書く道具を用意する

 油性ペンや鉛筆、ボールペン、クレヨン、万年筆、黒墨など、一口に書く道具といってもいろいろとあります。
 災害時、書き付けるためのものは、紙が無くても何とかなりますが、書く道具がないと相当苦労します。メモ帳や付箋、ノートは忘れても、書く道具だけは絶対に忘れず持ち歩くようにしてください。
 では、非常用持ち出し袋や防災ポーチに入れるとしたらどのようなものがいいのでしょうか。
 災害後、いろいろな出来事が起きますが、何にでも書くことができるということが前提になりますので、万年筆やボールペンは必須にはなりません。
 油性ペンで太い芯と細い芯がセットになっているようなものがよさそうですが、カバンなどに入れてそのままにしておくと、いざというときに乾いていて使えないということが起きるかもしれませんので、管理はきちんとしておきましょう。
 鉛筆は、つるつるとした面以外は結構さまざまなものに書くことができるので重宝します。芯が折れたら使えなくなるので、そこだけは気をつけておく必要があります。
 意外ですが、クレヨンやダーマトグラフは大抵のものに書くことができ、落ちにくく、落とそうと思うとすぐにきれいに落とせるという魅力があります。

ダーマトグラフ。結構何にでも書けて便利。

 これも鉛筆と同じく、芯が折れてしまうと使えなくなるので、保管の方法には気をつけておきましょう。
 どのような書く道具も一長一短がありますので、結局は使いやすいものになっていくのだと思いますが、手に入りやすさで油性ペン、ずぼらな人はダーマトグラフを用意しておくといざというときにもいろいろ掛けて便利ですよ。

手遊びのできるものを非常用持ち出し袋に準備する

 以前にボードゲームやカードゲームを非常用持ち出し袋に入れておくといざというときに気が紛れるということを書きましたが、それらで遊べない年齢の子どもの場合はどうするのかというお問い合わせをいただきました。
 答えとしては、「その子が喜んで遊ぶものをいくつか準備しておく」ということになりますが、一刻を争うときに子どものお気に入りのおもちゃの持ち出しにまではなかなか気が回らないと思います。
 そこで、折り紙や落書き帳をいれておいてはいかがでしょうか。もちろん、折り紙だと折り方を知っていなければなりませんし、落書き帳にはクレヨンや色鉛筆といったお絵かきするための道具も必要です。
 これらは子どもと遊ぶという目的だけでなく、折り紙であればコップや皿を作ることができますし、落書き帳も折り紙に使えますし、伝言メモや記録を書くときにも使うことができます。
 非常用持ち出し袋は、なるべく軽くしたいものですから、いざというときに備えて、これらの紙道具を準備しておいてはいかがでしょうか。
 なお、落書き帳ですがコンパクトな自由帳やメモでは駄目かというご相談を受けることがあります。それでもいいのですが、一枚を書いたという満足感と、作品として完結させたという満足感を持つためにはある程度の大きさが必要だと考えます。そのため、B5サイズ以上の紙の方がいいのではないかと思いますが、その子が普段どのようなものに絵を描いているのかを確認していただき、そのサイズにあったものを準備されればいいと思います。
 同様に、折り紙についてもある程度の大きさの方が、子どもの手には折りやすいのではないかと思います。こちらも子どもと一緒に折ってみて、ちょうどいいサイズを探してみてください。