災害が発生すると、あらゆる機関が非常態勢に入って非常時の活動を開始します。
周囲は被災しているため、基本的にあるもので何とかしなければいけない状態になるのですが、現時点に至るまで、被災者の中の一般人の食料や水は確保されていますが、災害対応をする職員のものは確保されているという話はほとんど聞きません。
企業はともかく、施設や行政機関ではほとんど日常の延長戦で非常時への対応を行っているのではないでしょうか。
目まぐるしく変わる状況の中では、しっかりと食べ、しっかりと飲み、そしてしっかりと睡眠をとることが事故を防ぐのにとても重要なことなのですが、自分の手持ちにあるもので何とかしろというのが今の日本の現状です。
では、職員に対して支援物資が来るのかというと、支援物資は被災した一般住民が最優先。災害対応する職員にはまず届きません。
自衛隊やよそから派遣されてくる応援部隊も、自分たちのものは当然持ってきていますが、最初から対応に当たっている職員の分までは当然考えられてはいません。
災害対応している職員が披露し衰弱すると、最終的にその地域の復旧や復興が遅れる上にいらない事故が発生します。
非常時に待ったなしで対応しなければいけない施設、例えば行政、警察、消防、施設、学校といったところは、一般被災者よりも災害対応にあたる人に対する備蓄をしっかりと整えておくことが、その後の対応に大きな差が出るということを知っておいてください。
「頑張れ!」という精神論ではお腹は膨れませんし、疲労も取れません。災害対応は長期戦です。食事、給水、睡眠、衛生といったものは、本来は最優先で対応されるべきものです。
防災計画は、被災後に起きる長期的な生活部分のことをしっかりと決め、食べ、飲み、出し、寝ることがきちんと計画的に運用されるためにこそ作成すべきものです。
残念ながら、そういった点に目が向いている組織のトップはまだまだ少ないので、できる人に仕事が集中して潰してしまうという状況は変わらないのかもしれませんが、災害対応する職員ができる限り生活レベルを落とさなくてもすむように、被災後の対応計画についてしっかりと設計しておいてほしいと思います。