子ども達と話をしていると、年齢が高くなるに従って危険の予知力が落ちてきている気がします。
小さい子だと素直に危ないと感じることでも、年齢が高くなるといろいろな理由を考えて「危なくない」という結論を出そうとしているように見えるのです。
「怪我は許さない」「危険な目に遭わないように」という世の中の方針が間違っているとは思いませんが、ありとあらゆる危険を排除して生活していると、危険を感じる能力が低下してしまいます。
子どもだけでなく大人も同じで、危ないということが理解できない人達が増えています。
その結果が、増水する川の中州でバーベキューしたり、雨の山の鎖場で滑落したりすることに繋がっているのではないでしょうか。
筆者個人としては、無防備な危険は避けるべきだと思いますが、制御された危険は小さいうちにしっかりと体験しておくべきだと考えています。
死なない程度の危険を繰り返して体験しておくことで、自分で安全か危険かの判断ができるようになっていきますから、危険なことは危険であることを教えた上で体験させておく必要があるのではないでしょうか。
「刃物は危険だから使わせない」が進むと、いざ刃物を使うときにやってはいけない危険で致命的なことをやってしまいがちです。
川や水の流れの怖さを知らないと、増水している川で平気で遊んだりします。
危険を予知する能力は、ある程度危険な体験をしないと育たない。そのために制御された危険をしっかりと体験すべき。
災害対策も同じで、そのために体験型の防災センターや起震車などが活躍しています。体験をしておけば、いざというときに必ず役に立ちます。
危険を予知する能力を上げるためにも、さまざまな野外活動に参加したり、防災体験をしてほしいと思います。