非常食に駄菓子を加えてみる

 災害時に食べる非常食というと真っ先に思い浮かぶのが乾パンやクラッカー、ビスケットといった「乾パン類」だと思います。
 最近ではアルファ米やフリーズドライ食品なども出てきていますが、災害発生中は環境の変化や疲労感、不安感によりなかなか食事をしようという気にならないものですし、避難していると調理する場所や材料もなかなか手配しにくいものです。
 そのため、ちょっとつまめるものという感じの乾パン類は現在でも非常食として役立つものです。

 ただ、これらの食品はいずれも食べるのに水分が必要ですので、お茶やお水といったものも一緒に用意しておかないといけません。
 それならいっそのこと駄菓子も追加してみませんか。
 乾パン類は食べられなくても、「自分が好きでなんとなくつまめる駄菓子」ならなんとなく手が伸びて食べているものです。
 「甘さ」「酸っぱさ」「塩気」「苦み」「うま味」の5つの味覚を考えて数種類準備しておくと、気分によって食べられないという事態を減らすことができます。
 ジャムやはちみつや練りようかん、カリカリ梅やにぼし、おしゃぶり昆布など、単品ではなくいくつかを混ぜ合わせて準備しておくと安心です。

無意識に手が伸びるようなお気に入りのお菓子だと、緊張や不安を和らげてくれます。
もちろん非常用持ち出し袋には歯磨きセットも常備しておきたいですね。

 個人的にははちみつや小分けのジャム、ウィダーインゼリーのようなゼリー、食塩・油無添加のナッツ類あたりもお勧めです。
 これらを上手に使うことで不足しがちな栄養素を補い、仮に乾パン類が食べられなくても「何も食べていない」という事態は避けることができますし、避難している人たちが同じようにさまざまな駄菓子を持ち寄っていれば、そこで交換したりお話ししたりして不安を軽くすることもできます。
 「栄養素+心の安定」という効果のある駄菓子。普段使いのものを少し増やして、非常用持ち出し袋に加えてみてはいかがでしょうか。

登山で行動食として使われることの多い製品は非常食としても扱いやすい。
賞味期限にだけは注意が必要。