低体温症に気をつけよう

 登山や屋外での運動をやっている人は割とよくご存じだと思いますが、低体温症には季節は関係ありません。
 夏であっても、身体から熱が奪われてしまって低体温症にかかってしまい危険な状況になることがあります。
 低体温症は本人が気づいたときには一人では手の打ちようが無い状態になっていることが多いので、意識して低体温症にならないように気をつけておく必要があります。
 では、低体温症はどうやって起きるのでしょうか。
 低体温症は、身体が作る熱が何らかの原因で奪われてしまい、熱を作ることができなくなる状態を指します。
 例えば、夏にはやる方がそれなりにいる沢登りですが、水の冷たい上流部で水に浸かり続けていると感覚がなくなり、震えがきます。これは低体温症の予兆で、そのうちに手足の指の動きが鈍くなったり、肌の感覚がマヒしたりしてきます。
 その後は全身の動きが鈍くなったり、転んだり。意識がはっきりしなくなると危険な兆候です。
 最終的には寒いという感覚がなくなって眠くなって絶命してしまうので、そうなる前に手を打ちましょう。
 基本は,身体を乾燥させて保温することです。
 保温といっても、意識が混濁しているような状態のときには、かなり体温が下がっていますので、ストーブや湯たんぽなどでいきなり温めると心臓マヒを起こすことがありますので、ゆっくりと温めていくしか手がありません。
 で、この低体温症、大雪の最中に屋外作業をしたり除雪しているときにも起こります。雪に埋もれると一気に低体温症になりますし、除雪などで汗をかいたあと寒風に吹かれれば同じように一気に低体温症になります。
 とにかく小まめに休憩をとって身体を冷やさないこと。そして雪や汗で身体が濡れたら、すぐに拭き取って乾いた衣服に着替えることを基本に行動をしてください。
 低体温症は条件さえ揃えばどんなところでも起こり得るものです。
 そのことを忘れずに、どうぞご安全にお過ごし下さい。

停電とライフライン

 先日、当研究所のある地区の一部で停電があったそうです。
 幸い当研究所では影響はなかったのですが、電気が止まってしまうと、現在の私たちの生活は非常に困ったことがたくさん発生します。
 例えば、オール電化のおうちだと、大型の蓄電池が設置されてでもいない限り、家の中のライフラインは水以外止まってしまいます。
 田舎などではまだまだ多くのご家庭が使っているガスも、ガスコンロは使えますが、ガスボイラーは電源が必要なため使うことができません。
 また、火災の危険性や手軽さから暖房器具を電化製品に頼っているおうちも多いと思いますが、これから寒くなる時期に停電になると、当たり前ですが電気を使う暖房器具は一切使えなくなります。例えば、普通の灯油ストーブなら使えますが、灯油ファンヒーターは電源が使えないので駄目だということ。
 こんな状態になったとき、あなたはどうやって暖を取りますか。
 寒くて暗い状態は、人間の精神にも身体にも良い影響は与えません。
 布団に湯たんぽを入れたり、使い捨てカイロなどで身体を冷やさないようにすることが大切です。気をつけたいのは、身体が冷え切ってしまうとどれもあまり効果がないということ。身体が冷え切る前に、温めるための手を打って下さい。
 ちなみに、湯たんぽは専用の道具がなくても、瓶やペットボトルで代用できます。温かいものを入れても大丈夫であることと、密閉性があることが前提条件になりますので、使う前にはしっかりと確認しておいてください。
 私たちの生活で非常に重要な位置を占めている電気。
 できる限り停電にならないように電力会社の方々は日々頑張ってくれてはいますが、万が一停電になった場合に備えて、身体を冷やさなくても済む方法を準備しておきたいですね。
 最後に、停電したからといって、屋内で炭や発電機の使用はは絶対に止めてください。現在の家は非常に密閉性が高いので、炭の燃焼や発動機の排気ガスに含まれる一酸化炭素で死んでしまいます。