行政の職員や地域の民生委員、消防団、自治会役員、電力会社やガス会社など、普段から地域に住んでいてさまざまな役をしている人たちがいます。
災害が起きると、そういった人たちは被災者や被災地域の復旧・復興に東奔西走することになりますが、多くの人が忘れている事実があります。
それは、そういった人たちも地域の被災者であるということ。
他の人たちが家族の安否確認や家の片づけをしている間、役についている人たちは自分のことは置いておいて、まずは他の被災者や地域のために奔走しています。
でも、それは当たり前のことではありません。
誰だって家族のことが気になりますし、家の片づけだってしたいはずで、それを仕事だからということで後回しにして他の人のために仕事をしてくれているのです。
本来は、できるだけ早く他地区から仕事が代われる人を送り込んで、被災した人は家に戻してやることが必要です。
ここのところ災害が続いていて、だいぶ動きは早くなってきました。それでも、まだまだ遅いなという印象です。
行政や地域で活動している人全てが一斉に自分のことをするのは難しいと思いますが、他地区からの応援が入れば、順番に自分のことをやれる時間を作ることができます。自分のめどが立てられれば、精神的には落ち着きますので、かなりよいコンディションで仕事を行うことができるようになるでしょう。
それを行うためには、各応援部隊は数日で入れ替わるのではなく、1週間や10日くらいは被災地に腰を落ち着けて、地元の人がいなくてもしっかりと支援を行うくらいの気持ちが必要です。
これからまだまだ災害は増えてくると思いますので、今のうちに自治体同士の相互支援協定や民生委員、消防団、自治会などの受援体制をしっかりと固めておきましょう。
電力会社やガス会社はその辺はかなりしっかりとやられていますが、今後は現在のような維持管理体制を継続することも難しいのではないかと思います。
しっかりとした支援体制が組めるように、他地区の同業者と調整をしておく必要があるでしょう。
そして、支援者は短期、中長期でそれぞれ支援ができるような体制づくりをしていく必要があります。軌道に乗れば被災地に業務をお返しできると思いますが、支援者もある程度腹を決めて被災地に入ってほしいと思います。
被災地では、その地域でさまざまな仕事をしている人がすべて被災者になります。そのことを忘れずに、災害復旧をしていきたいですね。