避難口誘導灯

「非常口」というのはご存じですよね?
消防法では「避難口」と呼ばれていますが、緊急時にその場所外部へ脱出するための出口のことで不特定多数の人が集まるところには設置が義務づけられています。
建物や地下街といった施設や鉄道車両やバスなどの乗り物もこの「不特定多数の人が集まるところ」という条件を満たすので、定めることが義務づけられています。
さて、その避難口を示す誘導灯の存在を意識したことがあるでしょうか?
建物の扉部分から左側向きに脱出する人のピクトグラムは、意識したことがない人でも見れば一発でわかるはずです。
この避難口を示すピクトグラム、現在は国際標準になっているそうで、よく見ないと分からないくらいの違いでしかない避難口のピクトグラムがISO7010の中に規定されています。
それはともかく、今回はこの避難口を示すピクトグラムの書かれている避難口表示標識、避難口誘導標識についてまとめてみました。

1)避難標識とは?
文字通り非常時に避難口及び避難口へ避難者を誘導する誘導標識のことです。
暗闇や煙でも見やすくするため、自光式や蓄光式など最低20分程度は光り続けることを始めとするさまざまな条件が「誘導灯及び誘導標識の基準」で定められています。
これらの表示は離れたところからでも見やすいという理由で天井に近いところに取り付けられることが多いようです。
余談ですが、不特定多数の人が集まる施設の場合には、避難誘導標識に加えて避難経路や現在地を示す地図が備えられていないといけないことになっているのですが、あなたはその施設に入ったとき、すぐにそれを確認していますか?

2)避難誘導灯の種類
避難誘導灯には二種類存在します。一つ目がそこが非常用出口であることを示す避難口標識で緑地に白色、そしてもう一つが避難誘導標識で、白地に緑色となっています。
避難口標識は人のピクトグラムが左を向いていますが、避難誘導標識では人は避難する方向に向いています。また、避難口が両側にある場合には左を向いています。
避難するための流れを図で見ると次のようになります。

3)避難誘導灯の素朴な疑問

煙の中で見るとこんな感じ。

災害等による停電の場合はともかく、火災の場合には煙は高いところに立ちこめます。その際に避難誘導灯が見えなくなるのではないかなと感じるのです。
以前にとある消防の方に尋ねてみたところ「排煙設備のある施設では高いところのみが多いが、排煙設備のない施設では高いところに加えて壁や床などの低い位置にも表示がされている」ということでした。
それからいろいろな施設を観察してみましたが、低い位置に設置された避難誘導灯はあまり見ることがありません。
災害時の暗闇では避難口表示灯は高手に、そして避難誘導灯は低い位置にある方がわかりやすいのではないかと感じています。

床に避難誘導灯がある場所もある。
いざというときに安心できる。

特にスーパーや百貨店などは表示だけ見て避難すると棚や商品にぶつかったりすることがあって危険ではないのかなと感じています。
避難口の位置と避難経路の事前確認、それに強力な懐中電灯を持っていれば危険は回避できそうですが、施設の誘導灯に全面的に頼るのは危険かなと感じています。
また、古い施設だと避難誘導標識もピクトグラムでなく文字だけで表示されているものも残っています。これは古いものについては施設の改修までは法律が適用されないために起きることで、見慣れた「緑+白」だけでなく「赤+白」というものも存在しますので意識して確認するようにしておいたほうがいいですね。