何社かの法人様のBCPを見せていただく機会があったのですが、内容を見てちょっと考えてしまいました。
BCPとは、文字通り「事業を継続させるための計画」のことです。
自社の備蓄量や生産量、さまざまな流通や生産が止まった場合にはどうするのかまで検討しておかないといけないものなのですが、作られているBCPは自社のみが被災してるという想定で作られているものが非常に多い気がします。
他社のBCPを組み込んでいる場合でも「○○社のBCPでは最短2日後には生産が再開されるため~」などといった感じで、そこが稼働できなくなった場合や道路、鉄道、船舶、航空といった流通がインフラの破壊により動かない場合にどうするのかが考えられていない感じです。
例えば、平成30年に起きた西日本豪雨では、山陽側の幹線道路や鉄道が寸断され、あっという間流通が麻痺してしまいました。今現在も完全に復旧しているとはいえない状態です。熊本地震や東日本大震災では機械の製造ラインは使えるのに、たった1つの部品を作る工場が被災して稼働できなくなったために生産ができなくなったというようなことが起きています。
そうなった場合にどのように部品を手当てするのか、どのように自分のところまで運んでくるのか、そしてどこへどのような手段で誰がというところまで詰めておくことが必要です。
他社に頼る部分は、他社のBCPを当てにするのでは無くそこが稼働できなくなった場合にどのようにするのかというところまで検討しておかないといけません。
また、自社の強みを手持ちの資材でどこまで発揮できるか、そして最悪の場合閉店も含めてどんな手段が考えられるのかを検討しておくことがBCPなのです。
BCPは業者にお任せで作るものではなく、自社の強みや弱みをしっかりと把握し、どこまでやるのかをしっかりと詰めること。
そこまでやった上で、外注するのであればノウハウを持つ業者と一緒になって作るものなのです。
「BCPはできてます」ではなく、「このBCPがあるので、我が社は少々のことなら生き残れます」といえるようになっていなければなりません。
経営者の方は、災害時に最悪の状態でも生き残れることができるような内容かどうかについて、自社のBCPを見直した方がいいのではないかと思っています。