非常用備蓄品として、集会所や公民館といった避難所になり得る施設にはさまざまな資機材が準備されていることも多いです。
仮設トイレや段ボールベッド、仕切りやテントといったアイテムは、備え付けているだけではあまり意味がありません。実際に使ってみて、使い方を覚えておかなければ、便利なものであっても役には立たないのではないでしょうか。
以前に避難所で、本来はパーテーションとして使われるはずの段ボールが避難者の敷物代わりになっていたという笑い話のような光景を見たことがありますが、これもその段ボールがなんなのかが運営者側にわからなかったため、敷物代わりに使われてしまったようです。
もっとも、寒い時期にはパーテーションよりも床からの寒気を遮断するための道具として使った方がよいという見方がありますので、一概に悪いとも言えません。
余談になってしまいましたが、備え付けてある資機材は、避難者や運営者が存在を知らなければないのと同じですし、使い方を知らなければやっぱりないのと同じです。
また、資機材を使うために必要なものが欠落している場合があります。
とある避難所予定の施設では、停電に備えてステンレス製のかまどが用意されていましたが、肝心の薪と鍋は備え付けてありませんでした。
近所から持ってくる想定なのかもしれませんが、使うための資機材は一通り揃えておいた方が、いざというときに困らないのではないかと考えます。
こんな例はたくさんありますが、せっかく準備する資機材ですので、避難者や運営者もそれがどんな道具でどうやって使うのかについて、できれば実際に使ってみて使い方を知っておいて欲しいと思います。