避難計画を作るときは、まず避難経路の検討をするところから始めましょう。
ただ、前提条件として「全ての災害にオールマイティで使える避難経路はほぼ作れない」ということを知っておいてください。
その前提を頭の片隅に置いた状態で、とりあえず避難経路を一つ作ってみましょう。
1.防災マップ(避難経路検討用の地図)を作る
避難経路を決めるときには、住宅地図にハザードマップと避難所の位置を落とし込むところから始めます。
ハザードマップは面で作っていますが、住宅地図は点で見ることができるので、重ねることで自分の家や周囲の状況が一目でわかります。
できればこれに標高の色分けを加えると、非常に使いやすい防災マップができあがります。
2.防災マップで家と周囲の避難所の位置関係を把握する
できあがった防災マップを見て、家と避難所の位置関係及びその間にある障害を確認します。
崩れそうなところ、水没しそうなところを確認し、避難しやすそうな避難所があるか確認してみます。
どの避難所も避難するには危険だと考えた場合には、近くの安全そうな場所に一時避難を考えるか、あるいは早めの避難行動開始を検討することになります。
3.避難経路の線を引いてみる
決めた避難先までの経路を地図に落としてみます。
4.実際に決めた避難経路を歩いてみる
作った地図を片手に、実際に作った避難経路を歩いてみます。
実際に歩いてみると、図上では気づかなかったマンホールや側溝、古い家屋やブロック塀が案外多いことに気づくと思います。
それを地図に落とし込んでいき、地図だけではわからない情報を調べていきます。
5.実際に歩いてみた情報を元に、災害ごとの避難経路を考えてみる
現地を見て得た情報を使って、想定される災害ごとに危険だと考えられる場所を避けるような経路を考えてみます。
危険だと考えられる場所を決めるときには、どういう理由で危険なのかを整理しておくとそこを避けるべき災害がわかります。
例えば、マンホールだと蓋が外れた状態が見えないことにより中に落ちる危険性があります。蓋が外れているかどうか確認できない状態ではそこは避けるべきということになりますから、地震だと夜間、水害では危険だということがわかります。
こうして整理していくと、考えられる安全な経路がいくつか見えてきますので、災害時にはそこを避難すればある程度安全が確保されるわけです。
実際に作ってみると、最初に想定していた避難経路が非常時には使えないということがわかることが多いです。
図上と実地調査、どちらも重要なものですから、しっかりと確認しておきましょう。
そして、一度作ったら終わりではなく、最低でも年に1回は実際に避難してみて、問題なく避難ができるかどうかを確認するようにしましょう。