結論から言うと、災害時に自衛隊や消防、他の行政機関への派遣要請を行うのは各都道府県知事または市区町村長で、派遣を決定するのはその部門を所管する大臣や長官、あるいは知事会や市長会といった首長の会ということになっています。
日本はシビリアンコントロールが徹底していますので、いくら目の前で大きな災害が起きていても、その地域を代表する首長からの出動要請がない限り、勝手に出動することはできません。
ただ、被災地の情報収集を行うことまでは妨げられていないので、派遣要請があって出動命令が出るまでは、出動命令が出てからいかに短時間で効率よく被災地の支援に入れるのかを調査しています。
ただ、被災地の首長がどういう判断で自衛隊に派遣要請を行うのかは各首長の気持ち一つで決まるので、災害派遣部隊の出動が早かったり遅かったりしても、あくまでも首長や大臣といった政治家が責任を負う部分で、実働部隊ではないことに注意が必要です。
ここまで災害が続くのであれば、災害復旧を本業とする、例えば危機管理庁のような部門が専門でやってもいいのではないかという気もします。
現状の正確な情報が首長にきちんと伝わること、そして状況的に外部支援が必要であるかどうかを判断できなければ、いつまでも派遣要請は出ないことになります。
ちなみに、警察だけはどこからの要請がなくても警察庁の判断で自律的に被災地へ警察の災害派遣ができるようになっています。
現地の交通規制や治安維持を考えると必要な措置だと思いますが、場合によっては首長以下の幹部が全滅している場合も想定されますので、首長の派遣要請によらない方法も検討しておいたほうがいいのかもしれませんね。
災害派遣の仕組み(陸上自衛隊のウェブサイトへ移動します)
緊急消防援助隊の仕組み(総務省消防庁のウェブサイトへ移動します)
災害に係る危機管理体制の再構築に向けた規定の整備(警察庁のウェブサイトへ移動します)