古いおうちと家具の固定

 古いおうち、特に昭和56年以前に建てられた建物については耐震性が充分でないことから耐震診断と耐震補強は可能な限りやる必要があるものの一つです。
 ただ、こういったおうちにお住いの方は、多くはお年寄りだったりしますので、耐震診断や耐震補強はお金がかかったり面倒くさかったりで、あまり作業は進んでいないようです。
 では家具の固定を、と考えると、こういったおうちには古くからの家具がたくさんあって、そのうえそれ以外にもさまざまなものがあって、地震対策という視点からみると非常に危険な状態です。
 とはいえ、断捨離としてお片付けすると、作業後にはどこに何が入っているのかわからなくなって大騒ぎになりますし、うかつなこともできません。
 せめて寝室だけでも家具を撤去したいと思っても、長年慣れている場所と方向を変えることはかなり難しいみたいです。
 命を守ることは必須ですが、とはいえ生活環境を守ることも大切なことですので、そのまま家具の固定をするわけですが、やっぱり危険な状態には変わらず、非常に悩ましい状態になります。
 そうならないためには、引っ越した時の配置をしっかりと考えておく必要があるのかなと感じています。

まずは地震に備えよう

台車で地震体験。横揺れだけでもいい体験になる。

 災害対策の中で「地震」とそれ以外にわけられるのには理由があります。
 それは「地震」はいきなりやってくること。
 他の災害ではことの大小はありますが、それなりに前兆がありますので、準備をする時間があります。
 でも、地震は突然本番がやってきて、やってきたときにはすでに結果が決まっているのです。そのため、地震対策は他の災害とは区別してさまざまな備えを行うようになっています。
 例えば、建物の耐震化。地震が来たときに慌てて耐震工事をしようと思っても耐震化は絶対にできません。事前に備えて対策していなければ、本番では家が壊れないことを祈るくらいしかできることがないのです。
 もちろん耐震化したからと言って絶対に大丈夫とは言い切れません。熊本地震のように大きな揺れが二回来たら、二回目で崩れることもあるでしょう。ただ、いきなり来た本震でその下敷きになって死んでしまうことだけは防ぐことができるのです。
 地震はいつ来るか分かりません。家にいないときかもしれませんし、お風呂やトイレ、寝ているときかもしれません。
 そのために必要な備えは、人によって異なります。
 わき水や畑に野菜がある地方と、水道やお店に頼らないといけない地方では自ずから備えるべきアイテムが異なります。
 また、周辺人口や避難所数によっても災害後の行動が変化してくると思います。
 いざというときに備えるのは必須ですが、何から準備したらいいかわからないときには、まず地震対策から準備することをお勧めします。
 今回は耐震化のことに触れましたが、耐震化できなくても家具の転倒防止や配置の変更でもずいぶんと状況がかわりますよ。


 あなたの命を守るために、あなた自身が行動する必要があることを忘れないでくださいね。