災害後に温かな食事を作るため、調理器は準備しておいた方が安心できると思います。特に災害直後はライフラインの全てが止まっている可能性が高いので、単独で使えるカセットコンロを準備しておくことをお勧めします。
ただ、カセットコンロはその名の通りカセットガスがなければ使えません。
調理する時期と内容によってカセットガスの使用量が異なるためになんとも言えませんが、通常2~3食分を作ってガス1本を消費すると考えて準備するといいと思いますが、たくさんのカセットガスが必要なのも確かです。
田舎であれば廃材で焚き火などをして、そこで調理する方法もあるのですが、都会地でこれをやろうとしても廃材が手に入らないと思いますから、電気調理器を準備しておくといいと思います。
ライフラインの中で、プロパンガスを除くと一番復旧が早いのが電気ですので、特に都市ガスの地域では電磁調理器を準備すれば、暖かいものを継続して食べることができると思います。
最近は携帯できるタイプの電磁調理器もあるようですので、あらかじめ準備しておくことをお勧めします。
特に乳幼児やお年寄りと一緒に避難する場合には、熱源を複数確保するのを忘れないで欲しいと思います。
ちなみに、お住まいの地域が田舎でプロパンガスであれば、ボンベさえ無事なら、直結できるガスコンロで暖かいものを作って出すことが簡単にできます。
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気力の元は暖かい食べ物
災害が起きた後、何の備えもないまま避難所に避難した場合には「飢えと渇きに悩む」から「配給の非常食+水」になり、「弁当工場の作った冷えたお弁当」となっていきます。
どうして炊き出しが喜ばれるのかというと、こういった食糧事情なので暖かい物を飲んだり食べたりできないという生活に、できたての温かい食べ物や飲み物が支給されるからです。
じつは避難所運営で一番ネックになるのが食料を温めるという問題です。電子レンジでもあれば冷えたお弁当を温め直して食べるという手が使えるのですが、何百人、何千人と収容する大きな避難所だと、そういった対応はまず無理です。
弁当工場で作った物を暖かいうちに運べば良いのではという意見もありますが、弁当作成業者にとって一番怖いのは食中毒です。また、短い時間でたくさんの弁当を作ることは物理的に困難なので、どうしても冷凍保存して出火することになりますから、どうかすると冷たい弁当よりも悪い、どこかしら凍った弁当を食べる羽目になったりします。
避難所全員の弁当は難しいかもしれませんが、せめて自分の家族分だけでも温かい食事を取ることができれば、気力を維持することは可能です。
アウトドア用のガスバーナーやカセットコンロ、焚き火、どうにもならなければ使い捨てカイロでもいいので、非常用持ち出し袋には温める道具を準備し、食事はできるだけ温めて食べるようにしてください。
温めた食事は心を落ち着かせ、身体もリラックスさせる効果があります。災害後に元気に復旧を進めていくためには、しっかりと暖かいものを口にすることが重要なのです。ただ、温めた食事は食べきらなければすぐに傷んでしまいますので、食べられない場合には残った物は速やかに処分してください。
食事や飲み物をしっかりと温めて、食事で気力を失うことがないようにしたいですね 。