災害時に発令される警戒レベルについては以前書いたことがありますが、運用が始まってからの取り扱いで混乱が生じている部分があるようです。
今回は警戒レベルのおさらいと、その発令条件を確認しておきたいと思います。
1.警戒レベルについて
警戒レベルはレベル1からレベル5までの5段階となっています。
警戒レベルの内容は、以下の表を確認してください。
2.何が問題なのか
表の中の「行政が発信する情報」の発令元が異なるため同じ表でありながら異なるレベルが発令されることが起きうると言うことです。
警戒レベルの発令元は「気象庁」「国や都道府県」「市区町村」にわかれており、発令元で分けると次のとおりになります。
ここで気をつけないといけないのは、気象庁や国・県は雨量や水位などの情報を元に基準を超えると自動的に発令される情報であること、そして市町村は客観的な情報を総合的にとりまとめて判断して発令するという違いがあるため、発令される警戒レベルに食い違いが発生することが起こりえます。
山陽新聞のWEB版によると、先日、岡山県真庭市でこの事例が発生したそうです。このケースでは、気象庁と県は雨量に基づき土砂災害警戒情報として緊急避難が必要なレベル4と判断し、真庭市は「地区の状況から被害エリアが限定され全域の避難は必要ない」と判断し、警戒レベル3を発令したそうです。
3.では、どうすればいいのか
各行政機関が発令する警戒レベルは、地区や地域という「面」であって、自分のいるところという「点」ではありません。
自分のいる場所がどんな場所でどういう状況なのかというのは、あくまでも自分で考えて判断するしかありません。
雨が続いて裏山が不安であれば、警戒レベル2でも避難してもかまいません。
また、高台で水に浸かる心配がないところであれば、レベル5でも自宅待機の方が安全という場合もあるでしょう。
行政機関が出す情報はあくまでも参考情報で、あくまでも最終的な決断は自分が行うしかないのです。
もしも判断に迷うようであれば、より安全な方を選んで行動するようにすれば少なくとも命は守れるのではないかと思います。