイズの水槽の場合には業者の方に聞いてみることをお勧めします。
 基本は「揺れない・飛ばない・倒れない」です。このことを考えてものを配置していただければと思います。

まとめ

 地震対策というのは、要するに揺れ対策です。
 ものを置くとき、移動させるときに「もしも揺れたらこれはどうなるだろうか?」と考えて配置をしておくと安心だと思います。
 「揺れない・飛ばない。倒れない」をイメージして地震対策をしていただければと思います。