ここ最近の強烈な災害と発生している被害を考えれば、災害で発生する被害を皆無にするのが防災の仕事だと考える人はずいぶん減ってきたように感じていますが、「防災」つまり「災いを防ぐ」と書くと、災害からは100%守られるようなイメージを持たれてしまいます。そこで最近は「減災」という言い方に変わってきました。「災いを減らす」ことで、なんとかならないだろうかといったところでしょうか。
もともと災害対策というのは「1.人の命を守る 2.人の財産を守る」ということを目的にして行われていますが、その前提条件は「避難するための時間を稼ぐ」こと。どんなに大規模な防災工事であっても、避難しなくてすむための工事というわけではないのです。なのに「避難しなくてもいい」と思い込んで災害に巻き込まれてしまったり、妙な安全神話が生まれてしまったりするのは、もしかしたら防災という言葉を使っていることに問題があるのかもしれません。
ともあれ、災害対策というのはあくまでも人の命を守るための時間稼ぎをしているものだと考えて、危険な状況になりそうだと思ったら、早めに安全な場所に避難して自らの命を守ってください。あくまでも、自分の命を守るのは自分自身です。