がま仙人と青蛙神(せいあじん)

右ががま仙人で左が青蛙神。がま仙人はかなりでっかいひょうたんを持っているけれど、かなりのお酒好きだったのだろうか?

 3月いっぱいまでは休館中とのことですが、先日、ひょんなことから津和野町の日原にある日原歴史民俗資料館の収蔵物を拝見する機会に恵まれました。
 その中に収蔵されている大きな衝立に描かれているのが今日ご紹介する「がま仙人と青蛙神(せいあじん)」です。
 この衝立は元々お医者様の家の玄関に置かれていたそうで、作者は山本琹谷(やまもときんこく)という津和野町出身の絵師で、この資料館では「蝦蟇(がま)の絵」として紹介されています。写真ではわかりにくいのですが、青蛙神は前足二本後ろ足一本でおたまじゃくしのようなしっぽのついた姿をしています。福の神とされており、がま仙人とともに江戸時代には縁起物として好んで描かれていたそうです。
 「何で防災なのに美術品?」と思われたかもしれませんが、この青蛙神、実は「天災を予知する神」でもあり、がま仙人はこの青蛙神を従えて各地を放浪して、行った先々で起きるその地方の天災を青蛙神から聞き出しては、それを地域の住民に伝えてさまざまな供物を受け取っていたそうです。
 もしもこんな妙な姿のガマガエルを見かけたら、その地域で起きる天災を聞いてみるのもいいかもしれません。ひょっとすると、いろいろと教えてくれるかもしれませんよ。

 興味のある方はリンク先の日原歴史民俗資料館のサイトで営業日をご確認ください。