抗菌・殺菌・滅菌・除菌

 昨日の「紛らわしい」つながりになりますが、今回はよく出てくる抗菌、殺菌、滅菌、除菌の違いについて説明してみたいと思います。
 結構混同や誤解をしていることが多い内容なのでよかったら参考にしてください。

1.抗菌

 抗菌は菌を増やさない状態を言います。手すりやドアノブ、便座などによく「抗菌仕様」と書かれているのは、菌を増やさないという効果を謳っているだけで、菌はそこにいます。繁殖しにくいだけと考えてください。

2.殺菌

 文字通り菌を殺すことです。煮沸や消毒液、界面活性剤などを使ってウイルスや細菌を物理的に殺すことを言います。

3.滅菌

 全ての菌やウイルスが死滅もしくは除去された状態を指し、日本薬局方では標準状態と比較して100万分の1以下の量にまで殺菌処理されたものを言っています。
 ただ、滅菌処理されたものに滅菌をする効果は無いことに注意してください。

4.除菌

 ある特定の場所やものから最近やウイルスを除去することです。除去することが目的なので、殺菌や滅菌されているかどうかは問われません。

 似たような言葉なのですが、強さとしては「抗菌<除菌<殺菌」となり「滅菌」は別枠となります。
 また、殺菌にきちんとした定義はないようなのですが、薬事法により表示できるものが医薬品及び医薬部外品に限定されているため、殺菌効果があるものでも除菌となっているものが存在します。
 現在新型コロナウイルス騒動で消毒が注目されていますが、言葉の違いを意識しておかないと思ったのと異なることが起きてしまうことがあります。
 表示されている内容を確認し、自分の目的に合った製品を選べるようにしてくださいね。