テクニックと備え

 防災の準備というと、なんとなくアウトドアやサバイバルというイメージをされる方もいらっしゃると思います。
 実際、「災害に備える」というようなタイトルのついた本やネット情報では、「水を浄化する方法」や「火を起こす方法」などが書かれていて、見るとかなりハードルの高い内容が書かれていることが多いです。
 ただ、これは災害時にそうしなければならないということではなく、災害時にはこういった方法もありますよという技術として知っておいた方が良い内容でしかないということを意識してほしいなと思います。
 例えば、火の起こしかたでも、ペットボトルや虫眼鏡、木の摩擦やファイヤスターターなど使わなくても、マッチやライターがあれば簡単に着火することができます。
 また、田舎ならともかく、大都市のど真ん中で裸火を使うことができるのかという疑問もあります。
 水の確保でも、高価な浄水器があれば確かに便利ではありますが、その値段で1週間分の飲料水が何本買えるかを考えたら、お水を買ってくる方が現実的かもしれませんし、そもそも浄水器で浄水して飲める水が確保できるのかという問題もあるでしょう。
 技術として知っておいたほうがいいとは思いますが、実際の準備としてはなるべく普段の生活と変わらないものを用意しておくということが重要だと思います。
 ペール缶コンロを作ったり使ったりするのは自信が無くても、カセットコンロなら簡単に使えるのでは無いでしょうか。
 また、飲料水もあらかじめ飲める水を用意しておけば、飲料水の確保であくせくする必要はなくなりますし、長期保存の水で無くても、普通に売っているお水を買い足していけば安く確実に更新をすることも可能です。
 このホームページでも空き缶を使ったご飯の炊き方を書いていたりしますが、鍋があればより確実に安全においしいご飯を炊くことが可能です。ポータブル電源が確保されているのなら、電気炊飯器を使うことも可能でしょう。
 災害の準備は、自分の普段の生活を維持できるための装備を用意すればいい話ですし、、予算の都合などで普段の生活が維持するための準備が難しいようなら、どのようにすれば代わりが用意できるかを考えて準備しておけばいい話です。
 「防災」というと皆さん難しく考えるのですが、要するに「普段の生活を確認し、状況が変わってもいかに質を落とさずにすむか」ということを考えて備える作業なので、難しく考えずにできるところから備えていけばいいのではないかと思っています。