大雨警報と洪水警報

 気象庁発表の警報の中でよく発令されるものの中に大雨警報と洪水警報があります。
 筆者は大雨警報が出て、その後洪水警報が出るようなイメージがあったのですが、必ずしもそうなるわけではないようです。
 試しに気象庁のウェブサイトを確認してみると、

 大雨警報は「大雨による重大な土砂災害や浸水害が発生するおそれがあると予想したときに発表します」と書かれており、中略して「雨がやんでも重大な土砂災害等のおそれが残っている場合には発表を継続します」とあります。
 洪水警報は「河川の上流域での大雨や融雪によって下流で生じる増水や氾濫により重大な洪水災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します」となっています。

 このことから考えると、大雨警報が出た後に洪水警報が出ることはありますが、洪水警報単体でも発令されることがあるということになります。
 河川の上流域で大雨が降れば、下流域で雲一つなく晴れていても流れてきた大雨の水が合流して氾濫ということも当然起きるわけですから、言われてみれば納得です。
 その地域に雨が一滴も降っていなくても、上流部で降った雨による河川氾濫がありうるとなると、洪水警報が発令された場合にはどんなに天気がよくても早めに浸水想定区域外へ避難を開始した方がよさそうです。
 河川の流域に住んでいる人は、住んでいる地域だけでは無く上流部の天気も気にしておいた方がより安全を確保できそうですね。

参考:気象庁ウェブサイト「気象警報・注意報の種類

避難は安全な日中のうちにしてしまおう

 大きな台風10号がゆっくりと接近してきているようです。
 このまま行くと、どうやら西日本直撃コースのようで、益田市の安全安心メールでは「14日から風が強くなり、15日明け方には暴風域に入り大荒れの天気になる恐れがある」という情報が配信されています。
 今回の台風は強風域が非常に広くて「超大型の台風」という扱いになるようですが、とりあえず風が強くなる前に家の周囲の片付けをしてものが飛ばないようにしておく必要がありそうです。また、事故が起きる可能性が高くなりますので、風が強く吹き出してからの屋根の修繕や窓の補修などは絶対にしないでください。
 ところで、気象台や市町村と言った行政機関が発令する避難勧告や避難指示、レベル4、レベル5といったものは、昼夜を問わずに発令されます。そのとき、自分が避難すべき場所に避難することが可能でしょうか?
 今回の台風では、当地域は「15日の明け方には暴風域にはいる」恐れがあるそうです。そうすると、レベル4が発令されて15日の日中に避難しようとすると、視界の効かない足下も見えない暴風雨の中を徒歩で避難することになってしまいます。それは非常に危険なことですし、一つ間違うと遭難してしまうことにもなりかねません。
 また、もし夜中に発令されれば、真っ暗な暴風雨の中を視界も効かない状態で避難所まで移動しなくてはならず、避難する難易度は跳ね上がります。
 そのため、空振りになるかもしれませんが、天気の比較的安定している14日の夕方に避難所に避難することを勧めます。明るい中を避難するのと日が暮れてから避難するのでは避難のしやすさがまるで違います。
 場合によっては、まだ避難所が開設されていない時期かもしれませんが、台風の場合には進路予想ができますので、来ると分かっている、または来る可能性があるのであれば、影響の出始める前に避難所を開設すると、日中の避難がとてもしやすくなります。そして、大荒れになってレベル4やレベル5が発令されたとしても、とりあえずの安全は確保されている状況になるわけです。
 影響の出る前の日中に避難することは、正直に言って恥ずかしいかもしれませんが、安全を最優先に早めの安全な避難をしてほしいなと思います。
 大きな被害がでないことを祈ってはいますが、まずは自分の安全確保を考えて行動してください。